2023/01/13

ドタくんは遂に最後のステージにやってきた。
見上げるとそこに巨大なリエー・ルの館。
ここに拉致監禁されている家族と恋人がいるはず。
が、このステージは丸腰で始まってしまう。
なのでまず先にすべきことは、館を突っ切って早々と武器を手に入れることだ。
しかしそれがとても難しい。
館に至る梯子を上ると、館とは思えないメカメカしい場所に出て、しかもそこを守るマカロンみたいな敵が大挙して襲って来る。
何しろこちらは丸腰なのではしごを突っ切って更に上に行くしかない。
ジャンプボタンをおしつつ、ノックバックも併用しつつとっとと上に逃げてしまおう。
上に逃げた先にある部屋に光線銃が落ちているので拾う。
これはぶっとい光の束を発射できるが、光の癖に実弾より遅く威力も弱いという大層頼りない武器だ。
とはいえ持たないよりましだ。
さらに上の部屋に羽根つき帽子があるので、それも拾っておこう。
これ以上は探索してもしょうがないので元来た場所を戻る。
ただ、元来た場所というのは先ほどのマカロンが大量に居た場所に戻るという事だ。
敵の位置は画面切り替えした時に保存されるので、相手の追撃をぎりぎり避けて移動した場合、敵が密集していることになる。
その危険地帯にまた飛び込まないといけない上に、この時点で探索出来るところはカプセルを落とす敵がいない。
つまり最初にここを突っ切る時にダメージを受けすぎると、ほぼほぼクリア不可能になるわけだ。
ここがこのゲームの最難関と言える。
だからこそ前ステージでどれだけカプセルを集められたかがカギになる。
無事この最難関地帯を越えたら、そのままいったん地上に戻り西に進もう。
するとまたもやはしごがあるので、ここを上り少しばかり探索すると青い銃を手に入れられる。
もしも余裕があれば、すぐに地上には戻らずカプセルを回収していくのも良い。
これで準備万端。
再び地上に戻り、余計な敵を蹴散らしつつ西に向かおう。
そこではラスボス、第4のトルゥーダが待ち受けている。

その姿は異様であった。
巨神兵の如く体が腐り果てているのだ。いや、むしろパイプを通じて未完成の体を完成させようとしているのか。
いずれにせよ人類の仇敵には変わりないので問答無用でぶちころそう。
このボスは見かけはやばそうだが、中々どうして弱い。
取り巻きが何故かあまりアグレッシブでないので、空中から入ってそのまま当たり判定のでかすぎる頭に打ち込めばおだぶつ。
万全を期すならばこれまでのボスと同様、画面を切り替えつつ取り巻きを誘導して射線を確保するのも良いだろう。
これまでのボスと比して1,2を争うほどに弱いこのボスを倒し先に進むと…

そこでは愛する家族と恋人が、今しもバイオモンスター化させられようとしていた。
ここで重要となるのがこれまで記憶してきた、ボスを倒した時に表示された記号だ。
ジャンプし天井のボタンを押し、制限時間以内に絵柄をそろえていこう。
記憶と絵柄が合っていれば、それはバイオモンスターを人間に戻す逆秘法となる。
逆秘法が成功すると…

館もトルゥーダもすべて消え去り、そこにあるのは果てしなく続く野花のみであった。
愛する家族と、恋人と言うにはあまりに幼すぎる気がする女の子を救助し、再会。
ドタくんはぴょんぴょん飛び跳ね喜びを表し、物語は幕を閉じる。
ストーリーを説明するメッセージなどなく、スタッフロールが流れておしまいだ。
実にあっけないが、このあっさり極まる終わり方もまたレトロゲームの醍醐味であろう。
冒険浪漫 -完-
■感想動きは若干もっさりしており、はじめはとっつきにくく感じられるかもしれないが、慣れてくればこの動きがベストとも思える。
冒頭にも書いたがこの当時の88ゲームは人間の動体視力にPCの性能が付いていけなかった。
なので無理にアクションするのでなく、忙しめのシミュレーションとしてゲームデザインしたほうが88には合っている。
そのデザインは見事にはまり、ストレスなく冒険に勤しめる、タイトルに偽りなしの良ゲーであった。
謎アイテムが多く、それを身に着けて外見と性能が変わるのも、今では当たり前でも当時としては画期的な楽しみであった。
特にこの当時猫も杓子もファンタジーRPGであり、ハチマキやサングラスと言った日常品を身に着けるゲームは無かったのだ。
ストーリーについてはゲーム中で全く説明されず、唐突に始まり唐突に終わる。
この無駄の無さもレトロゲーならではのテンポを出しており心地よい。
かようにこのゲームは、全てが発展途上にあった当時のゲームを知っている前提で、わずかに突出した部分を愛でるものだ。
今の基準で突っ込めば色々と出てくるのは当たり前だが、それを言うのは野暮というものである。