伝説のオウガバトル (クエスト)

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■紹介
1993年3月、スーパーファミリーコンピュータ用にクエストより発売されたリアルタイムシミュレーションゲーム。
当時のコンシューマーゲームとしては非常に珍しいリアルタイムシミュレーションというシステム。
膨大な設定に裏打ちされた重厚な戦記物語と人間模様。
そして吉田明彦氏を始めとする優秀なスタッフによるリアルなグラフィック。
それらを組み合わせた本作は今なお語り継がれるほどの名作とされている。
細かいパラメーターの調整や攻略本が無いとほぼわからないベストエンドへの道などに、過渡期のゲーム性を感じさせる。
個人的にはそれは合わなかったが、愛してやまぬ程のファンがいるのも納得できる程に渾身の出来栄えなのは確かだ。

■評価
B

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Amazon→伝説のオウガバトル

伝説のオウガバトル 簡易攻略

■編成
・移動を迅速に行うため、全部隊大空属性にする(グリフォンかワイアームを入れる)
・町に戻って体力回復の手間を省くため、必ずクレリック系を入れる
・最低3部隊作る。
・第一部隊(解放部隊)…前衛:グリフォンorワイアーム 後衛:主人公+クレリック+適当
・第二・第三部隊(封鎖部隊)…前衛:グリフォンorワイアーム 後衛:クレリック+ウィザード×2

最終的には、
・解放部隊…前衛:コカトリスorワイバーン 後衛:主人公+ビショップ+ビショップorリッチ
・封鎖部隊…前衛:コカトリスorワイバーン 後衛:プリンセス(リーダー)+ビショップ+リッチ又はプリ+ビショップ+リッチ×2
・封鎖部隊は四部隊ほどあれば充分

■基本
・第一部隊で町を解放しつつ、第二・第三部隊は敵拠点近くまで一気に進みボスに接触しない範囲で囲み、ひたすら敵を倒す
・敵が打ち止めになったら第一部隊でボスにトドメを刺す。パーティー全体のレベルがその面のボスを越えないように
・あまりに敵のボスが第一部隊よりレベルが低い場合、第一部隊以外でとどめを刺す
・タロットは色々便利だが最低限ジャッジメント連発だけでラスボスまでOK(天使系ボスを除く) 

■序盤
・第一部隊(解放部隊)で町の解放・宝探しを行う
・第二、第三部隊(封鎖部隊)で敵拠点を封鎖
・敵拠点を封鎖する際には全体を取り囲むのでなく、扇形に取り囲み間を詰めた方が敵を漏らしにくい

■中盤
・宝探し用の部隊を作り、解放部隊は町の解放のみに専念する。パラメーターがすくすく伸びる
・封鎖部隊はもう1部隊増やす
・ドリームクラウンを拾っていたらアマゾネスに使いプリンセスにクラスチェンジ
・死者の杖を持っていたらゴエティックに使いネクロマンサーにクラスチェンジ
・ウィザードからゴエティックに育てるのは面倒だが、トリスタンをリーダーにし町に行けばゴエティックを呼び出せる
・死者の指輪を持っていたらネクロマンサーに使いリッチにクラスチェンジ
・7リーグブーツを大量に買い、町を敵に取られそうになったら封鎖部隊か編成しておいた予備の部隊に使いワープする

■終盤
・封鎖部隊を更にもう1~2部隊増やす
・ハイランドのマップは開放するとカオスフレームが下がる。ただし全部解放してもカリスマが高ければベストエンド可
・ラスボスはジャッジメント連発でOK。予備も兼ねて10枚くらい持って行き、エンプレスも3枚くらい持って行けば盤石。

■ドラゴンズヘブン攻略
・この面はカオスフレームやカリスマ、アライメントの多寡は関係ない
・なのでプリンセス+リッチ+ビショップ+コカトリスorワイバーンの部隊を作りひたすらレベルを上げ、ボスに突っ込めばOK

伝説のオウガバトル 12日目(最終回) 「真実の終わり(世界エンド)」

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完璧な情報統制をしてきた反乱軍は、相手を大虐殺したおかげで大量のアイテムを得る。
本来なら超レアアイテムのドリームクラウンも、死者の杖や死者の指輪もたらふく手に入る。
かくしてプリンセス+リッチ×2という超高火力パーティーで敵の最後の拠点を包囲し散々に屍を築く。

敵の予備兵がすべてなくなったところで、主要キャラが正義の前向上を述べボスに挑み…

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ラスボスもタロットカード・ジャッジメント3枚掛けで瞬殺。
最高に悪辣なパーティなのに、審判を下されたのは相手の方であった。

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そしてエンディングを迎える。
神聖ゼテギネア帝国は倒れ、トリスタン皇子を頂点とした新生ゼノビア王国が設立。
反乱軍の指導者hide子は国に残るよう頼まれるが固辞し、遥か北方の大国ローディス教国へ旅立つという。
そもそもの戦いの発端はローディス教国が仕掛けた南下政策による。
それに対抗するために生まれたのが神聖ゼテギネア帝国だが、これは悪の魔導士の思惑なども絡み結果的に倒された。
しかし本当の脅威は未だ健在なわけであるから、かの国の動向を探ろうというのだ。

だがここまでプレイしてきたプレイヤーなら分かるであろう。
本当に悪い奴は反乱軍のhide子である。
正体がバレる前のとんずらと見るべき。

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前回は血の色に染まっていた新生ゼノビア王国の空は、さわやかに青く晴れ渡る。
これから先晴れやかな未来しか無さそうな国だが、味方のランスロットたちは2年後死んでしまうという。
どうも最後までもにょもにょする。

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評価カードはワールド。
前回は塔という最低ランクのエンドだったが、これは最高ランクのエンドだ。

仏の顔で各地を解放する裏で、敵拠点を悪魔の如き大虐殺で封鎖。
死屍累々の果てに築き上げた新生ゼノビアもどうもあまり楽しい未来があるわけでもない。
それがこのゲームで最高の終わり方というのだから、なんともシニカルなゲームである。

伝説のオウガバトル -完-




■感想

名作名作と言われているこのゲームだが、どうも80年代後半のPCゲームの悪い流れを引き継いでいる気がする。

昔のPCゲームは長く遊べれば遊べるほど良いものとされ、故に経験値稼ぎも単調で膨大なものが多かった。
それの否定から、経験値稼ぎを否定するゲームが80年代半ばから増え始めた。

日本テレネットのアークスは経験値をマスクデータとし、ブレイングレイのラストハルマゲドンは経験値稼ぎを愚かとした。
その流れを受け日本ファルコムのソーサリアンはイベントに重きを置き戦闘での稼ぎは殆ど無くなった。
T&Eソフトのルーンワースに至っては経験値稼ぎすらない。
例えが古いのは、私がおっさんだからである。

無論ウィザードリィのように、経験値稼ぎ自体に面白さを見出したハクスラ的ゲームは既に80年代前半にある。
だがJRPGはストーリー性を付与してきたことで独自の進化を遂げ、それを長く引き伸ばす為に経験値稼ぎを強いた。
それの反省で経験値稼ぎを否定する流れが出来た。

その流れを引きずったのがこのゲームのような気がする。
とにかく露骨な経験値稼ぎは悪とし、それではベストエンディングに辿り着けないようにした。
しかし敵を完ぺきに封鎖殲滅虐殺する部隊を作ればそれを回避できる。
正義を執行するためには誰よりも悪にならないといけないのだ。
それがゲームとしてのコツと見るか、外連味と見るか、調整不足の穴と見るか。

コンシューマーゲームではこういったこじれたゲーム性は少なく、だから根強いファンが今でも居るのは分かる。
が、PCゲーム暦が長い私のようなおっさんからすると、少々辟易する流れであった。
一言で言えば、もっとスカッと気持ちよく楽しませてくれと。

もし私のゲーム遍歴がスーファミあたりから始まっていれば、思い出補正も相まって手放しで賞賛したであろう。
年は取りたくないものである。

伝説のオウガバトル 11日目 「アイテム集め」

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これまで以上に大虐殺を繰り返している反乱軍だが、情報統制が完璧にうまく行っており各地で英雄として迎えられる。

そして真のエンディングへの道である、三種の神器や十二使徒の証といったアイテムを集めるフラグが立ちまくる。
どこにどのアイテムがあるかはクリア後の探索でしか手に入らないものが多く、ノーヒントではほぼキツイ。
攻略本や攻略サイトが無ければ果てしなく難儀な道だ。
惑星メフィウスやハイドライド2のレッドクリスタルの時代ではないのだ(いちいち例えが古い)。
この辺当時でも時代遅れの設計ではないかと偉そうに思ってみるが、今の時代も現代版ドルアーガの艦これとかあるしまぁ。

というわけでいそいそと探していく。

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十二使徒の証という重要アイテムを全部集めた。
更にベストエンディングで必要と言われる三種の神器も集めた。

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トリスタンの母が死を賭して守り切った三種の神器の一つ、聖なる腕輪。
これがその一つだ。

各地の拠点を封鎖し情報統制を施した上で大量虐殺を繰り返す稀代の大悪党、hide子を信頼しきって託す。
託されてもらおうではないか。
正義の味方とはかくあるべし。




■現在の状況

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これまで町の解放と宝探しを二部隊でやっていたが、町の解放はhide子の部隊のみにするようにした。
重要な事情があるわけでなく、町を解放するごとに貰えるパラメーターボーナスを独り占めしたいだけである。

その結果全てのパラメータが最大になる。
バンザーイバンザーイ!
でもこの状態で無双しても悪人認定されるだけなので、相変わらず主戦場から離れ仏の顔を宅配し続ける。
悪人もこれはこれで大変なのである。

伝説のオウガバトル 10日目 「正義は勝つ」

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最初のプレイとはうって変わり慎重に情報戦を展開して行く。

解放部隊である指導者hide子は、女神のような顔で各地の教会や町を開放していく。
と同時に蒼穹を駆けるは、グリフォンの背に乗った鬼神の如き封鎖部隊。
プリンセスとリッチというリーサルウェポンで固められたそれは、神速で敵拠点を囲み、敵の部隊をことごとく切り刻んでいく。

たまにこの包囲網から抜け出して解放した町を再制圧する敵部隊がある。
するとカオスフレーム(民衆の支持率)が下がる。
きっと封鎖部隊の乱暴狼藉が漏れたせいであろう。

その場合、7リーグブーツというアイテムで速やかに予備部隊を投入し、敵部隊を口封じで殺していく。
完璧な情報統制である。
侵略戦争とはかくあるべし。

敵の部隊が打ち止めになるまで殲滅戦を繰り返し、そこらへんを解放し終わったhide子は封鎖部隊の裏に待機。
そして敵部隊が打ち止めになったら堂々と入城。
拠点で怯える極悪の親玉に、純白の聖乙女hide子は正義の鉄槌を下し、かくて民衆は救世主の降臨を涙を流して喜ぶ。

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拠点に捕らわれていたのは、神聖ゼテギネア帝国の中核をなすハイランドの誇り高き騎士デボネア。
彼はこの愚かな戦争を止めるべく女帝エンドラに諫言し、逆に捕らえられてしまっていたのだ。
それを救ったのがhide子の軍隊。

かつてhide子はデボネアに言ったものである。正義があるのは我が反乱軍か、エンドラ率いる帝国軍か。
デボネアは反省する。自分は間違っていた。本当の正義はhide子軍にあると頭を垂れ、わが軍の麾下となる。

おわかりいただけたであろうか。
これが正義だ。
正義とは、作るものなのだ。
やべーゲームだこれ。




■現在の状況

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レベルは常に各マップ毎のボス以下に抑えるようにし、カリスマとアライメントを制御している。
そしてその(表向きの)人柄をもって各地を解放して回り、民衆の支持を得つつ、タロットカードでステータスもアップ。
かくして大してレベルが上がっていないのにかかわらず、初回プレイとは段違いのステータスを誇る。
まさしく正義は勝つ、なのである。