ヴァーレントゥーガ (ななあし)

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■紹介
2009年7月、windows用フリーゲームとしてリリースされたRTSG(リアルタイムシミュレーションゲーム)。
これは1999年にあとあと氏が制作した同人シミュレーションRPG「ファーレントゥーガ」をリアルタイムにしたもの。
人物や設定などを微妙に変えつつも基本的には踏襲している。
ゲームとしてはオーソドックスな戦略陣取りゲームであり、所属国家のマスターあるいは人材を選び、他国を制圧していく。
世界観もオーソドックスなファンタジーであり、キャラクター性もストーリー性も程よく出ており、ノンストレスに進められる。
戦闘は大量のユニットと派手なエフェクトがこれでもかと展開され、見てるだけで楽しくなってくる上に操作も非常に楽。
つまりゲームの全ての部分が尋常なくテンポ良く、相当高度な技術なのか遅延も殆ど無い。
ゲームとして既に完成されていたファーレントゥーガをリアルタイムにし、かつ1ターン数分で終わるサクサクなゲーム性。
これがこのゲーム最大の長所であり、ある意味最大の短所でもある。
テンポが良すぎて中毒性が異常に上がっており、誇張でなく、リアルに私生活をズタボロにしてしまうのだ。
フリーゲームということでこちらでダウンロードできるが、ともかく時間泥棒具合は私の長いゲーム遍歴でも最強レベル。
覚悟されたし。


■評価
A-

プレイ日記はこちら
簡易攻略はこちら
Amazon→Age of Empires III

ヴァーレントゥーガ 簡易攻略

■序盤
・人材(ネームドキャラ)を中心に育てる。中立地帯がある場合先にそちらに人材+少数の部隊で攻め込み、少しでもレベル上げ
・(ルナティックモード以外)人材はHPがゼロになると経験値が大幅ダウンしレベルアップが遅れる。すぐ撤退できるように
・経験値が入る条件は相手に攻撃を当てた時であるため、しっかり殲滅しないと相手もレベルが上がる
・そのため自分達より強い相手は戦っても餌になるだけなので、可能であれば弱い勢力から先に叩く

■中盤
・人材雇用は完全縁故採用。出来るだけ色々な種類の人材を集めればそれだけ獲得できる人材も豊富になる
・ビーストテイマーは弱いが異種族を雇いやすいので、見かけたら仲間にしておこう
・相手は前線に戦力を集中するので、攻め込まれた場合死守するより撤退し戦線を伸ばさせて囲い込めば一網打尽

■終盤
・魔王軍あたりが強くなりすぎて居残っている場合、領地を敢えて放棄し相手にある程度取らせたのち、分断包囲
・めんどくさければ観戦モードに切り替えればそのうち倒せる(かも)

■人材プレイのコツ
・放浪人材の場合、どこかに加入する前にオークの居る中立地帯などである程度レベル上げし、加入後戦績を上げやすくする
・加入後、戦績を上げるためにとにかく死なない事。死ぬといつまで経っても強くなれず戦績稼ぎ競争に置いていかれる
・上士以上になったら陪臣を雇う。戦績を稼ぎやすい人材(セレンなど)で固め、最低一人は体力回復できる職(イオナなど)
・太守になったら色々な所に攻め込める。中立地帯や敵の居ない敵領土などは簡単かつ確実に報奨金を得られる
・溜めた報奨金で更に陪臣をアップデートする

ヴァーレントゥーガ 8日目(最終回) 「大陸統一」

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大陸最大の版図を誇っていたアルナス汗国も、レオーム家の姫君包囲殲滅作戦により一気に瓦解。

残るはモヤシエルフ率いるパーサの民と、北に陣取る非戦的の勢力。これはぬるい。
大体このゲームの終盤は強くなりすぎた魔王あたりの対処に困り、倒すまで100ターン以上観戦モードとかなのだが。

こうして誠にイージーに大陸統一を果たしたレオーム家であった。
イージーと言いながら96ターンかかっているが、これの大半は部隊の移動による。
部隊を移動できる範囲が狭いため、移動だけで数ターンかかり編成するにも一苦労なためだ。

ちなみにアナザーシナリオでは制圧した場所であればどんなに遠くても一瞬で移動できるので便利。
僧侶イオナも最初期から手に入るしイベントもそこそこあるので、アナザーからやるのも良いかもしれない。
…とクリアしてから言うのもなんだが。

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そしてエンディングが始まる。
これがまた非常に簡素であり、忠臣ソルジャーのフィーザレスというおっさんと大陸統一について祝うだけだ。
旧版ならば僧侶イオナや参謀役のドルスと言う爺さんも一緒に賑々しくお祝いしてくれるのだが…
最新版は女子供ジジババお断り、青年と中年だけの秘密の花園だ。
どうして最新版はここまでイベントを削除したのか本当に謎である。アナザーを作ったせいかな?

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スタッフロールのあと、一番最初の戦いを見下ろしていた妖しい美女がうっすら出てきて終了。
彼女は実質的なラスボスで、最終決戦後のシナリオやアナザーシナリオを選択することで戦える。
が、このブログではとりあえず最初期シナリオで終えることとする。

ヴァーレントゥーガ -完-




■感想

ブログに書く限りよくある国取りシミュレーションのようであっさり極まるが、実際にやってみるとこのゲームは本当にヤバい。
ゲームとしては編成して戦うを繰り返すだけなのだが、そのテンポがあまりにも良すぎて本当に病みつきになる。
この病みつき具合が手加減なしに半端なく、リアルで私生活が無茶苦茶になってしまう。
暇つぶしに5分だけやるかとこのゲームをスタートさせたらもうおしまいである。
気が付いたら6時間くらい平気で経っている。
あまりに中毒性が高すぎるので、このゲームはクリア後すぐにアンインストールした。

もう一つこのゲームの大きな売りは、戦いのシーンがとにかく見てるだけで面白いというところだろうか。
ド派手なエフェクトと共にワラワラ動き回り、その動きもがっつり介入できると思えば自由に任せられたりと幅が広い。
処理スピードも速く、ストレスと言えば上にも書いたようにキャラの移動が面倒な所くらいであろうか。
このストレスの異様な少なさも中毒性を高めている。

何度も書くが、本当にこのゲームはヤバイ。
フリーゲームなのでいつでも遊べるが、遊ぶ際にはくれぐれも覚悟されたし。

ヴァーレントゥーガ 7日目 「アルナスの姫」

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最大の敵は去り、その戦力も殆ど接取した今、後はもう残敵掃討である。
好戦的なアルナス汗国は同盟が切れたのち襲ってきたので、これを奇貨とし反撃する。

新たに仲間になった放浪ドラゴンナイトのセレンは作中でキャラ的に優遇されており、戦術的にもそこそこ強い。
必殺技のブレスで雑魚を一網打尽にしたのち、旧ムクガイヤ魔術師団の強烈な魔法で残りを処理していく。

アルナス汗国を率いる姫君ナルディアは自分が小娘であることを逆利用し相手の隙を誘い、その隙を猛撃するしたたかな女傑。
しかしそのような些細な計略も、レオーム家の戦略もくそもない蹂躙殲滅攻撃の前では無意味である。
たちまち壊走し、改装したところをどんどん追い詰めていく。

そうして袋小路まで追い詰めたところを退路を断ち、包囲殲滅することで…

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アルナス汗国の広大な領土も一気に消滅する。
こういったダイナミックな戦略が出来るところもこのゲームの面白さであろう。

かくして誇り高き砂漠の民の住まうアルナス汗国は滅びた。
その時、彼らを率いる姫君ナルディアは…!

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レオーム家率いるゴート君にすっかりべた惚れし、嬉々として仲間になるのであった。
節操なさ過ぎ。そりゃ部下に反乱もされよう(別シナリオにそうしたものがある)。
まぁこれも謀好きな姫君の計略なのかもしれないが。

ヴァーレントゥーガ 6日目 「王都奪還」

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魔王軍をも滅ぼしたレオーム家。
余勢を駆り、そのままムクガイヤの籠る王都ルートガルトへ攻め込む。

こうして攻城戦が始まる。
これまでのフィールドと違い、狭い所を門を撃破し進んでいく。
この辺のワラワラ感が、ファーストクイーン4や2000年代初頭MMORPGを彷彿させ、おっさんならば愉快な気分になるであろう。

相手は門を境にこちらへ一方的に攻撃できるのだが、さっぱり痛くない。
こちらは滅ぼした魔王軍の精鋭も仲間にしているのに、相手はわずかな将兵としょっぱい弓兵くらいしかいないからだ。
苦も無くそのまま破竹の勢いで進撃していき…

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王都の最奥部、王城まで突入する…のだが、もはや弓兵くらいしか残っていない。
どうも全ての元凶であるムクガイヤは、ここまでたどり着く道中でいつの間にやら押しつぶされていたようだ…合掌。

かくして王都を奪還する。
旧版ならここで譜代家臣からお祝いされるイベントがあるのだが、最新版ではこれもオミットされている。
純粋に戦闘のみ楽しめという事であろうか。あるいは一部のユーザーの声を聞き過ぎたのか。
製作関係者が少なく、故に悪い方向でユーザー意見にフレキシブルに対応しすぎるのは同人ゲーあるあるなので、まぁよい。
これもまた同人ゲームの楽しみ方の一つであろう。

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無事王都を奪還したレオーム家であるが、当然ここで終わりではない。
二度とクーデターなぞ起こされないよう、強力な中央集権体制を引く必要がある。
つまり大陸の席巻だ。

残る大勢力は広大な大陸西部を治めるアルナス汗(ハン)国に、南東部のエルフメインのパーサの民。
今度のターゲットはこれら両国であろう。
パーサの民は温厚だが、アルナス汗国はモンゴル帝国がモデルなだけあって好戦的。
今はこれらと仲が良く攻め込まれる心配も殆ど無いが、そのうち勝手に同盟を切ってくると思われる。
来るべき決戦の為、今のうちに戦力を要所に配置しておこう。

決戦と言っても最も強力なムクガイヤ軍と魔王軍は既に滅びているので、後は消化試合だろうが…