2017/11/06
ねじ式 1日目 「町」

ねじ式を始めます。
言わずと知れた漫画家・つげ義春の怪作「ねじ式」、これをゲーム化したもの。
1989年発売。
この頃はパソゲーの全盛期でもあり、バブルの残り香もある時代故、今と違ってかなり冒険が出来た。
今のゲームは良くも悪くもディズニー映画の如く売れる仕掛けが所々にあるが、そんなの頭の片隅におかずとも商売の出来た良い時代であった。
このゲームが採算を取れたかどうかはよくわからないが…
以下ストーリー。
40歳を過ぎて物書きを始めた遅咲きの作家がいた。
そしてその創作活動は10年も過ぎそれなりに評価されてきた所で、出版社から自伝を出してみないかという依頼を受ける。
そこで五十過ぎのその作家は、今一度自分を振り返るために戸惑いつつも自分がこれまで作り上げた創作世界に自身を埋没させる…
さすがつげ義春の世界を扱っているゲームなだけはあり、イマイチ良くわからないストーリーである。
とりあえずこの「創作世界」というのが、作中の主人公が作り上げた世界であり、その世界はつげ義春がこれまで描いてきた世界…
「ゲンセンカン主人」や「もっきり屋の少女」、「紅い花」や「ねじ式」等の世界がごちゃまぜになったもののようだ。
これら作品名を聞いてピンと来ない向きは、おそらく今回のこのゲーム記事も意味不明だと思うので回れ右をするが良い。
というかつげ作品を何十回と読んでいる、この記事を書いている私も意味不明なのだが…
それでは早速その創作世界に没入する。
その世界は寂れた町になっており、いろいろな場所に赴くことが出来る。

まずはゲンセンカン宿。
陰鬱なグラフィックが実に素晴らしい。
まだ泊ることができないようなので、時間つぶしにほかの所も回って見る。

しなびた家並みの障子の向こうに映る影。
つげ義春作「ゲンセンカン主人」を知っていれば懐かしい絵である。
そうでない人にはさっぱりだが。

老女たちがたむろって居る場所。
老人になるということは童子になることでもあり、童子とはある意味確立された確固たる信念なのだ。
惜しむらくはここは「おばあさんのしゃぶっているのはニッキのようですね」「そうだよあげないよ」にして欲しかったところである。
その他駄菓子屋も回った後、ゲンセンカン宿に止まることにする。

聾唖の女主人が相手にする。
彼女は生まれ付きまともな言葉をしゃべれない。
それは前世の因縁だと女中の老女は言う。そういうものなのだろうか。
このゲームの目的もその目的を達成すべき手段も何一つさっぱりわからない所がまた実につげ義春的だ。
クリアできるかどうかわからないが、というかそもそもクリアという概念すらあるかどうかも不安なのだが、とりあえずセーブする。

セーブ画面も実にねじ式だ。
こっちが色々教えてもらいたいところである。
というわけで、次回からいよいよ本格的にこのゲームの世界に入り込んでいく。
不安すぎる。
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