2022/09/14

同盟軍最後の提督パエッタを倒したラインハルト。
すると…唐突にエンディングが始まった。
キャンペーン的にはまだまだマップが残っているのだが、同盟軍の提督を全滅させると強制的にエンディングらしい。
彼我の艦隊の損害が報告され、そして…ラインハルトと死んだはずのヤンの顔が並び、決戦の日は近いで締められる。
ヤンは生きていたのか!さすが魔術師である。
しかしビュコック爺さん見殺しにするのはヤンらしくもない。まぁトリューニヒトに軟禁されてたということにしておこう。
トリューニヒトというのは原作に出てくる、同盟軍の所属する自由惑星同盟のトップだ。
あらゆる政治家の悪い所ばかりを集めたような政治家で、同盟の悪いことは全部トリューニヒトのせいで片付くので便利だ。
それにしても随分簡素なエンディングだが、ネットを漁ってみるとある情報を聞く。
一番最後のキャンペーンシナリオまでクリアすればちゃんとしたエンディングが見られると。
何と。では真偽を確かめてみようではないか。
そこでパエッタを倒す前までロードし直し、敢えてパエッタを逃がす。
そしてパエッタに手加減を加えつつ惑星を制圧していく。
すると同盟軍は敗北を認め撤退するの報。そうして次のマップに移る。
因みにこの時点での時系列は外伝でいうレグッニツァ上空遭遇戦の前。
つまり本編の前日譚である外伝の更に前の戦いだ。
この時点で同盟軍はパエッタ残して全滅なので、その後の同盟によるイゼルローン要塞制圧などは当然無理なはず。
が、しれっとそうしたマップがどんどん繰り広げられる。
パエッタ一人でアスターテ会戦でボロ負けし、イゼルローン要塞を制圧し、調子こいてアムリッツア会戦を引き起こす。
パエッタ一人で。
凄いのかどうしようもないのかよくわからない。
そしてやはりアムリッツアでボロ負けし、反転攻勢に出た帝国軍は帝国要塞ガイエスブルグをワープさせイゼルローンと対峙。
これが最終シナリオだ。
因みにこのゲームはマップをクリアするたびに評価が下される。
ラインハルトは大体無双しているので提督レベルが1~3必ず上がる。
提督レベルは上がるほど士気と指揮できる直属艦隊の隻数が増える。
前者は高ければ高いほど先制攻撃できるようになり、後者はそれがそのまま攻撃力に繋がる。
荷物持ちのキルヒアイスも何だかんだ有能なのでやはりそれくらい上がる。
一方我らがパエッタはボロ負けしてばかりで、ボロ負けすると提督レベルが下がる。
というわけで、最終マップであるイゼルローン要塞奪還作戦では…

脅威のレベル1。
これはあらゆる提督の中でぶっちぎりの最下位であり、直属艦隊も300隻しか率いることができない。
この数はそこらへんの名無し艦隊指揮官と同じである。
一方ラインハルトはレベルが上がりにあがり、パエッタの2倍以上の780隻の直属艦隊を率いることができる。
このマップの目的はイゼルローン奪還だが、肝心のイゼルローンには原作で言う超巨大高火力波動砲のトールハンマーは無い。
ただ防御力が高いだけの要塞なので、そのままパエッタと一緒に押しつぶして終了。
こうしてまたもやボロ負けしたパエッタは…

無惨な戦績により、またもやレベルが下がる。
前人未踏のレベルゼロ提督爆誕。
同盟軍の人材不足もここに極まれりだ。
さて、ともかく最終マップもクリアした。
これで真のエンディングが見られる。
それは…!

ただのテキストだけであった。
どうしようもないオチを付け、ラインハルトは遂に宇宙を手に入れた。
戦いの趨勢が決した後は、パエッタをいじって遊んでいただけというむなしい勝利だ。
まぁ原作とは違いキルヒアイスは生きているので、ラインハルトはきっと良い人生を歩んでいくことであろう。
多分。
銀河英雄伝説 -完-
■感想このゲームは正確にはキャンペーン版であり。無印銀英伝の追加キットだ。
今のネットゲームでいうテキストパッチ程度の物であり、建て増し感満載のゲームであった。
しかしシステム自身はすでに完成されているので、やはり今やっても面白かった。
彼我の距離を測り、時には逃げ時には突っ込み相手に膨大な出血を強いる。
その描写も当時としてはかなり派手なSEで、戦略がハマり相手が次々と破壊されていく時の爽快感は半端ない。
このゲームを初めてやった時は銀英伝の存在すら知らなかったのだが、その気持ち良いゲーム性にすっかり魅了されたものだ。
ましてや銀英伝のコンテンツを殆ど嘗め尽くした現在、このゲームは当時よりさらに楽しめたと思う。
当時のPCで高度なAIはもちろん無理なのだが、システムの妙で敵前回頭し撤退と見せかけたインターセプト。
惑星の同時占拠、アスターテ会戦の如き三方向同時攻撃からの一点突破。
そうした原作さながらの展開に、余分なストレスを与えず、ただ敵を打ち破る爽快感に特化。
まさしく原作を読んでいる時の高揚感がそのまま体験できるのだ。
このシリーズは後年7作も続くのだが、そこまでのロングセラーになった潜在力を充分感じさせる、素晴らしいゲームであった。