エメラルドドラゴン 1日目 「戦乱」

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エメラルドドラゴンを始めます。初出は1989年。

少年時代、私はこのゲームを通販で買った。
通販と言ってもネットなど当然無く、ベーマガ等に記載されている全国のマイコンショップにドキドキしながら電話して購入。
届いたそれは草一本生えていない荒山にウルトラ怪獣の如きドラゴンが浮いている大変硬派なパッケージ。

震えあがったものである。

さて、このゲームは文句なしの掛け値なしの、日本製RPGすなわちJRPGだ。
JRPGと言えばアニメとファンタジーが融合した冒険活劇が王道だが、それが上手く融合するまでに紆余曲折があったと思う。

RPG側面から言えばエメドラ以前ではザ・ブラックオニキスといった和製WIZ、ドラクエの元祖と言われる夢幻の心臓があった。
しかしこれらはアニメ…つまりビジュアルと言う側面が薄かった。
というかそもそもゲームとアニメが同列のように語られるのは90年代に入ってからで、80年代はまだまだカオスだった。

そしてアニメ、つまりビジュアルと言う側面で体表的なのは夢幻戦士ヴァリス等日本テレネット作品だ。
だが88クソゲーメーカー四天王の副王とされるテレネットに、ゲーム性のあるゲームは厳しかった。
(ちなみに帝王は満場一致でザインソフトだ)

そんなわけなので80年代ではなかなかゲーム性とビジュアルが上手く融合したゲームはありそうで無かった。
エメラルドドラゴンは、それが初めて成功したゲームではないかと個人的に思う。
市場規模的な影響力はやはりFFやドラクエなのだろうが、コテコテなJRPGの雛型を作ったのはエメドラだと断言したい。

以下ストーリー。

聖地イシュ・バーンではドラゴンと人間が長い間共存していた。
ところがある日突然ドラゴンのみ襲う呪いがイシュ・バーン全土を覆う。
全滅の危機を免れるため、万物の霊長たるドラゴンたちは次元を超えドラゴン小国へ移り住む。
そして数千年後…ドラゴン小国にイシュ・バーンからの難破船が漂着する。
生存者は少女のみであり、彼女はドラゴンたちによってタムリンと名付けられた。
一方でタムリンと同時期に生まれたブルードラゴンの子供がいた。彼はアトルシャンと名付けられた。
出生率の低いドラゴン族は子供の大切さを良く知り、アトルシャンとタムリンはきょうだいのように育てられ12年の歳月が流れた。

けれどドラゴンと人間は仲良くできても異種族。人間は人間の中で暮らすのが幸せと竜族の長に諭されたタムリン。
アトルシャンの角を形見に、彼女は生まれ故郷であるイシュ・バーンに旅立った。
しかし、今のイシュ・バーンは聖地などでなかった。
どこからともなく現れた魔王とその一軍によって戦火に包まれていたのだ。

タムリンがイシュ・バーンに戻って3年。
戦乱は地上の殆どを蹂躙しつくし、タムリンのような少女すら戦わねばならなかった。
彼女は毎朝、丘の上でアトルシャンの形見である角から作った角笛を吹いていた。最後の希望を託して。
きっとこの戦乱を鎮めるため、共に戦ってくれるであろう幼き頃からの友が来てくれると信じて――

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というわけで角笛に呼ばれた我らがアトルシャンはイシュ・バーンの地に降り立つ。
すべきことはまずRAMディスクへのデータ転送だ。

このゲームは88版でレビューしているが、なぜ88版かというとサウンドボードⅡのRAMドライブを使えるのが88版だけだからだ。
これによって戦闘も一瞬にしてロードされ、エンカウントの多いこのゲームでは快適度が非常に高まる。
大体88、98と両方出ている場合は88版は98版の下位互換だったりするのだが、エメドラに限っては88版が上位だ(断言)。
この時代次々と88版ゲームが死に絶える中、ここまでの優遇っぷりは少年の傷ついた心を大変慰めてくれたものである。

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準備が終わったら道なりに移動しタムリンの家にGO!
早速「俺は戦いたくない、一緒に逃げようぜ」とヘタレなことを言いだし、5年振りの幼馴染をハートブレイクするアトルシャン。
タムリンはすっかり怒ってしまった。
が、そのつっけんどんな態度はアトルシャンがタムリンの決意のほどを確かめたるための物だった。
未成年の癖にワイン?をくゆらせ彼女の決意を聞いたアトルシャンはニヤリと笑いともに旅立つこととする。
しかしこの男、下手くそである。もっとレディーに対する接し方というのもあるであろう。
こんなことだからタムリンは後にハスラムなどと結婚することになるのだ(小説版)。

さて、魔物といざ戦おうにもまずは情報を集めなければならない。
情報集めの過程で、飲んだくれだが腕の立つバルソムと言う剣士と、魔物に詳しいというバギンを仲間にする。

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直ぐ近くの洞窟では、魔王ガルシアが尖兵として送ってきたゴーレムの封印が解けようとしていた。
早速みんなでタコ殴りにし事無きを得る。

戦闘システムはサバッシュというかティルナノーグというか、その辺をうまくアレンジしたリアルタイムシミュレーション。
とにかくテンポが良く、倒してる感をサクサク楽しめる。
これもRAMディスクにデータを送ったおかげである。88バンザイ。
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