レリクス 4日目 「黄金の悪魔」

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あらかたヒントとドキュメントを回収し終えたら、遺跡を下ろう。
針によって封鎖されていた場所が、制御室を破壊したことで通れるようになっている。

その先に居るのは…ボス。
この遺跡調査隊マークスの長だ。
誰だお前は。誰もこの扉を開くことは出来ない
と言って、この先にある扉を死守している。

このボスは倒しても倒さなくても良いが、倒した方が楽ではある。
ただ倒すとなると中々に強い。
単純にダッシュやジャンプで突っ込むと繰り出す炎によって大ダメージを受けるからだ。
炎の出がかりは遅いので、相手が攻撃モーションに入ったらジャンプでも良いが、これもあまり安定しない。

結構もっさりしたゲームであるうえセーブも出来ないので、ここでやられたらまた最初からであり億劫だ。

と言うわけで個人的にお勧めなのは…

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レーザー銃を持ったマークスの兵を倒し乗り移ることだ。
こいつは後ろを向いた時に背後から斬りつければ2撃で死亡し、乗り移ることができる。
弾薬は20発しかないが、ボスを倒すだけならこれで充分である。

さて、ここで問題がある。
この世界で最も重要な要素は正義であるというヒントがあったはずだ。
このゲームでは無益な殺生はいけないのだ。
なのだが、実は2人までは殺しても良い。正義とは実に都合の良いものなのだ。

殺すべきは、1人目が上の銃を持ったマークスで、2人目がボスだ。
これ以上殺してしまうとベストエンドに辿り着けなくなる。
ただこの銃を持ったマークスを殺すと、他のパラメーターが結構シビアになる。
具体的には部屋に入ったり出たりと言った無意味な行動を繰り返す、などだ。
愚者は経験に学ぶ。賢人になりたければ余計なことはしてはいけないのだ。

ではこうしたパラメーターの判定がいつ行われるかだが、それはこのボスを倒した先にある扉をくぐる時に行われる。
ここではキーワードの入力を求められる。

この遺跡には暗闇の部屋があり、倉庫でランプと言うアイテムを持っているとそこを照らすことができる。
そこに書いてある文字「HELL」。これを入力しよう。
ちなみにランプではベストエンドフラグは立たない。必要なアイテムは飽くまで薬である事を忘れないように。

また文字入力も結構シビアで、8bit版はカーソル連打出来ないので文字が打ちやすいが、98版はズレやすい。
ここで入力を間違えてしまうとそれだけでベストエンドフラグが成り立たなくなったりする。
このシビアなゲーム性が実に良い。
ただし青春時代にこのゲームに衝撃を受けたプレイヤーでなければ、中々にゴミ箱へダンクな仕様ではある。

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キーワードが通ると「HELLへようこそ」と言われ扉が開く。

道なりに進むと美しいテラスに出て、黄金の戦士が挑んで来る。
俺は血に飢えた悪魔から生まれた…」と、おっかないことをレリクス語で話しながら。

手持ちの86年ポプコムでは、このキャラの名前はデーモンと記されてる。
こんな健康そうな見た目をして悪魔らしい。
古代レリクス語を話しているという事は彼はHELLの一人なのだろうか。
当時の雑誌ではこの戦士の正体を、闘技場の戦士とかそんなこといちいち気にするなとかいろいろ書かれていた。
リメイク作であるリカーオブオリジンをやっていればこれに該当するキャラが居るのだろうか。
あのゲームは途中でやめてしまったのが今でも悔やまれる。

とりあえず血気盛んな奴だが、殺生するのも気まずいので適当に痛めつけて素通りしよう。
まともに戦った場合パンチがかなり威力があるので、遠距離攻撃のできないボスや銃マークス以外だと厳しい。
また遠距離持ちであっても間合いに入られると高速で腕の長いストレート打ってくる。
悪魔と言う割には随分ストイックな戦いをするやつだ。

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黄金の悪魔?をやり過ごし先に進むと、どこからともなく声がしてくる。
これは現実か?お前の持っている獣の彫像に乗り移ってやろう。力を貸してやる
という声と共に、額に描かれた幽霊が獣の彫像に乗り移ってくる。
この状態で獣の彫像を使うと、一度だけ力を貸して画面全体を攻撃してくれる。
要所で使うべし。
ちなみにこの辺のセリフは8bit版と98版で微妙に違うので、レリクスマニアはその違いを堪能するように。

幽霊との邂逅のあと、あたりは何事も無かったかのように静まる。
目の前には機械的な扉がそびえたっていた。その向こうにあるのは…

レリクス 3日目 「天の王」

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倒れている男に薬を渡す…つまり善行をすると、この遺跡の頂上に居る謎の物体「HEVEN」の長と話せるようになる。
この世界にはどうやらHELLとHEAVENの二つの勢力があるようで、共に敵対しているらしい。

手持ちの86年刊行のポプコムによると、この変な人…物?の名称はキング。
レリクスはその後99年に発売されるリカーオブオリジン等で設定が明らかになるのだが、この時点での設定は未だ不明。
どうも機械的な種族らしい。この遺跡がところどころメカメカしいのもそのせいだろうか。

彼?は語る。
私は「HEAVEN」、戦士たちのリーダー。私がこの寺院を作り上げた。しかし遥かな昔、「ヘル」帝国に侵略された。
そして今、彼らのたくらみが動き出した!
(レリクス語)カプセルに眠る勇者を目覚めさせよ!

善行をすれば話しかけられるということでHEAVENは善人的カテゴリなのだろう。
もっとも善だから良いというわけでもなく、それは利己的な教条主義の裏返しでしかない。
宇宙の開闢まで持ち出しているこのゲームにとって、善悪はただの色合いの違いに過ぎないであろう。
…なんて小難しい事を頼まれもしないのに勝手に妄想してしまうところがレトロゲームの醍醐味だ。

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レリクス語は勿論さっぱりわからないのだが、会話後KINGは「チャートをやる」といってぶっきらぼうに落としていく。
流石善人である。
上の文字列がそれで、妙な記号がそれぞれアルファベットを表している。

ちなみにこのゲームのパッケージにはエイリアンのレリーフの他に、それを色付けした絵も入っている。
そこにもレリクス語が書いてあり、解読するとレリクスワールドを楽しんでねみたいなことが書かれている。
ちびっこがレリクス語を学びつつ英語も学べる、実に画期的なゲームであったと言えよう。
勿論英語はともかくレリクス語がその後の人生で役立った試しはない。

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遺跡の西上層には女体像と機械が組み合わさった変なオブジェがあり、これを攻撃するとドキュメントが得られる。
書かれているのはレリクス語だが、あんちょこがあるのでばっちりだ。
それぞれ書き出してみる。
カプセルに眠った勇者を目覚めさせよ
HEAVENは少女を鍵のかかったカプセルに封印した
注意せよ、地下には沢山の獣がうごめいている
鍵はその中の獣のうちのいずれかに食われた

何の目的もわからないまま始まったレリクスだが、ここにきて目的が少しずつ見えてくる。
勇者を目覚めさせ、少女を助け出すという事であろう。
その勇者や少女が何を意味するかは、依然としてわからない。

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他にヒントも回収。
ゴーストは獣の彫像によって力を得る
一番最初に手に入れた鳥のような彫像がキーアイテムとなるようだ。

このゲームは慣れなととにかくよく死ぬので、何度も同じことを繰り返すことになる。
ドキュメント回収もその一つだ。
一度知った情報ならやらなくて良いではないかと思われるが、そうでもない。
こうした回収も好奇心や行動力といったパラメーターの増減に関わり、それが少なすぎるとベストエンドに辿り着けないのだ。

ノーヒントでそんなことわかるか!なのだが、ドルアーガの塔みたいなのが大手を振って歩いていた時代。
むしろこれぞレトロゲームと拍手喝采を送るべきであろう。
この時代の空気を吸っていなかった向きは…がんばってくださいとしか…

レリクス 2日目 「制御室」

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遺跡(レリクス)を探索する、剣を持ったマークス(兵)に乗り移った意識(主人公)。
わけのわからぬまま周囲を歩いていると、なんだか偉そうな奴に持ち場へ戻れと言われる。

此奴はバウンサー(用心棒)と言う奴だ。
要所要所に配置されており、一兵卒が近寄ると問答無用で殴ってくる。
これがなかなかに痛く、特に逃げようと方向転換してる最中、背中を殴られるとダメージ2倍。
この場合2回殴られただけでボディが死んでしまう。
ボディが死ぬと、意識も死んでしまう。つまりゲームオーバーだ。

なお一番最初に出てくるセムというウサギみたいなやつだけは、殺されると相手によっては何故か乗り移る。
多少このゲームに慣れてきたらセムで探索するのも面白かろう。

で、このバウンサーなのだが、一番良い対処法はジャンプしたら丁度相手に重なる間合いまで近寄ってジャンプであろう。
すると相手は攻撃を与えられる間合いに下がるか、ビビって相手もジャンプするかでスキが出来る。
そこを逃げでも良いし、攻撃しても良い。

ただ攻撃するだけでなく、相手をあまりに殺してしまうとベストエンドに辿り着けなくなる。
これはそこかしこに置かれているドキュメント(ヒント)にその理由が書いてある。
この世界で最も大切なのは「正義」である」と。
正義は歴史によって異なるものだが、共通しているのは無益な殺生をしない、困っている人を助ける、と言ったところだろうか。
これがこのゲームの重要なファクターになっている。

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バウンサーを避けて彼が守っていた部屋に入る。
するとそこは制御室だった。

この遺跡では自分と同様の仲間がウロウロしているが、何故か「意識」が憑依した自分にだけ、警備システムが働いている。
道中ウロウロしている金色のガードやレーザーを飛ばしてくる仮面などがそれだ。
ガードは8キーを押して直立すれば何故か素通りする変な奴なのだが、ともかく厄介だ。
この制御室はそうした連中の動きを封じることができるので、とっとと壊してしまおう。

現在やっている98版の場合、しゃがんで近寄って剣で良いが、88やX1といった8ビット版は背中から突っ込んだ方が良い。
どうも98版と8ビット版で細かい難易度調整が行われているようだ。

ちなみにこの制御室に何度も出入りすると、行動力や好奇心と言ったマスクデータが余計に溜まる。
このゲームは様々なマスクデータがあり、それに収まる範疇で行動しないとベストエンドに辿り着けなくなる。
賢者は歴史に愚者は経験に学ぶというやつで、余計なことはするなという事だろうか。
これがまたこのゲームのややこしさを醸し出している。

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制御室を抜けてさらに歩いていると、病気で倒れている男がいる。
誰も助けようとしない所に、ここの職場の世知辛さが垣間見える。

倒れている男の先に進むと部屋があり、そこにはいろいろなアイテムが置いてある。
但し取れるのは常に一つで、それはここまでの行動によって変化する。
もしも薬以外のアイテムが取れるようだったら、ここまでの行動で何かが間違えているということだ。

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先の倒れている男に薬を渡す。(2キーでしゃがんで使用する)
すると男は「ありがとう、HELL信仰は間違っていたよ…」と言って事切れる。
HELLとは何なのか、この時点ではさっぱりわからない。

まだまだ何が何だかさっぱりの世界だ。
このよくわからない世界を楽しめるかどうかで、このゲームの評価は真っ二つに割れるであろう。

レリクス 1日目 「憑依」

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レリクスを始めます。

オタクがオタクになるのは、そうならざるを得ない甚大なパラダイムシフトに遭遇するからだと思っている。
自分がいい年こいてこんなゲーム日記なんて付けているのは、そこまでオタクになってしまうゲームに出会ったからだ。
それが自分の場合レリクスだった。

雑誌広告で初めて見た時の衝撃は言葉では言い表せない。
これまでのゲームではありえなかったリアルなキャラ、よくわからない世界観。
しかもそれがぐりぐり動くらしいではないか。
更に音楽はクリスタルキング。
芸能界に1ミクロンも興味なかった自分ですらわずかながらでも知っていたくらい有名なバンドだ。
なお後年知ったのだが、オープニング「WOMAN」の作曲は今給黎博美(北斗の拳エンディング作曲)。
エンディング「Smile Again」の作曲は飛鳥涼(CHAGE and ASKAのASKA)という、豪華すぎる顔ぶれ。
トドメにゲームパッケージはエイリアンのレリーフが施された発泡スチロール。
とにかく何というか気合と言うかオーラが尋常じゃなかった。

当時家には父親が酔っ払って買ったシャープのX1(テープ版)しかなく、レリクスがX1版のテープで発売するかは未定だった。
なのに当時小学生の自分はちびっこながら1週間に一度発売元のボーステックに、いつ出るか問い合わせしたものである。
あの時の受付のお姉さんはまだ元気であろうか。
ここにおいて、私のしょうもないゲームオタク人生は決定付けられたのであった。

なお後年小遣いを貯めディスクトライブを買って念願のレリクスをやったのだが、8ビット版は色数が少なくスクロールも無い。
それはそれで楽しんだのだが、やはり初めて衝撃を受けたPC98版でやってみなければ!という事で今回の運びとなった。
前置き長すぎ。

以下ストーリー。
対立する二つの意識。その衝突は光と闇を初め、様々な物質生んだ。
ひょっとして宇宙をも、その意識の衝突で生れたのかもしれない。

ストーリーはこれだけだ。これだけでもこのゲームのわけのわからなさが伝わるであろう。

そしてここは地球。遥かな未来か遠い過去かもわからない。その大海原に雷鳴一閃。
すると水没していた巨大な城が姿を現した…

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ゲームが始まると黒いもやもやがある。
これは意識であり、「あなた」であるという。目的もすべて自分で探せとしかマニュアルに書いていない。
そのマニュアルもペラ紙1枚であり、操作方法しか書いていない。
ちなみに操作も独特だ。
46キーで左右移動。ただし向いている方向によって前進・後退になる。
2キーでしゃがむ。アイテムがある場合拾う。
前進しながら8キーでダッシュ。28ではしごや階段の上り下り。
8キーでその場に立ち、さらに46でそちらの方向に向く。
その場立ちをした状態で2キーでその場にしゃがみ、さらに2キーでアイテム欄が開くので、選択してZキーで使用。
攻撃はXキー、ジャンプはZキー。
実にややこしい。が、この情報しかマニュアルには無い。

ゲームは小目標中目標大目標があって初めて成立するというのが、特に今日に至る日本製ゲームの常識だった。
目的も何もかも自分で探し出せというのは90年代洋ゲーに多かったが、80年代は洋ゲーでもないレリクスくらいだった気がする。

そんなわけなのでとにかく目的もわからないまま意識体をふらふらさせると…

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赤い兵士に出会う。マークスという歩兵らしい。彼に意識が近寄ると…なんと憑依し、操作できるようになったではないか。
以降基本的に相手を殺すと憑依することになる。
このシステムは当時としては、というか今でももう斬新過ぎて、こんなものを見せられた少年が平静を保つことは困難である。

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2階に行くと、鳥のような彫像がある。
しゃがむと拾えるので持って行くこととする。

ここまで来るともう後には戻れない。
自分で自分の目的を探し出し、この壮大な遺跡(レリクス)を脱出するしかないのだ。

エメラルドドラゴン(グローディア/バショウハウス) 

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■紹介
1989年、グローディアにより開発、バショウハウスより販売されたPC・コンシューマー用ロールプレイングゲーム。

これまでのRPGはビジュアルは大したことないがゲーム性が優れている、あるいはその逆が多かった。
このゲームはゲーム性とビジュアル(音楽含む)を高レベルで融合させた、最も初期のゲームの一つであると思う。
特にシステム面が秀逸で、相談コマンドによりキャラの魅力を引き出しつつ次に何をするのかわかるのは非常に画期的だった。

今ではすっかりおなじみとなった、引き込まれるストーリーやビジュアルを持ったやり込みがいのある面白いゲーム。
しかしエメドラが無ければ、そうしたゲームは生まれなかった…とは思わないが、少なくとも遅くはなって居ただろう。

全てのその後のJRPGの雛型となったと思っているこのゲームだが、その悪いところはエンカウントやお使いの多さではない。
ゲームそのもののクオリティをこれまでよりグッと引き上げてしまったため、その後のユーザーの舌を肥えさせてしまった所だ。
グローディアや別に分かれたライトスタッフも、このゲームを超えようとしたのか躍起になり過ぎ、マニア寄りになっていく。

そういった意味ではなかなかに罪なゲームであろう。

■評価
B+

■動画


プレイ日記はこちら
簡易攻略はこちら
Amazon→「エメラルドドラゴン」全曲集


駿河屋→PC-8801ソフトエメラルド ドラゴン

エメラルドドラゴン 簡易攻略

■序盤
・ゲーム開始時は何も考えず全速力で西へ
・南や西に広がる森には絶対に入らない
・武器は常にその都度の店で買える最強装備を買い、防具はアトルシャンのみ最強防具、他のキャラはそのお下がりで良い
・エルバ―ドの闘技場で延々とレベル上げできるが、効率は悪い

■中盤
・魔獣ゴーメズを倒してからアーパスの砦内部経由でエルバードへ戻るが、この際外にいる門番(スチールマン)は無限湧きする
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・時間さえあればここでレベル上げできる。70以上でダードワの森、110以上で大カシャ島、140でラスト以外雑魚敵が出なくなる
・アヴェスタ捜索時におけるダードワの森での抜け道は下記の通り
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・アークデーモンはかなり強い。装備をその時に買える最強装備にし、それでも無理ならレベル上げ

■終盤
・大カシャ島の敵は全員がその時に買える最強装備でも手強い。禁断の実イベントは魔王討伐後に回しても良い
・テレボスタを手に入れた後海のミコと話すとできる抜け穴は、崩れ落ちた細かい岩が目印
・魔王殿はかなり広く敵も強い。タムリンの回復は殆ど頼りにできないので、ワラムルの秘薬とテントをできるだけ持って行く
・魔王は取り巻きのデスが厄介。破壊のルビーを8~10個ほど使う。魔力封じ対策にリキュールポーションを5つほど持って行く
・ホルスの地下牢でスィングが4匹以上出るパターンでは、65000以上の経験値が手に入る。ここでレベル上げしても良い
・ホルスの城塞で全キャラの最強武器防具を手に入れる(サオシュヤントのみ兜と盾に当たる部位は無い)
・ザンディーグはまともに戦うとかなり強いが、タムリンのレベル136以上あれば混乱の魔法が効きやすく途端に楽になる

■サブシナリオの入り方
・メリルの章…ドゥルグワント城でオストラコンを倒した後、名医ワラムルに合う前にフォーウィーの町のウィード夫人と話す
・ミスティーナの章…魔王を倒し砂漠で待つファルナに合う前に、小カシャ島南端に佇むミスティーナに話かける
・サギーの章…魔王を倒し砂漠で待つファルナに合う前に、マルギアナの町にサギーと共にいるハダル博士と話す

エメラルドドラゴン 16日目(最終回) 「旅立ち」

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この聖地イシュ・バーンを覆った全ての災厄の元凶ティリダテスは、秘宝アヴェスタに力を移しその化身ザンディーグとなる。
生きながらにしてアヴェスタの力を操れるようになったこの化け物はイシュ・バーンだけでなく全ての世界の災厄となろう。
ここで止めねば世界は終わる…!

と盛り上げてみるが、やはりというかなんというか、最高レベルタムリンによってわずか1ターンで混乱させられる。
ホルスの王女タムリンを散々disった上に散々虚仮にしてきた人間にまでしたのにこの始末。
かくしてザンディーグはタムリンレーザーで延々と焼かれ続け、アトルシャン達にノーダメージで倒されてしまった。
かつてこれほどまでに弱いRPGのラスボスは居ただろうか。
というかこれほど強い主人公達は居ただろうか、になるか…

こうしてザンディーグは倒れる。しかし…

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ザンディーグの精神体となったティリダテスが死んだ今、それはただの力の塊だった。西の平原を一瞬で砂漠に変えた力の。
制御を失ったそれは暴走し、この地域一帯を吹き飛ばす程までに巨大化していった。
エメラルドドラゴンの精神である魔剣ヴェンディダートは剣を突き立てエメラルドグレイスを並べよと叫ぶ。
すると遂に…

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エメラルドグレイス、すなわち銀竜や黒竜等の体の一部を触媒に、遂に竜族の英雄エメラルドドラゴンが復活。
急ぎ彼の背に乗り、アトルシャン達はホルスの本拠であるヘルマンド山を脱出。

やがて臨界を超えたアヴェスタの力でアヘルマンド山は大崩壊し、ホルスは全滅してしまった。
最後のホルスであるタムリンも、ザンディーグの力により人間となった。
同族を失った傷心のタムリンに、アトルシャンもまた銀龍の鱗の力を使わず、人間として一生寄り添うと誓う。

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こうして物語は終わった。
エメラルドドラゴンはドラゴン小国へ、ハスラムとファルナはエルバードへ帰る。
そして人間となったアトルシャンとタムリンは、サオシュヤントと共に、イシュ・バーンを超えて旅に出る。
新しい物語を始めるために…

エメラルドドラゴン -完-




■感想

リアルタイムでやっていた頃は、このゲームの最大の長所は練られたゲームバランスと思っていた。
が、色々なゲームをやり慣れた今の視点だと流石にエンカウントやお使い多すぎである。
勿論当時としてはこれだけ少ない容量でここまで楽しませてくれたという点だけで充分だが。

むしろあらためて気付かされたのはシナリオの構成の良さだろうか。
オストラコン→魔王ガルシア→ティリダテスと言った当座の目標を明確にしているので、物語に中だるみが殆ど無いのだ。
更に革命的発明の相談コマンドによって、キャラを立たせつつ次に何をするかがわかるのが素晴らしい。
当時システム面だけでなくシナリオ面でもユーザビリティーを上げたゲームは非常に珍しかった。

改めて、ここまでビジュアルとゲーム性、そしてユーザビリティが上手く融合したゲームはエメドラが初ではないかと思う。
その後のグローディアのゲームが期待されながらもマニア受けでとどまってしまったのは、エメドラが偉大過ぎたせいもあろう。

先駆者は必ずしも頂点を取れない。先駆者の真似をした者が頂点を取ると良く言われる。
テグザーを作ったゲームアーツや、エメドラを作ったグローディアがそうなってしまったのは、仕方ないとはいえ寂しいものだ。

エメラルドドラゴン 15日目 「奸臣」

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ホルスの地下牢を抜け出したアトルシャン達はホルスの町に出る。
ライレーン(グローディアの第1作)に出てきそうな近未来的な造形が中々かっこよい。
その町に住む人々なのだが、意外にもその殆どがタムリンに好意的で、ホルスの実力者ティリダテスを良く思っていない。

どうもホルスの王女タムリンが死んだという事を口実に色々と権力を掌握していったようなのだが、そのタムリンは生きていた。
その結果色々と矛盾点が出て算段が崩れたようである。

取り敢えずホルスの町から城塞に出、警護兵を撲殺しそこかしこにある最強武器を強奪しつつティリダテスの元に向かう。
王女が野盗紛いの事をしているのを町の人が見たら戦慄するであろう。

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そして出会ったティリダテス。
話してみるとこれがまた中々に話の分からない差別主義者だ。

聖地イシュ・バーンは古来より自分たちだけのもの。竜や人間と言った異種族が跋扈するのは虫唾が走る。
それ故木っ端の如き人間はともかく、竜は邪魔過ぎるので覇権争いを繰り広げていた。
ところがタムリンの父、つまり先王は仇敵である竜と和解し、ホルスたちを西の平原に引っ込めてしまった。何と情けない王か。
怒り心頭のティリダテスは秘宝アヴェスタを作り、それの力で竜を呪いで全滅させる。
しかしアヴェスタの力はすさまじく、やがて暴走し西の平原を砂漠に変えてしまう。
当時の竜族の英雄エメラルドドラゴンはその身を挺してアヴェスタを封印。住むところのなくなったホルスはヘルマンド山に籠る。

けれどそれで考えを改めるティリダテスではない。
竜族の居ない今あとは雑魚の人間だけ。
軟弱な思想の王を殺し、それに連なる血の幼いタムリンが乗る船を難破させ権力を掌握。
魔王を召喚し失われたアヴェスタを探し出し、その力で人間をも一掃しようとした…というのが戦乱の始まりだった。
そのおかげでいったい何人の人間が死んだことか。
しかしそれは彼にして見れば、人間が家を建てるために地ならしをするのと変わらないということだ。

こんな危険思想の持主など生かしておけぬとアトルシャン達は切りかかる。
だが…

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この時点でアトルシャンもタムリンも最高レベルであり、ここまで大言壮語したティリダテスを瞬時に混乱させる。
アワレ敵部隊は勝手に自滅。ティリダテスの長々とした演説の20分の1くらいの短さで戦闘が終わってしまった。
危険なのはこの変な奴よりアトルシャン達じゃないのか…

コロッと倒されてしまったティリダテスだが、そのショックでエメラルドドラゴンに封印されていた自身の記憶が蘇る。
アヴェスタの正しい使い方をだ。
彼はアヴェスタの化身ザンディーグに精神を移し替え、その力の全てを手に入れた。
その力をもって、手始めに先王と同じく軟弱な思想にかぶれているタムリンを脆弱な人間にしてしまう。
返す刀でアトルシャン達に全力で襲い掛かってくるザンディーグ!

遂に始まる最終決戦。その戦いの結末は…⁉

エメラルドドラゴン 14日目 「黒幕」

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散々寄り道をし、ファルナの待つ砂漠のオアシスへと向かう。
開口一番どやしつけられツンデレイベントを堪能したのち、先に進む。

仙人フシュルヌムが言い忘れていたという情報を彼女から聞く。
このあたりにエメラルドドラゴンの精神を封じたヴェンディダートと言う剣があるので、それを手にすればホルスの道が開けると。
言い忘れていたというか、いきなり核心に迫る情報を教えたらこのあたりの魔物にぶち殺されるので黙っていたのであろう。

ドラゴンとホルスはかつてイシュ・バーンの覇権をめぐり、激戦を繰り広げた。
ホルスはアヴェスタと名の秘宝を作り、それをもって地上の半分を焦土とするなどとんでもないことをしでかす。
これはたまらんと、当時のドラゴン族の英雄エメラルドドラゴンがその全てをかけてアヴェスタを封じる。
その際にエメラルドドラゴンの体はバラバラになり、その精神だけが剣に姿を変え生き永らえてきたという。

ヴェンディダートと呼ばれるその魔剣はホルスの拠点のすぐそばの湖に刺さっているとのことだ。
ちなみにマイクロキャビンのサークもサークソードと呼ばれる意思を持つ魔剣が敵の最終拠点近くに刺さっていた。
物語の都合上仕方ないのだがそんな物騒なものを拠点の近くに置いておくなと言いたい。

ヴェンディダートを手にし、山脈のふもとにある、ホルスの拠点へ至る道をひたすら進むアトルシャン達。
その果てで…アトルシャン達は捕らえられる。
ホルスの衛兵たちが待ち構えていたのだ。
やがて衛兵たちの集団が割れ、間から歩み寄ってきたのは仮面をかぶった若い男。

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しかしその声はしわがれた老人の様だった。
名をティリダテスといい、どうやらこのホルスでもかなりの実力者のようだ。
彼はタムリンを一瞥し、聞きなれない名前を喋る。

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タムリンも困惑するが、やがてアトルシャン達は捕らえられる牢屋に入れられる。タムリンを除いて。
衛兵からの声から察するに、どうやらタムリンは20年ほど前に海難事故によって行方不明になっていたホルスの王女らしい。
死んでいたはずの王女がやってきたということでホルスの町はお祭り騒ぎ、戴冠式の準備で大忙し。
アトルシャン達は獄死を待つばかり…になってしまったのだが、タムリンが抜け出し衛兵を気絶させて救いに来てくれた。
ハスラムを一撃で昏倒させるような衛兵を気絶させるとは、これもホルスの力であろうか。ハスラムがモヤシ過ぎる説もあるが。
ともかく反撃開始だ。

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まずは地下牢を脱出するのだが、このあたりは普通のダンジョンになっている。
普通じゃないのが上に居る紫色の変な生き物(名前はスィング)だ。
こいつが4匹くらい出るパターンの敵編成を倒すと、なんと65000以上もの経験値が手に入る。
もうやけくそである。
この辺で30分ばかりうろちょろしていればあっという間にレベル136になり、このあたりの敵はもはや出てこなくなる。
ここまで来るとラスボス相手すら混乱させノーダメージで最後の戦いクリアとかよくわからないことになる。
君はこの当時のマゾなゲーム性を堪能するためにとっとと地下牢を脱出しても良いし、しなくても良い。
無論自分はここで粘って令和の無双を堪能する。

エメラルドドラゴン 13日目 「サブシナリオ攻略」

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西の砂漠で待つというファルナを放っておき、残り二つのサブシナリオをクリアしていく。

まずはミスティーナの章。
数十年前、エルバードに仕える魔女が敵国の策略により無実の罪により処刑される。
その魔女の娘アルテミスはエルバードを恨みこそしなかったが母を失いすさんだ心を妖魔に付け込まれてしまった。
そのアルテミスの娘ミスティーナの依頼により、母を正気に戻すというシナリオだ。
正気に戻すと言っても武器でぶん殴るくらいしかすることが無く、中々に物騒だ。

上の写真が件の魔女アルテミス=フローラなのだが、彼女はもとより取り巻きのヴァンパイアが非常にかったるい。
攻撃力が高いうえに倒した敵を何度も蘇生してくるからだ。
幸い彼らは破壊のルビー一発で昇天するので、とっとと使ってしまおう。
残りのアルテミスも強力な魔法をガンガン使って来るのでワラムルの秘薬をケチらず使いまくるべし。

こうしてアルテミスは(殴られて)正気に戻る。
彼女ら母娘はこれまで色々なことがあり過ぎたと語り、姿を消す。
ハスラムに彼の扱える最強の剣、ローヤル・レイピアを託して。

色々な事というのは何も描写されないのだが、しれっと最強剣を持っていたりしてそのバックボーンは色々妄想が出来る。
プレイヤーにこうした想像の余地を与えてくれるのが暇人な自分としては嬉しいのであった。

次のサブシナリオは…

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大カシャ島を突っ切ってマルギアナの町で受けられるサギーの章だ。
何でもこの世界は遠からず次元の歪みによって崩壊するらしく、その歪みを是正するには古代ヴィーム文明の力が必要らしい。
それが本当ならばアヴェスタだホルスだとか言っている場合ではない。
ヴィーム文明を研究しているハダル博士から、助手のサギーと共に急いで調査してくれと依頼される。

近くの古代遺跡を探索しやがてヴィームの力に辿り着くのだが、その正体は…

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何ともファンキーな造形をしている巨大な兵器だった。
次元の歪み云々というのは口実であり、ハダル博士の真の目的はこの兵器の力をもって世界を支配することだったのだ。

が、この兵器は非常に脆い。
厳密に言えば乗っているハダル博士は貧弱すぎるというか。
ダメージは1しか与えられないのだが、数十回も叩いていればそのうちくたばってしまう。
ちなみに戦車に乗り込んで嬉々として拳を振り上げているハダル博士、どう見てもサバッシュに出てきた盗賊テケだ。
それがまた小者っぷりをかもしており大変よろしい。

なおサギーなのだが、宝箱を開ける際に口封じにハダル博士よって殺されてしまう。
若いのになんとも不憫な死に方である。
無論エメドラの鉄則として、事前にセーブして粒子カッターなどの貴重なアイテムをぶん取っておくのを忘れずに(鬼)。

こうしてサブシナリオはすべてクリア。
魔王殿の敵より遥かに強い魔物がワラワラ出てくる西の砂漠で一人ぽつんと佇むファルナに会いに行こう。