ウィザードリィ外伝Ⅳ 26日目(最終回) 「儀式」

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パイプオルガンを奏でることで聖域の奥への道が開く。
そこに居たのは酒場から失踪した女性、ダリアだった。

だが彼女の声はしわがれた老人のようで、そしてなにやら妙なものを呼び出そうとしていたようだ。
どうもダリアはこの老人の声をした者に取り憑かれているようなのだ。
このダリアが本シナリオの事実上のラスボス。
全力を持って挑むが…

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2回攻撃しただけで死んでしまう。
胎魔の魔王でレベル上げしすぎたせいもあるが、それにしても弱い。
なぜこんなに弱いのか。
それは彼女に取り憑いていたのが、胎魔の魔王に泥ひっかけられて即死したあの悪のモヤシ黒幕賢者だったからであろう。
このモヤシ黒幕賢者がなぜダリアに目を付けたのか謎だが、この辺は各自妄想するがよい。

死んでしまったダリアからペンダントが零れ落ちる。
それを持ってギルガメッシュの酒場に戻ると…

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酒場に居た、ダリアの死を告げられた青年が半狂乱になる。
その最中、彼にしか聞こえない声が語りかける。
3種の神器をもってすれば、大切な恋人であるダリアの命が助かると…
かくしてこの青年は何かに憑かれたように飛び出していく。
その青年の名は、アガンと言った…

外伝Ⅲをクリアしたことのあるプレイヤーならわかるであろう、恋人の復活と引き換えに魔の軍勢を呼び出しリルガミンを滅ぼした、あのアガン・ウコーツ。それが彼なのだ。

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死んでしまったダリアが何故か持っていた三種の神器。
胎魔の魔王を倒した時のエンディングで、女性が死んだ緋蓮城の賢者から何かを奪っていたカットがあったが、彼女は緋蓮城の賢者から三種の神器を奪ったのだ。
黒幕賢者に操られるままに。

かつて緋蓮城を襲った魔王、それは一人の勇者により滅ぼされたが、その勇者の血を引く緋蓮城の王を素材に新たな魔王を作ろうとした黒幕賢者。
彼の野望は潰えたかに見えたが、死してなお彼はダリアに取り憑き三種の神器の力をもってリルガミンの聖域で強力な魔王を召喚しようとした。
しかしその計画もまた失敗したのだが、黒幕はまだ諦めない。
最後の力を振り絞ってアガンをそそのかす。

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アガンは三種の神器を身に着け、結婚するはずだった恋人ダリアに花嫁衣裳を着せる。
そして三種の神器の一つである死者の書に書かれている呪文を懸命に唱える。死んでしまったダリアの魂を呼び覚ますために。
だがその呪文は、ディでもカドルトでもなく、魔王召喚呪文だったのだ。
より具体的には唱えたものとその対象を魔物化させると呪文というべきか。
かくてダリアは灰化するでも消滅するでもない、バンシ―のような死霊として半端に蘇る。
一方アガン自身は魔王そのものとなり、世界の半分を滅ぼす。
それは地上を魔界とするための、魔族が巧妙に計画した地ならしの結果であった。
そして物語は外伝Ⅲへ…

ウィザードリィ外伝Ⅳ -完-


■感想

外伝Ⅳは外伝Ⅲの前日譚だったんだよ!という衝撃の終わり方をした本作。
ただその構成はネットを見る限りは、あまり好意的に受け止められていない。
俺たちの思い出の舞台リルガミンを好き勝手にしやがって、とか色々。

でも考えてみれば、外伝Ⅰのソークス姉さんがリルガミンを拠点として世界を滅ぼそうとした理由と同じなのじゃなかろうか。
つまりソークスもアガンと同じく、魔族の魔界復活計画に乗せられた一人なのではないのか?
本編ウィザードリィ5についても、秩序側に居たソーンという魔女が突如裏切り世界を滅ぼそうとしていた。
それらの全ては魔界を地上に発現させようとする魔族の計略だったのだ…という、それぞれの作品では提示されなかった答えを、外伝Ⅳは提示したのかもしれない。

そもそもリルガミン自体、色々とおかしい。
外伝ではなく本編のウィザードリィⅣによれば、カドルト神が機械仕掛けだったりしており、神や悪魔以上の何かの存在を感じさせる。
世界の理と明らかに外れているリルガミンを滅ぼそうとするのは魔族ではなく、もっと別の意思があるのかもしれない…
と、妄想は広がっていく。
この自由な妄想こそがWIZの楽しみのひとつであり、そういう意味では本作は成功しているのではなかろうか。

作りは確かに荒い。
イベントフラグがぐちゃぐちゃでしかも勝手に飛ばせるようになっており、そのフォローも完全ではない。
ヒーリングバグや僧呪文バグなどが無くなったせいで、それまでの外伝シリーズにあったようなピーキーな楽しみも薄く、ひたすらボタン連打して物理で殴る側面がかつてなく多い。

これまでのWIZ外伝で培われた世界観に合っていないイベントやくだらないジョークが鼻に付く…という意見もあるにはある。
だが元ネタのアップル版ウィザードリィ自体、元々は世界観がカオスなイベントやくだらないジョークだらけのゲームではなかったか。

練りこみ不足なところは非常に多く、事実やっている最中は首をひねる個所も少なくはなかった。
しかしながらいざクリアして改めてこのゲームを振り返ってみると、製作者なりのWIZらしさを追い求めた足跡が感じられ、それは案外悪いものではなかったように思う。
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