エメラルドドラゴン 16日目(最終回) 「旅立ち」

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この聖地イシュ・バーンを覆った全ての災厄の元凶ティリダテスは、秘宝アヴェスタに力を移しその化身ザンディーグとなる。
生きながらにしてアヴェスタの力を操れるようになったこの化け物はイシュ・バーンだけでなく全ての世界の災厄となろう。
ここで止めねば世界は終わる…!

と盛り上げてみるが、やはりというかなんというか、最高レベルタムリンによってわずか1ターンで混乱させられる。
ホルスの王女タムリンを散々disった上に散々虚仮にしてきた人間にまでしたのにこの始末。
かくしてザンディーグはタムリンレーザーで延々と焼かれ続け、アトルシャン達にノーダメージで倒されてしまった。
かつてこれほどまでに弱いRPGのラスボスは居ただろうか。
というかこれほど強い主人公達は居ただろうか、になるか…

こうしてザンディーグは倒れる。しかし…

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ザンディーグの精神体となったティリダテスが死んだ今、それはただの力の塊だった。西の平原を一瞬で砂漠に変えた力の。
制御を失ったそれは暴走し、この地域一帯を吹き飛ばす程までに巨大化していった。
エメラルドドラゴンの精神である魔剣ヴェンディダートは剣を突き立てエメラルドグレイスを並べよと叫ぶ。
すると遂に…

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エメラルドグレイス、すなわち銀竜や黒竜等の体の一部を触媒に、遂に竜族の英雄エメラルドドラゴンが復活。
急ぎ彼の背に乗り、アトルシャン達はホルスの本拠であるヘルマンド山を脱出。

やがて臨界を超えたアヴェスタの力でアヘルマンド山は大崩壊し、ホルスは全滅してしまった。
最後のホルスであるタムリンも、ザンディーグの力により人間となった。
同族を失った傷心のタムリンに、アトルシャンもまた銀龍の鱗の力を使わず、人間として一生寄り添うと誓う。

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こうして物語は終わった。
エメラルドドラゴンはドラゴン小国へ、ハスラムとファルナはエルバードへ帰る。
そして人間となったアトルシャンとタムリンは、サオシュヤントと共に、イシュ・バーンを超えて旅に出る。
新しい物語を始めるために…

エメラルドドラゴン -完-




■感想

リアルタイムでやっていた頃は、このゲームの最大の長所は練られたゲームバランスと思っていた。
が、色々なゲームをやり慣れた今の視点だと流石にエンカウントやお使い多すぎである。
勿論当時としてはこれだけ少ない容量でここまで楽しませてくれたという点だけで充分だが。

むしろあらためて気付かされたのはシナリオの構成の良さだろうか。
オストラコン→魔王ガルシア→ティリダテスと言った当座の目標を明確にしているので、物語に中だるみが殆ど無いのだ。
更に革命的発明の相談コマンドによって、キャラを立たせつつ次に何をするかがわかるのが素晴らしい。
当時システム面だけでなくシナリオ面でもユーザビリティーを上げたゲームは非常に珍しかった。

改めて、ここまでビジュアルとゲーム性、そしてユーザビリティが上手く融合したゲームはエメドラが初ではないかと思う。
その後のグローディアのゲームが期待されながらもマニア受けでとどまってしまったのは、エメドラが偉大過ぎたせいもあろう。

先駆者は必ずしも頂点を取れない。先駆者の真似をした者が頂点を取ると良く言われる。
テグザーを作ったゲームアーツや、エメドラを作ったグローディアがそうなってしまったのは、仕方ないとはいえ寂しいものだ。
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コメント

はじめまして 毎日楽しく読んでます
エメドラは少年時代の思い出深いタイトルで大変良いレビューでした お疲れ様です

Re: タイトルなし

はじめまして!ありがとうございます。
自分もリアルタイムで大変感銘を受けたゲームなので、書いていてとても楽しかったです。
本当に良いゲームを作っていただき感謝です。
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