冒険浪漫(システムソフト)

WS030902.jpg

■紹介
1986年、システムソフトより発売されたPC用アクションパズルゲーム。

1画面1画面切り替えながら、敵を倒しあるいは避けつつ物資や武器を集めていき、ボスを倒す。
ゲーム性は今でいうリソース管理ゲームに近く、どの物資を取りどんな武器を選択し何を残していくかが問われる。
とはいえそこまで繊細なバランスでもなく、適当にやっていてもクリアできるのが当時としては非常に優しいゲーム性だった。

武器や防具もうちわやハチマキなど、現代的なものが多く、しかも装備したものでそのままグラフィックが変わる。
今からすれば何ともないが、現代的で奇天烈な格好が出来るのは、当時はこのゲームくらいだった。

操作ももっさりとしているが、それは動体視力を問うのでなく、円滑に進行するための戦略を問うゲーム性に則していると言える。
ゲーム中では細かいストーリーすら省かれ、セーブ機能も無いのでちょっとした時間つぶしに楽しめる。

かように細かく見れば色々とエポックメイキングな所もあるのだが、当時は如何に何日も楽しむかという重厚感が好まれた。
それを敢えて外した本作が商業的に成功したかどうかはわからないが、そのコンセプトは成功していると言える。
まさに隠れた良作という言葉がぴったりな、そんなゲームである。

■評価
B+

プレイ日記はこちら
簡易攻略はこちら
Amazon→羽根つき帽子

冒険浪漫 簡易攻略

■基本
(アイテム説明)
・ダイヤ…10個集めるとカプセル×9になる
・弾薬…Eで表示される。弾薬(黄色のライン)が無くなると1個消費し自動的に全弾補充される
・鍵…画面左右の壁にぶち当たってみて、そこが開ける扉であれば1個消費し開く
・体力回復剤…カプセルで表示される。体力(緑と赤のライン)が1ライン分減ると、1個消費し1ライン分補充される
・ドル袋…ダイヤ・弾薬・鍵・体力回復剤それぞれ+1

(進行まとめ)
・出来るだけ早いうちに青の銃と羽根つき帽子を手に入れる。3面のみ、青の銃でなく爆弾が良い
・アイテムは敵のドロップも含めて画面を切り替えてもそこに存在している。全部一度に取らず、必要になったら取りに行く

■1面
(ルート)
・スタート地点(緑帽子・赤い銃)→下→下→左→左→下(水中眼鏡)→右(青い銃)
・→左→左→下→下→右(羽根つき帽子)→物資を補充しつつ地上へ戻る
(ボス)
・画面を切り替えつつ取り巻きに一定数弾を当て、動きがゆっくりになったらボスの目玉に数発撃ちこむ
・取り巻きは弾を一定数当てるごとに赤→紫→水色と色が変わり速度も落ちる
・水色状態で更に打ち込むと赤に戻り動きが早くなるので注意
・ボスを倒した時に表示される図形は必ず覚えるか、メモる

■2面
(ルート)
・スタート地点(鉢巻・空気銃)→上(青い銃)→左(眼鏡)→上→左→下(羽根つき帽子)→物資を補充しつつ地上へ戻る
・別ルートからも地上に戻れるが、空を飛ぶ敵にたかられるのでお勧めしない
(ボス)
・地上から入って取り巻きを引き付け、ひきつけ切ったら画面を出る
・その後空を飛んで上空から画面に入り、ボスの顔に打ち込む
・ボスの顔は二つあるがどちらにも当たり判定がある
・ボスを倒した時に表示される図形は必ず覚えるか、メモる

■3面
(ルート)
・スタート地点(青い銃)→下→左→下→左→左(爆弾・羽根つき帽子)→物資を補充しつつ地上へ戻る
・次の面に備えて物資は出来るだけ残しておく
(ボス)
・地上から入って取り巻きを引き付け、ひきつけ切ったら画面を出る
・その後空を飛んで上空から画面に入り、ボスの目玉に爆弾を投げ込む。二発で倒れる
・ボスを倒した時点で弾薬と体力回復剤が5個を切っていたら地下に戻って補充。出来れば9個満タンまでそろえたい
・ボスを倒した時に表示される図形は必ず覚えるか、メモる

■4面
(ルート)
・スタート地点→上→上(光線銃)→上(羽根つき帽子)→地上へ戻る
・丸腰で敵の中を突っ切るのでジャンプやノックバックを駆使
・戻る時も敵が密集しているので適確に攻撃を当て削っていく
・再びスタート地点→左→左→上(青い銃)→物資を補充しつつ地上へ戻る
(ボス)
・ボスの前の画面の敵は全滅させておく
・地上から入って取り巻きを引き付け、ひきつけ切ったら画面を出る
・その後空を飛んで上空から画面に入り、ボスの顔に打ち込む
・取り巻きはボスのすぐ近くに漂っていることが多いので、いきなり空中から入って顔に打ち込んでもよい。とにかくよわい

■ラスト
・天井に3つのボタンがあり、ジャンプして頭突きするたびに絵柄が変わる
・これまで覚えてきた3つのボス撃破時の記号になるまで絵柄を変えていく
・絵柄が正しければ救出成功。エンディングへ

冒険浪漫 6日目(最終回) 「救出」

WS030883.jpg

ドタくんは遂に最後のステージにやってきた。
見上げるとそこに巨大なリエー・ルの館。
ここに拉致監禁されている家族と恋人がいるはず。

が、このステージは丸腰で始まってしまう。
なのでまず先にすべきことは、館を突っ切って早々と武器を手に入れることだ。
しかしそれがとても難しい。

館に至る梯子を上ると、館とは思えないメカメカしい場所に出て、しかもそこを守るマカロンみたいな敵が大挙して襲って来る。
何しろこちらは丸腰なのではしごを突っ切って更に上に行くしかない。
ジャンプボタンをおしつつ、ノックバックも併用しつつとっとと上に逃げてしまおう。

上に逃げた先にある部屋に光線銃が落ちているので拾う。
これはぶっとい光の束を発射できるが、光の癖に実弾より遅く威力も弱いという大層頼りない武器だ。
とはいえ持たないよりましだ。
さらに上の部屋に羽根つき帽子があるので、それも拾っておこう。

これ以上は探索してもしょうがないので元来た場所を戻る。
ただ、元来た場所というのは先ほどのマカロンが大量に居た場所に戻るという事だ。
敵の位置は画面切り替えした時に保存されるので、相手の追撃をぎりぎり避けて移動した場合、敵が密集していることになる。
その危険地帯にまた飛び込まないといけない上に、この時点で探索出来るところはカプセルを落とす敵がいない。
つまり最初にここを突っ切る時にダメージを受けすぎると、ほぼほぼクリア不可能になるわけだ。
ここがこのゲームの最難関と言える。
だからこそ前ステージでどれだけカプセルを集められたかがカギになる。

無事この最難関地帯を越えたら、そのままいったん地上に戻り西に進もう。
するとまたもやはしごがあるので、ここを上り少しばかり探索すると青い銃を手に入れられる。
もしも余裕があれば、すぐに地上には戻らずカプセルを回収していくのも良い。

これで準備万端。
再び地上に戻り、余計な敵を蹴散らしつつ西に向かおう。
そこではラスボス、第4のトルゥーダが待ち受けている。

WS030838.jpg

その姿は異様であった。
巨神兵の如く体が腐り果てているのだ。いや、むしろパイプを通じて未完成の体を完成させようとしているのか。
いずれにせよ人類の仇敵には変わりないので問答無用でぶちころそう。

このボスは見かけはやばそうだが、中々どうして弱い。
取り巻きが何故かあまりアグレッシブでないので、空中から入ってそのまま当たり判定のでかすぎる頭に打ち込めばおだぶつ。
万全を期すならばこれまでのボスと同様、画面を切り替えつつ取り巻きを誘導して射線を確保するのも良いだろう。

これまでのボスと比して1,2を争うほどに弱いこのボスを倒し先に進むと…

WS030843.jpg

そこでは愛する家族と恋人が、今しもバイオモンスター化させられようとしていた。
ここで重要となるのがこれまで記憶してきた、ボスを倒した時に表示された記号だ。
ジャンプし天井のボタンを押し、制限時間以内に絵柄をそろえていこう。
記憶と絵柄が合っていれば、それはバイオモンスターを人間に戻す逆秘法となる。

逆秘法が成功すると…

WS030845.jpg

館もトルゥーダもすべて消え去り、そこにあるのは果てしなく続く野花のみであった。
愛する家族と、恋人と言うにはあまりに幼すぎる気がする女の子を救助し、再会。
ドタくんはぴょんぴょん飛び跳ね喜びを表し、物語は幕を閉じる。

ストーリーを説明するメッセージなどなく、スタッフロールが流れておしまいだ。
実にあっけないが、このあっさり極まる終わり方もまたレトロゲームの醍醐味であろう。

冒険浪漫 -完-




■感想
動きは若干もっさりしており、はじめはとっつきにくく感じられるかもしれないが、慣れてくればこの動きがベストとも思える。
冒頭にも書いたがこの当時の88ゲームは人間の動体視力にPCの性能が付いていけなかった。
なので無理にアクションするのでなく、忙しめのシミュレーションとしてゲームデザインしたほうが88には合っている。
そのデザインは見事にはまり、ストレスなく冒険に勤しめる、タイトルに偽りなしの良ゲーであった。

謎アイテムが多く、それを身に着けて外見と性能が変わるのも、今では当たり前でも当時としては画期的な楽しみであった。
特にこの当時猫も杓子もファンタジーRPGであり、ハチマキやサングラスと言った日常品を身に着けるゲームは無かったのだ。

ストーリーについてはゲーム中で全く説明されず、唐突に始まり唐突に終わる。
この無駄の無さもレトロゲーならではのテンポを出しており心地よい。

かようにこのゲームは、全てが発展途上にあった当時のゲームを知っている前提で、わずかに突出した部分を愛でるものだ。
今の基準で突っ込めば色々と出てくるのは当たり前だが、それを言うのは野暮というものである。

冒険浪漫 5日目 「腐海」

WS030825.jpg

第三ステージは植物というか菌類だらけのステージだ。
風の谷のナウシカの影響冷めやらぬ時期だったので、おそらく腐海を意識したのだろうか。
敵キャラは何とも言えない造型の連中ばかりではあるが。

さて、ここのステージは一番最初に地下に潜ったのち、西南西に進もう(レーダー参照)。
爆弾と羽根つき帽子が落ちている大変スペシャルな場所に出るのだ。

爆弾はおにぎりと同様放物線を描いて飛ぶが、何しろ破壊力が桁違いなのでどの敵もほぼ一撃で倒せる。
この面の敵は一度倒してももう一度別な敵に変身し、しかもいずれも耐久力が高い。
さらにどいつもこいつもぷかぷか浮いたり跳ねながらドタくんの斜め上、つまり銃の死角からふらふら寄ってくる。
まともに戦っていたら体力も弾薬もゴリゴリ削られるので、爆弾がベストなのだ。
すぐ目の前に来た場合、慌てず騒がずゼロ距離射撃で対応。敵が真横に来たらスペースキーだ。
このテクニックは重要なので覚えておこう。覚えておいたところでこのゲームを今更やる人はいない気もするが…

爆弾さえ手に入れたら、あとは弾薬などのリソースを集めて地上へ戻るべし。
更に探索をしても良いが、ここはダークゾーンがあったりそこを進むのに懐中電灯が必要だったりと、体力が減るギミック満載。
君子危うきに近寄らずなのだ。

地上に戻ったらそのまま西に進もう。
そこでは…

WS030828.jpg

キノコ型の旧支配者・第3のトルゥーダが待ち受けている。
ここはまともに戦うと結構きつい。取り巻きが中々にアグレッシブだからだ。
なのでまず歩いて下から登場し、取り巻きを引き付けてからいったん前の画面に戻る。
そして羽根つき帽子で空を飛び、再びボスの画面に入り上から爆弾を落とそう。
あるいは上に引き付けて下から爆弾を投げるのも良い。
爆弾ならば超威力であり、2発ぶつけるだけで相手はおだぶつだ。

WS030829.jpg

またもや謎の記号が出るので、ちゃんと覚えておこう。
ここまで戦い3つの記号を見てきたと思うが、その3つの記号を覚えていないと後々悲惨なことになる。
記憶するか絵をメモるかしておこう。

なお、ここの戦いでリソースを大幅に減らしてしまったら、先に進まず一度戻ってリソースの補充をすることを強く推奨する。
とくに体力回復カプセルは最低でも4つ、出来れば9つ集めたい。
その理由は…

WS030831.jpg

次のステージは最終ステージなのだが、開始時に武器が落ちておらず敵がワラワラ居る中を突っ切らなければならないからだ。
最高に厳しい状況の中、ドタくんは最後の戦いに挑む…!

冒険浪漫 4日目 「第二のトルゥーダ」

WS030869.jpg

空の世界で青い銃と羽根つき帽子、あと弾薬などのリソースを一通り集めたら地上へ戻ろう。
ちなみに地上に戻れる穴はいくつかあるが、穴から出た瞬間敵に囲まれてしまう場面もある。
多少面倒だが素直に豆の木?のツタに戻って下りるのを勧める。

地上に降りたらそのまま西に進むと第二のボス、つまり旧支配者トルゥーダと対戦だ。
このボスは1面ボスと同様取り巻きがいる。
基本無敵なのも同様であり、ある程度弾を打ちこむたびに動きが遅くなる点も変わらない。
ただ大きめなので攻撃を当てやすい上、動きが遅い。
ボスについても大きめの顔が二つありそのどちらも弱点なので、攻撃可能箇所が広い。

なので攻略法としてはまず地上から入って取り巻きをあらかた誘導し、一旦前の画面に戻る。
その後写真のように空を飛んで上方面からボスの画面に入り、攻撃しよう。
つまり画面をうまく切り替えて敵を誘導するのだ。
取り巻きは遅いのでこちらに来るまでには相手を倒すことができるであろう。
1面のボスに比べれば非常に簡単である。

…とか書くと余裕っぽいが、余裕こきすぎて前に出ると後ろから取り巻きがぶち当たり、ノックバックでボスに挟まれ即死する。
慢心ダメ絶対。

WS030819.jpg

倒すと1面のボスと同様文字と図形が出る。
この図形はラストで必要なのでこれも覚えておく。
なおこのゲームはセーブが出来ないので、図形はプレイごとに変わる。
一種の記憶力ゲームとも言えるであろう。

ボスを倒したら次のステージへと移動だ。

WS030820.jpg

第3ステージはこれまでの朗らかな世界から一転し、朽ちた都市での戦いになる。
トルゥーダやその尖兵にメタメタにされたのであろう。曲調もこれまでのポップ調なものから重苦しいものに変わる。

ここからは敵の攻撃もかなり厳しくなるが、幸いにも使い勝手の良い青の銃がすぐ取れるので、穴に入る前に忘れずに取ろう。
もし取らずに穴に入ってしまうと…

WS030822.jpg

地下に落ちているおにぎりを武器にするしかない。
おむすびころりんの昔話からネタを拝借しているのだろうか。
ここら辺はとてもこのゲームらしい。

なおこの武器はまっすぐでなく、放射状に弾(というかおにぎり)が飛ぶ。
このステージの敵は空中を漂い死角から攻めてきやすいので、ある意味こちらのほうが楽な場面もある。
が、所詮おにぎりであり破壊力はまことにしょっぱい。
ここから西に行くと羽根つき帽子と爆弾が落ちているので、それを早い所拾いたい。
特に爆弾はこの難解なステージをクリアするためにほぼ必須だからだ。