シュタインズゲート 48日目 「まゆりとオカリン」

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今オカリンが居る世界線はα世界線。
「牧瀬紅莉栖が殺された」というDメールがSERNに感知されてしまった為に、まゆりが死んでしまい、超管理社会というディストピアに未来が分岐する世界だ。

まゆりを助けるには、β世界線に行くしかない。
そこはオカリンが一番最初に居た世界。
SERNに目を付けられず、よって未来は分岐せず、結果まゆりの死も何も起きない、これまでと変わらないユートピアが続く世界であり――
紅莉栖が誰かに殺されてしまった世界だ。

まゆりが助かる世界線に行くことは、紅莉栖が死んでしまう世界線に行くことだ。
どちらかを選べばどちらかが死ぬ、そんなのオカリンに出来るわけが無い。
なんとか二人とも助ける方法は無いのか、考える時間を得る為にオカリンは3日前にタイムリープしたが、結論など得られなかった。

そうしてラジ館の屋上で一人悶々としていたところを、紅莉栖に見つかる。
彼女はいい子だ。どの世界線でもオカリンを助けてくれた。
その彼女を殺さねばならないのか、他に方法は無いのか?
まゆりを助けることは、紅莉栖を殺してしまうことだ。
その懊悩を聞いた紅莉栖は…思いのほか、冷静だった。
自分が死んでしまう、消失してしまうかもしれないのに、達観していた。

そもそも阿万音鈴羽の言っていたアトラクタフィールド理論、それ自体本当なのかと紅莉栖は問いただす。
アトラクタフィールドとは、世界は基本的に一本線だが、細かいところで幾つか分岐することもある。
しかし必ず一本の線に収束する、というものだ。
これは本当に正しいのか?

現在オカリンたちが居るα世界線と、オカリンが行こうとするβ世界線。
ここでオカリンがβ世界線に移動すると、α世界線が無くなってしまうのか、あるいは二本が同時に存在するのか、それはわからないのだ。
なぜなら世界線の移動云々と言うのはこれまで起こった全てが、オカリンの主観であるからだ。

オカリンの主観からすれば、オカリンがβ世界線に移動すると紅莉栖が助からないわけで、結果的にオカリンが紅莉栖を殺してしまったと思えるかもしれない。
しかしα世界線に居る紅莉栖から見れば、オカリンは紅莉栖が死んでしまったというβ世界線に移動したに過ぎないのだ。

オカリンがほいほい世界線を移動するたびに世界が再構築されるならば、世界はオカリンを中心に回っていることになる。
でもそれではオカリンはまるで、神様だ。
ということは、同じ脳を持っている同じ人間の紅莉栖だって、同じ神様と言えるかもしれない。

鈴羽が未来から来たということも、アトラクタフィールド理論も、今の紅莉栖達では証明する術が無いのだ。
である以上未来は依然として無限の可能性の塊であり、証明できない事に気を病んでいてもしょうがないじゃない。

紅莉栖はそう天才科学者らしく結論付けたが、平たく言えば、「気にするな」と言ってくれたのだろう…

その時、まゆりから電話が来る。

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オカリンは最近まゆりと話し込んでいない。それはオカリンはまゆりを助ける為に帆走し煩悶し続けているからだ。
そのことを知る由も無いまゆりは、自分がオカリンにとって重荷になっているのではと自分を責める。

そんなことは断じて無いのに。
重荷だったら、こんなに何度も苦労してタイムリープしてDメール消去などするものか。
他の大切な仲間を犠牲にしてまで…

「それなら、その思いを素直にまゆりに伝えた方がいい。」

非リアの助手に諭されるオカリン。ぐぬぬ…
でも、そうだ。
まゆりがそう思っているなら、そうでないことを伝えた方がいいに決まっている。

が、まゆりとの携帯は何故かつながらない。
コミマ会場にも行ってみたが、居ない。
どこに言ったのだ…?この時間はまだ「世界に殺される」時間ではないが…
あと考えられる場所は…まゆりの祖母の墓だ。
昔はよくまゆりといっしょに墓参りに行っていたから。

果たして、そこにまゆりはいた。
まゆりは墓前で、自分の心境を吐露していた。

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最近、怖い夢を見るという。
誰かに銃で撃たれたり、車に轢かれたり、電車に轢かれたり。
その都度オカリンが助けてくれるのだ。
そしてその都度、まゆしぃは大丈夫だよというのだが、オカリンには聞こえない。
そんなところで目を覚ます、と…。

まゆりもまた、フェイリスやルカ子と同じく、分岐した様々な世界線のことを思い出せるのだ。
これはオカリンのリーディングシュタイナーというほどでもないが、人は誰でも、夢やデジャブという形で、異なる世界線を認識できるのかもしれない。

そしてまゆりはさらに吐露する。
最近オカリンと話していなくて寂しいと。

オカリンがラボを一人で設立した時、やや遅れてまゆりはラボにやってきた。
そこで二人だけの気だるい時間を過ごしていた。
あまり何も話さず、同じ空間を過ごしていただけだけど、オカリンがどう思っていたか分からないけど、そんな時間が、泣けるほど嬉しくて。
何故そう思うのか、うまく言葉に出来ないけれど。

やがてラボメンは増えた。紅莉栖・萌郁・フェイリス・ルカ子・鈴羽。
オカリンは彼らとすごい楽しそうにしていた。
オカリンが楽しそうだから、まゆりもすごく楽しくなった。

でも、二人だけの気だるい時間を過ごす事は、もうできなくて。
でもオカリンが楽しいなら、それでいい。
ずっと二人だけでこのまま、というわけには行かないから。

すると…

「まゆりは、今のままでいい」

と、オカリンはまゆりに話しかける。
そんなオカリンを見て喜びに溢れるまゆり。

やっと、二人の心がつながったのだ。
なんとなく、掛け違えたボタンのようだったお互いの気持ちが、やっとここでぴったり合わさった。

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二人は家路に着く。
これまでも、これからも、変わらぬ関係で居る為に。

けれどその関係を望むのならば、紅莉栖を消失させなければならない――
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