シュタインズゲート 46日目 「歪みの連鎖」

オカリンと桐生萌郁に銃を向けてくる「FB」こと天王寺。

SERNのルールとして、こうある。
SERNの下部組織であるラウンダーの目的は、IBN5100の回収。
そしてそれを発見した者は、例外なく、殺される。

阿万音鈴羽は過去の世界で全資産を失って打ちひしがれていた天王寺を助けた。
だからこそ天王寺は、人間らしい生活を営むことが出来た。
その彼がSERNの手先だったとは、鈴羽はどんなに悲しむことか。
オカリンは歯軋りしながら天王寺に訴える。
それを聞いた天王寺は…

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自分のこめかみにピストルを当てた。

ラウンダーとは、萌郁のように、現実世界で生きていくことが出来ないはみ出し者を集めて作られた組織。
そして一度ラウンダーとしてSERNに仕えたならば、SERNに反抗する事はその家族まで消されることを意味する。
天王寺の大事な、隣で寝ている一人娘の綯に危機が及ぶということだ。

加えて、ラウンダーは目的を果たせば、消される。
ラウンダーはSERNの犬…というより、家畜なのだ。
それは同じくラウンダーである天王寺も例外ではないのだ。

どうしてこんなことになっちまったのか。
自嘲気味に笑いながら、天王寺は、自害する…



なんとも後味の悪いものを残しながら、オカリンはFBの携帯を手に入れた。
そうして天王寺の家を出るが、そこで待っていた紅莉栖にふと話しかけられる。
天王寺の娘、綯がささっと裏口から出て行ったことを。
父親の自殺を見たのか?それにしては冷静すぎるが…

とりあえず萌郁の家に戻るオカリンたち。
FBの正体を知った萌郁はショックを受けているが、心が壊れる程ではない。
既にオカリンと何度かの心の通ったやり取りを通じて、メンヘラコミュ障な彼女は一皮剥けたのかもしれない。
もう、FBが居なくても立ち直るかもしれない。新しい人生が歩めるかもしれない。

しかし、この世界線では萌郁はやがて死んでしまうはずであり…それは事実になった。
ただしそれは自殺ではなく…他殺だった。
ひょっこり現れたに、背中から包丁を刺されてしまったのだ。

綯の目は…尋常ではなかった。無垢な少女の目ではなかった。
その目は、憎悪に染まっていた。
父親の死を見たからか?いや、何かが違う。
綯はオカリンを一瞥し「お前は15年後に殺す」とつぶやき、笑いながら去っていった。
どういうことだ…一体この世界線は何なんだ?
何故こうも狂っている?天王寺も、萌郁も、綯も!

しかしわかっている事は一つだけある。
この歪みは全て、オカリンのDメールから始まっている。
オカリンが最初に送ったDメールをSERNが感知した事で、世界は歪み出したのは間違いない。

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萌郁は致命傷を受け、死んでいく。
これまでのことを後悔しながら。
そしてこの世界線ではまゆりを殺していないが、FBからの命令であれば躊躇無く殺していたであろう事を、オカリンに謝罪しながら、彼女は死んでいく。

こんな状況になっても、萌郁は自分の弱さと過ちを認め、相手に素直に謝ることができる女性なのだ。
根っこはすごく純真な、いい子なのだ。
歯車の掛け違いさえなければ、萌郁は普通に幸せな人生を営めたかもしれない。

オカリンにとっては許すことの出来ない萌郁。しかしその境遇を汲み取り、オカリンは彼女を赦す。
なぜなら彼女の歪みもまた、オカリンのせいかもしれないからだ。

気になるのは綯だ。どうしてあそこまで狂ってしまったのか?
その理由を突き止めるためにタイムリープし、天王寺自害後、綯が家の裏口から出るところを捕まえる。
そこで彼女は、恐るべき事実を語りだす。

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笑いながらオカリンの腕をナイフで切り刻みながら。

綯は、15年後の記憶を「思い出した」のだ。
天王寺は自害した。しかしそれを止めなかった萌郁と、そもそもの元凶であるオカリンを、綯はこれから先の15年間ずっと恨んでいたという。
15年後ラウンダーとなった彼女は、SERNに対抗するレジスタンスのリーダになっていたオカリンを拉致、監禁。
激しい拷問の末死に至らしめたという。

そして彼女はラウンダーにより摂取されたオカリン達のタイムリープマシンを用いて、単純計算で2738回タイムリープ。
実際はトラブル等でその倍以上の数のタイムリープをし、執念で未来から現在の世界まで戻ってきたのだ。

オカリンがこの世界線に来た時に見たタイムリープマシンの挙動、あれは未来の綯が行った最後の跳躍だったのだ。
父親を見捨てた萌郁が自殺するのを許さず、自らの手で復讐を下す為に。

そしてこの世界線では、オカリンは15年後に死ぬ。これは現在ではどうあってもオカリンを殺す事は出来ないことを意味する。
世界がこの時点ではオカリンの死を望んでいないからだ。
未来からの知識でそのことを「思い出した」綯は散々オカリンをいたぶった後、笑いながら去っていった。
萌郁を殺す為に。

純粋無垢だった彼女をここまで変えてしまったもの。
それもまた、オカリンがもたらした歪みの結果だった。

傷の痛みに耐えながら、オカリンはふと考える。
天王寺はなぜ、IBN5100を萌郁が見つけた時点で殺さなかったのか。
SERNのルールならまっさきに萌郁が殺されてしかるべきなのに。
思うに、天王寺は萌郁を生かしたかったのかもしれない。
自ら連絡を絶つことで、萌郁を自立させたかったのかもしれない。
天王寺も根っこは純粋で、人の痛みがわかる、いい人なのだ。
そんな天王寺もまた、オカリンが歪ませた一人なのだろう。

全ての原因は、オカリンがDメール実験を安直に推し進めたことにある。

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ならば、消す。
これまで送ったDメールの痕跡は、全て消す。

獲得した天王寺の携帯、つまりFBの携帯から、萌郁へ指令を出す。
IBN5100の捜索は中止せよと。
そうすれば、萌郁はIBN5100の捜索を止め、それ故にFBも萌郁も目的未達成となり、両者に死が訪れる世界線では無くなる筈だ。
それはそのまま綯の歪みが修正されることも意味する。

綯の復讐は、果たされない。そもそも、FBが死なない世界線になれば、その動機が無かったことになるはずだから。
そしてIBN5100が盗まれず持ち出されもせず、ラボにそのまま存在している世界線になる、はずだ――

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