ランス03 20日目(最終回) 「最終決戦・魔王ジル」

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魔王ジルが人間の生命を吸っていた理由は、それによって力を取り戻すのでなく、異次元への扉を開く力を得るためだった。
自身のレベルを最大まで高める「オルケスタの息吹」の吹きすさぶ異次元、デ・ラ・アドミラル空間への扉を。

ジルへお仕置きするために、彼女を追いかけ空間の裂け目に入るランス。
そこは様々な世界の生き物がごちゃごちゃしており、空間の割れ目からはリーザス城下町が見える異様な場所。
天地定まらぬ中、ランスはジルに追いつく。

が、オルケスタの息吹を浴びたジルは、遂に力を取り戻した。
魔王としての力を。
人間のレベル限界は魔王に比べ著しく低いので、ランスにはもう万に一つの勝ち目も無い――はずだった。

しかしランスは世界のバグ。
おそらく創生の神々も意図せず、あらゆる偶然が重ねって出来上がったバグだった。
彼のレベルには、限界がなかったのだ。

そのためオルケスタの息吹を浴びたランスのレベルは異常に上昇。
人間の身でありながら、魔王と対等になるほどに。

こうした始まった最終決戦。
魔王ジルは流石に魔王だけあって苛烈な攻撃をしてくるが、無限にレベルアップしているランスの敵ではない。
ランスチャージからの攻撃をしていけばそのうち倒せるだろう。

圧倒的な力で魔王をも倒したランス。
早速お仕置きタイムである。
何しろお仕置きと言っても人間のそれではない、魔王以上の力でお仕置きするのだ。
人類に最も苛烈な支配をしたジルはサドっ気の塊と思いきや、このお仕置きにより根っこのマゾ体質が開花。

振り返れば人間時代のガイにせよ魔人となったガイにせよ、ジルに痛手を与えた相手を、彼女は慕ってきたように思える。
彼女は最大限の痛みを得るために、最大限の痛みを与えてきたのだろうか。
人からの憎悪・嫉妬・虐待・暴行という強い痛みを受け魔王となった彼女が最も求めていたのは、それ以上の痛みだったのか。
狂っている。しかし狂わなければ魔王なんて出来ないのだ。

ランスがお仕置きに夢中になっていると、この空間は閉じて行った。
ジルはランスを気に入る。
再びこの空間を開けるには、数千年かけて力を取り戻さなければならない。
だがランスに痛めつけられながらなら、その数千年も飽くことは無かろうと。

しかし一人の女に束縛されるようなランスではない。求めてきた手を振り切り、閉じられた空間の出口を探す。
その時、空間の裂け目から差し伸べられる手が。それは…

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シィル。
彼女はランスを助けるために賢明に手を伸ばすが、ギリギリ届かない。
身を乗り出した彼女は――

この異空間に入り込んでしまった。
ジルを振り切った際、彼女もまた異なる位相に消えて行った。
この世界にはもう、ランスとシィルしかいない。

ちっ、せっかく貯めに貯めた世界中のこます予定女の子リストが台無しになってしまったではないか。
でもまぁ、よかろう。シィルが傍らに居るのなら。
不満ではあるが、悪くない。
ジル曰くこの空間では歳を取らないらしいので、シィルと暇つぶしをしつつここから出る方法をのんびり考えて見るかがはは…

と甘いことを考えていると、突然周りがパッと明るくなり――

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光の神G.O.D.があらわれる。
かつて悪魔迷宮で悪魔が敷き詰めたこの神のプロマイドを、ランスはずけずけと踏んできた。
そんな罰当たりなことをしながらこんなところで二人きりでしっぽりあまあまらぶらぶ生活とはゆるさーーん!
と、空間を超えて天罰に来たのであった。

プロマイドを踏んだ程度で怒るとは何て狭量な奴であろうか。
ランスがブーブー言っていると、有無を言わさずランスとシィルは空間を超えて吹っ飛ばされる。


……

場所が変わって地上。
ランスとシィルが居なくなって数日が経っていた。

戦乱も終わり、復興に精を出すリーザスに自由都市。
みじめな敗北を晒したパットンは、その敗北を受け入れる度量を身に着けていた。
少しずつ、彼の持つ天性の将帥が露わになろうとしていた。

一方目の上のタンコブが全ていなくなったミネバは第三軍の将軍に任命される。
着々と陣容を整え、近い未来席巻あるいは蹂躙されるであろう舞台が整えられつつあった。
今だ帰還しない鬼畜戦士ランスの為の舞台が。

各々が各々の生活に少しずつ戻る中、マリアはリーザスと協力し怪しげな機械を作っていた。
ランスの位置を探る機械を。
その機械は遂に完成し、ランスの現在地を…見事探知する。
そこは――

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天空に浮かぶ都市、イラーピュだった。
プロマイドを踏まれて怒った光の神G.O.D.により、ランスとシィルはここに飛ばされていたのであった。

どうも狭量で人間臭い光の神G.O.D.だが、彼はこう見えて一級神だ。
一級神とは、時間跳躍、空間干渉、瞬時即死蘇生レベルダウン、並行世界管理などもう何でもありの連中だ。
地上の絶対者である魔王すら、一級神の前では塵芥も同然。
一級神女神ALICEの所業を見る限り、それは神の理と言う名の凄惨な暴虐。無慈悲で冷徹に過ぎる。
そういう意味では光の神G.O.D.は狭量どころかむしろ寛容に過ぎるとも言える。

そのあたりの理由も、後作のはずのランス04で語られのであろうか…いまだ発売されていないわけだが。

ランス03 -完-




■感想

ランス01とほぼ同じスタッフが作った03であるが、相変わらず非常に丁寧な作りをしている。
長年の展開を経て少しずつ生じた矛盾点が解消され、後作で重要な位置を占める人物はがっつり掘り下げられている。

テキストも鬼畜王~戦国ランスなどの軽妙な語り口にかなり近付きつつ、濡れ場はそれ以上にしっぽりまとめられている。
ランスシリーズが本当に好きで造詣も深いスタッフがリメイクしているようで、ところどころに愛を感じる。

更に今回は声ありなのだが、そのキャスティングがことごとく合っていると思う。
シィルが若干高すぎると思ったが、すぐに慣れてしまった。
個人的には一部で不評だったらしいかなみちゃんの声が一番合っていた。

一方で戦闘や移動システムが01のバージョンアップレベルなのは賛否が分かれるだろうか。
ランスシリーズは大抵シリーズごとにシステムをガラッと変えてきたからだ。
不満とまでは言えないが、その面白さは想像の範囲を出ないものではあった。
まぁここまで完成されたこのゲームにそこまで求めるのは贅沢と言うものか。

03が発売された頃と現在ではスタッフも随分変わってしまったろうが、このゲームと同じくらいの熱量を持つ04を今も待っている。

ランス03 19日目 「激突・魔人ノス」

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魔人アイゼルは生死不明なまま何処へともなく去って行ったが、最大最悪の敵が残っている
魔人ノスと魔王ジルだ。

リーザス城下をほぼ平定したランス達だが、最も禍々しい瘴気がリーザス城2階に漂っている。
魔王らがそこに居るのは間違いない。
放置していては、まず間違いなくこの世は地獄になる。
人は牧場で魔王と魔物の壊れやすい玩具になるためだけに生かされ増やされ、人自身も相互に裏切り疑心し虐待渦巻き。
人が人でなくなる地獄へ。
そんな未来、許すわけにはいかない。(可愛い女の子が)かわいそうではないか。

この世に生きとし生ける全ての可愛い女の子の為、ランスは最後の戦いに挑む。
2階へと駆け上がるとそこには…大量の、骨と皮ばかりになった女性があった。
復活したてで力を取り戻していないジルが、彼女らの生命力を食料として貪っていたのだ。

かつて史上最悪最恐と呼ばれた魔王ジル。
その片鱗を見せつつあった彼女のドス黒い瘴気は、その場にいる全ての者を畏怖させていた。
ランス以外は。
魔人や魔王に対抗できる唯一の手段である魔剣カオスを持っているから…だけではない。
この男には、得体の知れない何かがあった。
秘めた力や全知全能の何かなどではなく、もっとバグのような何かが。

しれっとして、ランスは魔王を探しに、半死半生の人間たちの群れの中を歩いていく。
人間にとって最悪の存在である魔王だが、ランスにとってそれはこますリストに新たに追加された一人にすぎない。
やがて来るであろうお仕置きタイムに心躍らせるが、その前に立ちふさがるのは――魔人ノス。

魔王ジルに心酔する忠臣であり、かつての魔人四天王でもある。
その強さや格は戦国ランスのラスボスである魔人ザビエルに匹敵するかもしれない。
ジル様の食事を妨げるものは許さないと、ノスは岩石のようなその体を露わにし襲い掛かってきた。

ここで魔人ノス戦が始まるのだが、これまたこれまでのボスの通り、そこまで強くはない。
マリアを入れて防御陣地を構築し、回復はセルさん・シィル・マリスの3枚重ねが良いだろう。
後はひたすらカオスを持ったランスをメイン火力になます切りにすればいい。

激闘の後、倒れ伏したノス。
だが魔人が死んだ証――魔人が魔王から分け与えられた力であり、魂そのものである魔血魂がまだ出ていない。
どころか、倒れたノスはどんどん膨れ上がり…

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その正体…地竜の巨大な体躯を持って、再び襲い掛かってくる。
ノスは地竜の魔人だったのだ。
ルドラサウム世界において、竜はこの世界のかつて旧支配者でもある。
ノスはかつての地上の支配者たらしめた最大最強の膂力を持ってランス達と激突する。

…のだが、ここもやはりマリアの出番である。
マリアの陣地構築で痛い攻撃は大体カットできるので、後はランスがカオスで斬りつけるのみ。
バレス等のバフスキルを入れても良いが、自分の場合回復ごり押し力押しで事が済んだ。
ゲーム的にはもう少し歯ごたえが欲しいところではあったが、ここまでくれば半ばイベント戦闘であろうか。
やる気を出したカオスとヤル気満々のランスは噛み合うとここまで強いのである。

10メートルを優に超えるその巨体は地響きを立てて崩れ落ちた。
最後まで最愛の主であるジルの名をつぶやきながら。

そのジルは―――

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忠臣の体を路傍の岩の如く踏みつけ、こちらを見下ろす。
人間の生命力を暴食してきたが、まだだ足りない…と。

息絶えたノスはその体を消滅させる。魔血魂になったのであろう。
ふわりと降り立ったジルは…それまで命を吸収して得た力を元手に、異次元への扉を開く。
無限の力を得られる息吹の吹きすさぶ異次元へ。

まだお仕置きもしてないのに逃げられてはたまらんと、ランスは追いかける。
そこは…

ランス03 18日目 「対決・魔人アイゼル」

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復活早々へし折られた魔剣カオスだが、女の子をくれれば元気出すとのこと。
しかも好みにうるさい。どうしようもない。
そしてその好みに適ったのが…修道女のセルさん。

自分の女を貸し出すのは癪だが、まぁ所詮剣でありそんなきわどいことはしないだろう。
カオスは謎オーラをセルさんに飛ばして、何やらすっかり気力充分。
いよいよ魔人どもを倒すときが来た。

行ける所は西の塔か中庭でどちらもでよいのだが、中庭は若干敵が強めなので最初は西の塔が良いだろう。
西の塔ではリックが仲間になり、彼はフェリスをぐっと使いやすくした感じで全体攻撃が光るからだ。

西の塔ではアイゼルの使徒が居るが、軽くボコって制圧。
軽くとか言いながらランスは洗脳されたりするのだが、その実単なる性欲の権化になるだけであった。いつもと変わらん。

西の塔には魔人アイゼルは居なかった。では中庭か。
その中庭で、アイゼルが別動隊の志津香と話していた。
彼は人の持つ強さを美しく思い愛でていたが、それはかつて魔王ジルに屈した自身の弱さに負い目を感じていたからだ。
人は弱いはずであり、心折れて当たり前。自分がそうだったのだから。
しかし唯一人折れなかった人が居た。それが志津香だ。
アイゼルは魔人であり、魔人は魔王の血を受け継ぐ。破壊衝動に染まった血を。
当然アイゼルにも人類に危害を与える衝動があるはずだが、志津香を前にした彼はそれすらも忘れ去ってしまった。
1500年以上の時を生きるアイゼル。
私は志津香という本当に強い存在に出会うために、これまで生きてきた。
そしてこれからは、今後確実に来るであろうジル様の災禍を回避するため、志津香を私の使徒にして共に生きて行こう…

…的な匂いを感じ取ったランス、まことにもって「うがーーーーーーーーーー!」である。
こんなキザったらしいモヤシ魔人など生かしておけない。
ランスはアイゼルと別れた志津香をふん捕まえ、人間と魔人どちらが大切なのか問詰める。
魔王ジルは全ての人間に絶対的な絶望をもたらす災厄。その血を引く魔人は言うまでもない。
恋心以前に生存本能から「人間」と答える志津香に対し、では魔人の油断を誘ってこいとけしかける。

志津香は再びアイゼルの側に行く。アイゼルの使徒になりたいと。
動揺しつつも歓喜し、使徒化への儀式を執り行うその時、背後から…

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魔剣カオスで思いっきりブスリといく。
流石鬼畜王ランス。どこに出しても恥ずかしくない鬼畜である。

が、アイゼルは魔人だ。人類に仇成す本能を呼び覚まし、致命傷を受けながらも本気を出して向かって来る。

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アイゼルは本気を出す…のだが、既にズタボロになっているのでそんなに強くも無い。
マリアの陣地構築で全体防御を上げれば大して苦労なく倒せるだろう。

倒れ伏すアイゼル。
最後の一刀を振りかぶったランスだが、その前に立つのは…志津香。
放っておけば死ぬと。
それは志津香がアイゼルに与えた僅かばかりの同情か。
あるいは復活した魔王ジルによる地獄の治世になっても決して諦めない、その姿を生きて見ていろという彼女の矜持か。
アイゼルが焦がれ続けて持ちえなかった、強さか。

志津香は去る。残されたアイゼルには死が迫りつつあった。
その時やってきたのは、ランスが先に倒した使徒。
使徒たちは倒され動けなくなっていた所を解放軍にボロボロに暴行され、それでも主人の元にやってきた。
心の底から慕う主を救うために。
使徒は魔人の血を与えられて作られる。
その血を返せばアイゼルも多少は生き永らえる。使徒の命を代償として。

もしも志津香に惹かれなければ、彼女らは助かったのか。
もしも自分が強かったのなら、諦めなかったのなら。
わずかな命を得たアイゼルは、再び歩き出す。その行く先は…

ランス03 17日目 「復活の魔王」

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まんまとトロイの木馬作戦が成功した解放軍。
混乱に紛れてランスはリーザス地下道を行く。
一気にヘルマンの愚鈍な総司令官パットンを叩くためだ。

そのパットンは…
魔人ノスにいたぶられていた。

ノスの目的はカオスの封印を解くリーザス聖武具の入手。
当初はヘルマンの愚かな戦いに乗じて探し出そうとしたが、ヘルマンは思いのほか弱く、逆にランスに攻め込まれている。
聖武具を持っているランスに。

こちらが躍起に探し出していたものが、向こうから走ってくるのだ。
ならばむしろヘルマンは邪魔である。
そう考えパットンを嬲り殺しにしようとしている所を…ハンティに助けられる。
魔法レベル3の彼女は異次元のゲートを開きパットンを連れてそこから脱出。

このゲートはハンティだけならともかく、人間が通ると何十年も時間が経つ場合がある。
ランス9では、ランスと暗黒魔術師ミラクルがこのゲートを通った時、40年の歳月が流れていた。
だがパットンは奇跡的に大して時間も経たずゲートを通り抜けた。
役立たずでどうしようもないこの男の悪運だろうか。
あるいは、彼を気にかけつつ死んでいった者たちの庇護か。

彼は無能で愚鈍と言われながらも、死にゆくハンティの友人たちはみな、パットンを頼むと言っていた。
小心者で狭量で癇癪持ちでどうしようもない彼を、信じていた。

ゲートを通じ、戦の喧騒から遠く離れた場所に転移したパットン。
自分に関わるほぼすべての人々からは、裏切られるか疎んじられるか嘲られ。
彼らを見返す為だけに引き起こしたこの愚かな戦いは、自身を信じ切る数少ない人を死なせただけで無様に逃走し終焉。
拳を握り締め、歯が砕けるほど食いしばり、流す涙は血の色。
人は本当のどん底に落ちた時、本当の姿を現す。
パットンは――

一方ランス達は玉座に辿り着くも、そこには既にパットンもノスも居ない。
拍子抜けする一行だが、とりあえず一番最初の依頼を果たすこととする。
リーザス聖武具の力で、カオスと呼ばれる魔人に対抗する手段を解放することだ。
カオスがあるという封印の間に向かうランス達。そこには…

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魔剣が刺さっていた。
カオスとは、魔剣の事だった。
魔人に対抗できる唯一の手段。
それを引き抜いた時…ノスが現れた。

自身の真なる主、魔王ジルの復活を祝福するために。

この世界は混乱を統べる王・魔王が必ず存在しており、大体1000年周期で代替わりする。
現在は未覚醒の魔王美樹。その前は二重人格の魔王ガイ。
ジルとはガイより以前の魔王であり、歴代最恐と言われている。

ノスが動いていたのは全てこのためだった。
偽りの主ホーネット等の為ではなく、自身を魔人にしてくれた絶対的な主、魔王ジルの封印を解くためだった。
真の主の体を縛っている魔剣カオスをランスに引き抜かせることで。

真の主が復活した今、魔剣カオスは主に仇なす危険物。
カオスは復活早々、ノスにより叩き折られる。

魔王ジルは力の大半を失い、その体も縮まり見た目は少女のようになっている。
だが魔王の復活とは、絶え間ない死と恐怖の時代の幕開けを意味する。
カオスも破壊された今、彼女らを止めるものはもはや何もない。
比喩でなく、路傍の石よりも価値のないランス達など一顧だにせず、ジルとノスは地上へ向かう…。

魔人を倒し、魔王を封印しうる最後の手段であるカオスを失った人類。
最早希望は無いのか…

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と思いきや、割と元気そうだ。
このカオス、知性を持っているのだが、そのエロエロさはランスとどっこいどっこい。
女をくれなきゃ復活してやらないと駄々をこねている。
おのれこの駄剣…燃えないゴミに出してやろうか。

どうも近親憎悪ありまくりのランスだが、こんな状況でも一応世界の危機なので、仕方なく駄剣の為に女を調達に行く…

ランス03 16日目 「リーザス奪還戦」

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リーザス奪還のため二手に分かれたランス達。
ランスの部隊はリーザス近縁のノースの町でトーマ将軍に勝利したが、サウスの町ではバレス・リックの軍が敗北。
敵味方諸共、鉱山を故意に爆破し殲滅するミネバの卑怯な技に屈したからだ。

これに対しランスは反転攻勢をかける。
部隊を立て直しサウスに攻め込む。
ミネバはこれまた敵味方諸共崩落させる契機と不敵に笑うが…
何とランス、鉱山そのものに魔力を込めたチューリップ3号…つまり戦車の主砲をぶち込む。
それによって起きたのは…崩落どころではなく町全体が全滅の危機に瀕するほどの土砂崩れだった。
おかげで崩落を高みで見物し良い気になっていたミネバまでもが、土砂崩れに巻き込まれてしまった。
ミネバが卑怯ならばランスは鬼畜。
喧嘩を売る相手を間違えていたのである。

鬼畜過ぎる作戦に度肝を抜かれたミネバは逃げ出すが、ランス自ら追い詰め、打ち倒される。
ミネバは崖下に落ちていくが…彼女はそれで終わるような女ではない。
あたりの喧騒が止んだ後、ミネバは崖から這い上がり高らかに笑う。

今回の戦争によりヘルマンを担う数少ない良識派がほぼ死滅したことは、ヘルマンにとって最大の不幸。
だが彼女にとってそれは実に幸運だった。
結果として、目の上のたんこぶであるトーマは死に、その麾下の無駄に士気の高い兵もほぼ全滅。
彼女がヘルマンの至尊の座に上る舞台がこうも早く整ったのだから…

一方主だった将をすべて失ったヘルマン軍。
それ率いる無能で愚鈍のパットンは…高らかに笑っていた。

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パットンはもはやリーザス城下で籠城するしか策が無かったのだが、ここの市壁は非常に高い。
そうした地形上の利点に加え、麾下の魔物使いが使役する魔物を利用した投石攻撃が見事にハマる。
ランス達解放軍はすっかり攻めあぐねており、それを見たパットンはさらに増長し解放軍に降伏を迫る始末。
長期的に見れば追い詰められているのはパットン達なのに、だ。

トーマがその命を犠牲にしてでも賭けたパットンの将器、未だ覚めず。
このまま愚鈍で無能のまま終わるのか。ハンティも複雑な表情だ。

だが無論ランスはそんな愚鈍に後れを取る男ではない。
悪魔回廊でうろうろしていた巨大なゴールデンハニーを手懐け、降伏の印としてこれを贈る。
中にランス達精鋭を潜ませて。

後年のパットンならともかく、この頃のパットンがこうした謀略…というか悪知恵を看破できるはずもない。

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トップのパットンがだらしなければ兵も当然だらしない。
すっかり勝利したと信じ切り酒宴に明け暮れているヘルマン兵たちの隙を見て、ランス達はリーザスの地下道へ潜る。
この先にあるのは、リーザス城。
リアをカッコよく助け出し、魔人どもをコテンパンに打ち倒し、褒美に酒池肉林を貰うのだがははははは!

ランス03 15日目 「人類最強の戦士」

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志津香が戦線に復帰し、またランスの募兵も成功したので、満を持してリーザス近縁の町まで撤退したヘルマン軍を追撃する。
ヘルマン第三軍の将であり人類最強の戦士トーマ・リプトンは、部隊を二つに分ける。
南のサウスの町に大部分の兵を配置。そこではトーマの部下であり人類(女)最強の戦士ミネバが隊長を務めている。
そして北のノースの町で少数精鋭と共にトーマ自ら前線に立ち、ランス達を迎え撃つ。

大部隊を展開し迎撃すればあるいは勝ち筋はあったかもしれない。
が、トーマには大仕事があった。
この戦争に勝つ以上の大仕事が。

本国からは無能で愚鈍と思われ切り捨てられ、数少ない味方であるハンティにすら半ば愛想をつかされている教え子パットン。
第三軍の名目の司令官だが、従軍している者は誰一人彼を信頼していなかった。
トーマを除いて。

トーマはパットンにまだ見ぬ将器を感じ取っていた。
それを目覚めさせようと言うのだ。自身の死をもって。
今回の無様な戦いを引き起こし、膨大な彼我の命を失わせ、人類最強と言われたトーマをもむざむざ死なせた。
身が焼かれるかの如きその宿業を、パットン一身に背負わせようとしたのだ。
何故ならその宿業の重みを耐え切った者だけが、現在急速に腐り果てようとしているヘルマンを救えると信じていたから。
自身の背中をパットンに刻み付けるため、トーマはランス率いる精鋭部隊と激突。

さて、トーマ戦である。
人類最強という名は伊達でなく、物理攻撃力を上げたうえで全体攻撃を仕掛けてくる難敵だ。
ここはマリアの陣地構築が欲しい。
このスキルはパーティ全員の防御力を著しく上げるので、これがあれば継戦能力もぐっと伸びる。
回復はセルさんの全体回復。
トーマは魔法攻撃がやや効きやすいので、シィルと志津香は魔法に専念しよう。
ともかくこの戦いの鍵はマリアだ。恐るべきメガネっ子である。

此度の戦い、おそらくランスのこれまでの人生で最も熾烈な戦いであった。
僅差でトーマを討ち取ったランス。
人類最強の男はここに斃れた。屍となった。
パットンが超えるべき屍になることこそが、トーマがこの愚かな戦いに乗ったただ一つの理由だったのだ。

一方…

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トーマ麾下の大部分はサウスの町の防衛に回り、ここでバレス・リック率いるリーザス正規軍と大激突を繰り広げる。
防衛隊の隊長はミネバ・マーガレット。

女最強と言われる武人であり、その強さはJAPANの上杉謙信をも超えるであろう。
あのリックですら互角の戦いを強いられている。

だが彼女の最も恐るべき強さは、搦め手の名手という所だ。
リック戦で突然逃げ出し、追わせ、追わせた先に幻影魔法で作った影武者を切らせる。
そのスキにミネバはリックに致命的な一撃。
更に誇り高きトーマ麾下の兵諸共、リーザス兵を爆発に巻き込み無理やりな勝利。
最強な上に容赦ないほどの卑怯っぷりがミネバの真骨頂だった。

ただおおよそまともな道徳と言うものが存在しないこのルドラサウム大陸において、ミネバの所業は割と普通ではある。
だからランスのようなどうしようもない男でも英雄になれるのであった。




■現在の状況

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リーザス王都を目の前にして思わぬ足止めを喰らってしまったランス率いる解放軍。
これはミネバが卑怯だから…ではなく、バレスもリックもこの大陸を生きるには甘すぎるのだ。
ぷんすか怒りながらランス自ら陣頭に立ちサウスの町へ進撃する。

相手はミネバ。色気ナッシングでしかも三十路。ランスのこれからこますノートには決して記されないタイプの女だ。
ランス9に出てくる弟マイトレイア(マハ・マーガレット)を見る限り、まともにしていれば実はかなり美人なのかもしれないが。