2022/10/07

日本は日本の戦争責任を問うカイロ会談などものともせず、着々とアメリカ本土上陸作戦の準備を進める。
5か月という、戦争中にしてはあまりにも贅沢な時間の使い方をし全艦隊を新調。
一方全ての機動艦隊を失った連合軍は組織的反抗が不可能となる。
その恵まれた国力を生かしちまちまと戦艦や空母を建造し進発させるが、その都度日本の基地航空隊に各個撃破される。
そして時は来た。遂にアメリカ本土上陸作戦――逆ダウンフォール作戦を開始する。
残る基地はサンフランシスコとロサンゼルスなのだが、西からどちらか一方を攻めるともう一方の基地航空隊に挟撃される。
なのでロサンゼルスに狙いを定め、南回りで攻めることとする。

やり方はハワイ攻略戦と変わらない。
まず夜中に空撃の準備をし、夜明けとともにアウトレンジから空襲、昼の間に直掩機を出しつつ艦隊を相手基地へ進行させる。
そして日が暮れれば空撃準備、空襲、進行を繰り返し、相手の反撃能力を失わせたら上陸戦だ。
ハワイ攻略戦と異なるのは、今回は第二艦隊以下もロサンゼルス攻略に参加させていることだ。
なので疲労度はハワイ攻略戦よりかは下がらない。
疲労度が100になると艦隊消滅のようなので、この点楽である。
こうして全艦隊の総攻撃を受けたロサンゼルスはたまったものではなく、陥落。
日本軍全艦隊がロサンゼルスに入港し、一息付く。
連合軍最後の海軍基地はサンフランシスコ。
ここから基地航空隊がロサンゼルスを取り戻すべく来襲するが、日本軍は新鋭戦闘機500機を既に配備している。
カトンボのように叩き落され、こちらが攻めることも無く相手の基地航空隊の在庫もすっかり減ってしまった。

第二艦隊以下に配備した軽空母隊が一足先にサンフランシスコに空撃するが、それにすらタジタジだ。
なけなしの空母や戦艦も撃沈されていく。
そして本隊が動き、留めを刺す…と思いきや。

これまた第二艦隊以下の弱小駆逐艦艦隊により、最後の基地サンフランシスコはあっさり陥落してしまう。
弱小と言っても駆逐艦もすべて完全修理しているので、その能力は全て巡洋艦並。
誠に恐ろしきかな日本軍。
かくして、母港となりうる港が全て陥落した連合軍。

大日本帝国はここで大戦の終結を宣言する。
この世界では、カイロ会談から始まるポツダム宣言は敗者の戯言。
大東亜会議こそが正史とされ、サンフランシスコ平和条約ならぬ、横須賀平和条約あたりが締結されるのかもしれない。
その後、ソ連をはじめとする共産圏とのイデオロギー対決はどうなるか。
国内事情もどうか。何かと独り相撲の関東軍は健在であり、いずれ満州国が独立戦争を日本に挑むかもしれない。
欧州はズタボロだがアメリカの国力は当然ゲーム中のような手ぬるいものではなく、たちまちリベンジしてくるだろう。
早期講和などやはり無いのかもしれない…
と、ifの歴史に思いを馳せつつ、ゲームを終えたいと思う。
提督の決断 -完-
■感想このゲームはとにかくとっつきにくい。
直掩等の見慣れない言葉、何度も敵兵が復活する(ように見える)意味の分からない戦闘シーン。
信長の野望や三国志のセオリーに慣れていればいるほど面を喰らう。
だがシステムに慣れると、これほど面白いゲームは近年まれに見るのではないかと思う。
各基地各艦隊の索敵情報から敵艦隊のあたりを付け、敵の進行位置を予測し撃破。
空撃で名だたる敵空母をアウトレンジ攻撃。
戦略というあやふやな概念が具体的な手ごたえを持って味わえるので、脳汁がふんだんに出る。
確かに歴史シミュレーションとして見ると色々ツッコミどころはある。
1日で1000機以上の戦闘機を生産出来たり、それを1日で日本からガダルカナル島まで輸送出来たり。
(無論別の方法で距離や時間を演出してはいるが)
が、それがテンポの良さを誘い、このゲーム最大の面白さである、「当時基準の艦隊戦」という楽しさの純度を高めている。
些末なことはさておき、艦隊戦の戦略的な爽快感に振り切ったこのゲームの評価は、個人的には非常に高い。
慣れるまで大変とは思うが、機会があれば是非チャレンジしていただきたい傑作である。