シュタインズゲート 47日目 「天秤」

FB、つまり天王寺からの携帯から、過去の萌郁の携帯へ、IBN5100捜索中止のDメールを送る。
これにより、先の世界線…萌郁がFBにIBN5100を見つける任務を遂行したメールを送り、結果萌郁もFBも死んでしまう未来は回避される、はずだ。

結果…リーディングシュタイナー、発動。
世界線、移動。

移動した世界線では、萌郁は先の世界線のように鬱極まるようなことも無く、いつものぼーっとした萌郁に戻っていた。
そして携帯依存も元に戻っている。任務中止、つまり任務が遂行されない以上、FBは萌郁を見捨てることは無いからだ。
そしてFBが死ぬことも無い。FBが生きている以上、綯が狂気に走ることも…無い。

ただ当のFB本人は任務停止のメールは送ってないわけで、この点の齟齬が明るみに出たらどうなるかはわからないが…
とにかくこの世界線では萌郁はIBN5100の捜索を止めているはずで、故にIBN5100はラボにある世界線になっているはずだ。
そしてそれは…

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間違いなかった。
ついに、ついにオカリンは、IBN5100が手元にある世界線にたどり着いたのだ。

この世界線では既にダルはIBN5100の使用方法を解析しており、いつでもSERNのデータベースをクラッキング出来るという。
おお!

さぁ、あとは一番最初にオカリンがダルに送ったDメールの内容をSERNのデータベースから削除すればいいだけだ。
このDメールを世界諜報システムエシュロンが感知し、SERNのデータベースに収められてしまった為、オカリン達はSERNに目を付けられてしまった。
つまり、どうあがいてもまゆりを救えず、やがて紅莉栖もSERNに拉致され来るべきディストピアの礎となることが確定した世界――α世界線に分岐してしまった。

この最初のDメールを「無かったこと」にすればいい。

そのDメールの内容は、「牧瀬紅莉栖が殺された」。

そのメール内容は、エシュロンを通じSERNのデータベースに記載された。
このことがきっかけで、世界はα世界線に分岐した。
ならば、SERNのデータベースからこれを消せば世界はα世界線に分岐しないはずだ。
オカリンたちがSERNに目を付けられない、まゆりが死なないβ世界線に戻るはずだ。

戻る。

戻る…?

戻るっ…て?

戻るということは、牧瀬紅莉栖が殺されたと世界線に、戻るということだ。
つまり…

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牧瀬紅莉栖は、死んでしまう。
まゆりが助かる世界線に行くことは、牧瀬紅莉栖が死んでしまった世界線に行くことなのだ。

まゆりを助けたければ、紅莉栖を殺せ。
紅莉栖を助けたければ、まゆりを殺せ、ということだ。

鈴羽、フェイリス、ルカ子…
大切な仲間たちの思い出を全て消し、やっとIBN5100を手に入れた世界線に戻ってきたオカリンを待っていたのは、余りにも酷い選択だった。

オカリンは即刻クラッキングを中止する。
まゆりは大切な幼馴染だ。
しかし、紅莉栖も大切な仲間なのだ。
もう、何度タイムリープして、その度に何度紅莉栖に勇気付けられてきたことか。
どちらを選ぶなんて出来ない、出来るはずがない。

オカリンは散々悩み、結論も出ず…8月17日になった。
オカリンはまゆりと一緒にコミマに出かけた。
これまでどおりなら、まゆりは今日死ぬ。

ならば最後は、まゆりが喜ぶことをしてあげたい。
事実、まゆりはとてもうれしそうだ。

これまでオカリンは何十回とまゆりの為にタイムリープしており、帆走し続けたオカリンはすっかりまゆりと話す機会が無くなってしまった。
まゆりはそれが寂しかったのだ。
何故寂しかったのは、まゆりもわからない。
いや、薄々感じている。
オカリンもだ。
互いの気持ちは、もう、薄々感じている。
けれど、まだ気持ちは微妙にすれ違いだ。

そしてそのすれ違いを残したまま、17日の夜――

ラボに戻ろうとするオカリンとまゆり。
しかし、ラボは明かりがついていない。
誰も居ないだけかもしれないが、この世界線ではFBも萌郁も健在であり、IBN5100の捜索も再び続けられているかもしれない。
まゆりを待たせて注意深く道を渡ってラボに近づくオカリンだが、そこに…白いワゴン車が、オカリンめがけて突っ込んできた。

オカリンが轢かれそうになった瞬間。
まゆりがオカリンを庇い――身代わりに轢かれてしまった。

死に行く彼女は、最後にこうつぶやく。

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やっと、役に立てたと。

役に立てた?なぜまゆりがオカリンの役に立とうとするのだ?
まゆりはオカリンのことを、どう思っていたのだ?

最後まで気持ちがすれ違ったまま、まゆりは星空に手を伸ばし・・・そして死んでしまった。
数々見てきたまゆりの死の中で、これが一番心を抉られた。

わかっていたはずだ、まゆりの気持ちも、自分の気持ちも。
それをお互いうまく伝えられないまま、まゆりは死んでしまった。
タイムリープしてこの事実から目を背ける事は簡単だ。
しかし、お互いの気持ちに沿おうとするなら、β世界線を選ぶならば…
紅莉栖は死んでしまう。

出口の見えない迷路を延々とさ迷い歩くように、オカリンは再びタイムリープする。
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