アクトレイザー(クインテット/エニックス)

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■紹介
1990年、エニックスより発売されたスーパーファミコン用アクションロールプレイング箱庭ゲーム。

スーパーファミコンとほぼ同時期にリリースされただけあって、色々と手探り感の強いゲームとなっている。

アクションのゲーム性的にはラスタンサーガ(1987年タイトー)を劣化させた物と言わざるを得ず、どことなくしょっぱい。
目玉のクリエイションモードも自由度が高そうに見えて出来ることが少なすぎ、作業感が強い。
これが現在の視点によるこのゲームの評価であろう。

だがリアルタイムでは、神が空から地上に降り立つ回転拡縮機能をCMで、スーファミの次世代性をこれでもかと感じさせた。
その衝撃の強さは当時を生きた少年でしかわからないだろう。

些末なゲーム性云々でなく、この当時を生きた少年たちにリアルな夢と希望を与えた。
このゲームに対する評価は、それだけで十分と言える。

■評価
B

プレイ日記はこちら
簡易攻略はこちら
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アクトレイザー 簡易攻略

■アクションモード
・何度も死んでパターンを熟知して進んでいく
・難しい箇所は攻撃せずやり過ごすのも手
・難しくても突破しないといけない所は、炎の魔法か星屑の魔法で切り抜ける
・ラフレシア(マラーナの中ボス)は星屑の魔法が当て辛く長期戦になる。左右に大きく動いてツタを除けワンチャンスを物にする
・どうしてもクリアできない場合、各地方を更に発展させ人口を増やしレベル上げ。レベルが上がるとHPも上がり多少楽になる

■クリエイションモード
・魔法陣方向に町を発展させていく
・敵にさらわれた人間は魔物になるが、倒すか魔法陣を封印すれば人間として生まれ変わる
・発展が停滞した場合、他所の地方を解放してキーアイテムを取得・使用することで解消する。詰まったら先に進もう
・魔法陣を解放するたびに文化レベルが上がり、建てられる家もより収容数が増える
・ただし低い文化レベルで建てた建物は収容数が低いままなので、気になったら魔物が壊すのを待つか地震を起こし建て直す

■ボス戦
・ボスの動きも完全パターンなので慣れれば無傷で切り抜けられる
・めんどくさければ星屑の魔法を当てる。基本的に星屑の魔法一択
・光の魔法は大ダメージを与えられるが根本を当てねばならず、消費MPも多いのでコスパが悪い

■最終戦(ボスラッシュ)
・持って行く魔法は星屑の魔法
・ファラオが落ちてきたときに出す光の弾は壁に当たると矢を撃つ仮面になるので、落ち着いて壊す
・カーリアは相手の足元ギリギリで待って相手が落ちてきたらジャンプで避けつつ攻撃。うまく行けば3回当たる
・サタンは敵弾の動きはパターンなので落ち着いて対処し、誘導してくるイガイガは剣で壊す
・ごり押し戦法するならばいのちのみなもとをたくさん用意する。アクションモード以外で手に入れられる箇所は下記の通り
 ・ブラッドプールの湖に雨を降らせる
 ・ブラッドプールを発展させると手に入れられる羅針盤をフィルモアで使う
 ・カサンドラでピラミッド発見後に地震を起こす
 ・ノースウォールの神殿に雷を落とす

アクトレイザー 7日目(最終回) 「自立」

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この世界の全ての地を解放した神。
すると神を封じ、この世界を壊滅させた諸悪の根源サタンの住まうデスヘイムが姿を現す。
いよいよ最後の戦いだ。

ここはいわゆるボスラッシュであり、これまで倒してきた各地域の真ボス――邪神たちと連続して戦うこととなる。
各ボスを倒してもライフは全回復しないので、いのちのみなもとと呼ばれるライフ数アップアイテムが出来るだけ欲しい。
加えて、これまで大体星屑の魔法でごり押しできたが、各ボスを倒してもMPが回復するわけでもないので使い道が限られる。
お勧めはファラオとカーリア(邪教のボス)だろうか。それ以外はひたすらライフにものを言わせて切り刻んでいくべし。

ボスをすべて倒すと…

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ラスボス・サタンが現れる。
とてつもなくヤバそうな姿だが、そう強くない。
こちらの剣が遠距離攻撃できるようになるので、ダメージを非常に与えられやすいからだ。
敵弾は一定の軌道で動くのでよく見て避け、誘導してくるイガイガは斬りつけて対処。
1度変身するが相変わらず弱いので気にしなくてよい。
多分一番最初の赤いブリーフのミノタウロスより弱い。どうしようもない。

こうしてサタンを打ち倒し、この世に再び光を取り戻した神。
天使と共に蘇った大地を見て回る。

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それぞれの地には特徴を持ったキャラクターが居た。
ある者は自分の死の運命を受け入れ予知能力で世に尽くした。
ある者は生贄に自ら名乗り出て平和の礎になろうとした。
人間たちは大抵神様を頼るだけの弱くちっぽけな存在であったが、その中にも確実に勇者はいた。
この世界を生き抜く力や文明と共に、精神も人間たちは少しずつ育んできたのだ。

そして、いつも人間たちが神に願い事をしていた神殿は今――

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寂として声なし。

文明が発達し、人間が自分たちの足で歩み始めた今、神はもう必要ではなくなったのだ。
一抹の寂しさを覚えつつも、神と言うものは普段は忘れられた存在であるくらいが良いのであろう。
再び人類が神を必要とするその日まで、神はこの地を遠く離れていくのであった…

アクトレイザー -完-




■感想

ラストはなかなかに良かった。
初期スーファミの舌足らずな表現力だからこそ入り込める空想の余地が、いい具合に締めてくれたと思う。

このゲームはスーファミ最初期に発売されたもので、音楽はともかくゲーム性もレスポンスもグラフィックも色々過渡期であった。
特にアクション部分の操作性の悪さ、意地悪なトラップの多さは言い訳出来ない。
ラスタンサーガ(タイトーのアクションゲーム)でももう少しマシな気がする。

町造りもそんなに面白みがあるわけでもない。
作業的に湧き出る魔物を倒しつつ、地形に沿った奇跡を使いつつ、魔法陣を封じることで起るイベントを作業的にこなしていく。
色々な奇跡の使い方で多様な町づくりができるようにしても良かったと思うが、わかり易さを選んだということだろうか。
この辺はメインターゲットを小学生にしようか中学生以上にしようかの迷いが見られ、ボンヤリした味になっている。
ゲームとしてみると、全体的にはまだまだな面が否めないものであった。

しかしながら、このゲームの知名度は意外と高い。
天空から地上へ神様が突入するシーンは回転拡大縮小で表現されるのだが、当時そのシーンはやたらCMに流れていた。
このCMに衝撃を受けたちびっこは多かろう。

この当時はまだまだゲーセンのゲームがゲームの最高峰と言われていた時代であり、こじらせていた自分もそう思っていた。
そんな中これほどの性能を持つ家庭用機が出たことは、当時のこじらせたちびっ子たちをかなりザワつかせた。
当時のベーマガでは、子供のおもちゃにすぎない家庭用機にそんな機能など不要だと言う長文の読者投稿もされていた。

この感覚は今の価値観ではわからないだろう。
ひょっとして家庭用機がゲーセンのゲームを超える日がいつか来るのか?いやそんなはずはない。
ゲーセンのゲームはいつまでも最高峰であるべきだと、ゲーセン少年に不安や嫉妬、憧れや焦燥などを抱かせた。
そんな少年たちの多感な青春期にリリースされたからこそ、ここまでの知名度を出せたのかもしれない。

ゲームとしては及第点ギリギリではあるのだが、時代性と言う意味では他の追随を許さない凄味のあったゲームなのは確かだ。

アクトレイザー 6日目 「人の弱さ」

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ここの地域の住人が新興宗教に流れて行ってしまっため、邪教のボスを倒しに行く。
相手からすればこちらが邪教なのだろうが、それが宗教と言うものであろう。

で、このボスはいかにも非の打ち所がないほどの邪神面している。
高速弾を撃ってきたり踏みつぶしてきたり、また足場を落としてその上で戦わせるというガルバランのような攻撃もしてくる。
しかしこの図体のでかさであれば、星屑の魔法であっさりおだぶつとなる。

かくして邪教は滅びた。
そもそもなぜ人間たちはせっせとパシリしているプレイヤー神を見限って新興宗教に走ったのか?
人々は神に懺悔し、その理由を話す。

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それは魔物によって折角一生懸命建てた建築物が破壊され、もう嫌になって易きに流れた…ということらしい。
胡散臭い宗教とわかりつつもそれにすがらなければ生きていけなかったのだ。

人は弱い。
そしてその弱さに付け込む商売は確かにある。
冷静に見ればそれは救済ではなくただの搾取と分かるのに、人は時にそれがわからなくなるほど参ってしまうのだ。
弱者の受け皿が怪しい新興宗教しかないというのは社会の欠陥であり、神様としては襟を正せばなるまい。

だが…この人々は真実が見えていない。
前回の日記を参照していただきたい。
建物を壊し愛する人々を大勢死なせたのは、魔物ではなく、プレイヤー神である。
つまり神の慈悲を知らしめるため敢えて苦難から邪教へ追い立て、それを救ってやったというマッチポンプに見られなくもない。
宗教と言うものの真理をここまで表現し尽くしたゲームがかつてあっただろかいやない。
まぁそこまで深く考えてはいないだろうが…

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そんなわけで深く考えるとこのゲームの根底に関わる部分がおかしくなりそうだったので、気付かないふりして次の地方へ。
ここは氷雪にまみれた地で、途中のアクションシーンが敵の弾幕振り注ぐ中泡に乗って先に進む、大変難儀な地点だ。
このゲームはアクション性が過渡期のそれであり、ジャンプ斬りがいつでも出せない等中々厳しい。
その厳しい中進んで行かないといけないのだが、まぁ先の地方で引き起こした地震の贖罪とでも考えておこう。

何十回もやり直し、やっとボスに辿り着く。
せっかくなのでこのボスには今まで使っていなかった光の魔法で挑んでみた。
この魔法はキャラの中心から光が左右に広がっていき、その光を根本か当てるようにすれば大ダメージを与えられる。
最後の魔法にふさわしい威力ではあるのだが、何ぶん使用MP4とコスパが悪すぎる。
結局ここも星屑の魔法(使用MP2)で良い気がする。

さて、この氷雪の地がこの世界における最後の地なのだが、それも解放され、地上は全て人間たちの手に渡った。
すると…

アクトレイザー 5日目 「宗教対立」

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カサンドラの地の疫病を治す為、薬草を求め世界中を駆けずり回る神様。

北のアイトスの地に行ってみるも、カラスの集団に集られたあげく見つからず。
突かれ損である。

他に行ける所は…南の諸島、マラーナだ。
早速このあたり一帯の魔物を駆逐するが、ここのボスはかなりしんどい。
うさんくさい動きのツタを左右の岩に飛び乗りつつ大きく避け、1発1発丁寧に攻撃しないといけない。
大変な神経戦になるので、寝不足の時にやるのはお勧めしない。

なんとか攻略して町づくりを始めていくと、人口がいくらか増えたところで住民が薬草をくれる。
やっとこれでカサンドラの人々を助けられた。めでたしめでたし。
この地域の住民よ、中々良い心がけであると町づくりを更に進めてやると…

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なにやらアンコールワットのような謎の寺院が見つかる。
ここはこの世界を治める神様(つまりプレイヤー)とは別の神を信仰する宗教団体らしく、信者を少しずつ増やしているらしい。

だがこちらの神はアワレな人々のために世界中を駆け巡る、実に都合のいい…じゃない、慈愛にあふれた神様だ。
御神体としてのカリスマが圧倒的にこちらであると自負しているので、とりあえず放置しておこう。

その後も町づくりを進めるが、北西の離れ小島の魔法陣から出てくる魔物が鬱陶しい。
どうしたものか…

と、ここで思い出す。
そうだ、神様には奇跡があるではないか。
そこで地震の奇跡を起こしてみると…

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島が隆起し陸続きとなった。
これで魔法陣の封印ができ、この地にも平和が訪れるであろう。
どうだ人間たちよ、感謝せよ。
地震のせいで70人くらい死んでしまったが、大事の前の小事であるガハハハ。

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とか余裕こいてたらこちらの信者の代表たちが二人とも例の新興宗教に流れてしまった。
相手は邪悪な宗教と天使は空気読んでそう言うが、地震を起こして70人も殺してはそりゃ信者も心変わりもするであろう。