火の鳥 鳳凰編 我王の冒険 (コナミ)

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■紹介
1987年1月、ファミリーコンピュータ用にコナミより発売されたアクションゲーム。
手塚治虫の漫画「火の鳥鳳凰編」の映画化に合わせてリリースされたが、原作のような難しい話は無い。
が、太古から末世まで時を越えて旅をするのはまさに原作の根底をなぞっており、雰囲気としては悪くないと思う。
武器がノミ、鬼瓦で足場は障壁を作りつつ先に進むという一見複雑なゲームに見えるせいか、ヒットした話は聞かない。
だが体力全回復アイテムがそこかしこにあり、慎重に進めば死ぬ要素も激減。
当時アクションゲームならば難関であるべきな風潮があったこの時代のゲームにしては、かなり遊びやすい。
しかしぬるいわけでもなく、大胆に進めばリスクも跳ね上がる分軽やかに進む爽快感は他ではなかなか味わえない。
総じて非常に丁寧に作られたアクションゲームと言ってよい。

■評価
A-

プレイ日記はこちら
簡易攻略はこちら
Amazon→火の鳥 鳳凰編(原作)


火の鳥 鳳凰編 我王の冒険

火の鳥 鳳凰編 簡易攻略

■操作のコツ
・慣性が結構きついので、ジャンプ先のすぐ近くに穴がある場合はブレーキがてら鬼瓦を作る(↓+B)と良い
・↓+A(ジャンプボタン)連打で足元を掘れる(掘れる地形の場合)

■ボスのコツ
・基本はダメージ上等で近寄って射程内に入って連打
・敵を吐き出してくるタイプはあらかじめ鬼瓦で階段を作って避ける、射出口を鬼瓦で囲む等、封殺できる者も多い
・岩が上から降ってくるところは鬼瓦を潰される場合が多いのでとにかく速攻

■ルート
(1行まとめ)
・大和1・2・3・4・5・6・7・1→来世1・2・3・4・5・1→太古2・3・1・2・3→大和8

(詳細)
・大和1から大和7まで順にクリア

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・大和7をクリアすると再び大和1から始まるので、我王人形がある所のワープゾーンに入る(上の写真の位置)
・来世1に出るので、そのまま来世5まで順にクリア

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・その後再び来世1から始まるので、壊れたつり橋直下のワープゾーンに入る(上の写真の位置)
・太古2に出るので、そのまま太古3まで順にクリアし、更に周回して太古1・2もクリア

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・太古3ラスト近くのワープゾーンに入る(上の写真の位置)。火を吐く敵が際限なく来るので注意
・大和8に出るので、それをクリアすればエンディング

■役に立つアイテム

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・1UP(大和1を道なりに)

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・1UP(太古2の岩場)

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・ブーツ(太古3最初の氷山)…氷の上でも滑りにくくなる

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・コナミマン(大和3の画面左の宝箱)…鬼瓦ストックが99になり体力も回復。
・取り方は右の鏡を取ってから左の小部屋に入る。あらかじめ上のように鬼瓦を置くと慌てなくて済む
・出る時は光状態のまま壁に入りジャンプボタン連打で脱出が安定

火の鳥 鳳凰編 4日目(最終回) 「時を越えて」

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本日のプレイは誠に調子よく、全てのステージを回っても二人くらいしか死なず。
このゲームはやたらエクステンドするので、最終ステージの大和8(上の写真のステージ)に入った時点で我王が6人くらいいる。

これは余裕だろう!ということでいよいよ最後の戦いだ。

ここは大和ステージのループ外にあり、一定の所からワープしないと入れない。
これまでの大和ステージが原作準拠の奈良時代っぽいのに対し、このステージだけは地球創生か地球滅亡か。
文明のかけらも何もない。
ひょっとして火の鳥未来編の一部を見てるのだろうか。
原作火の鳥は猿田(我王の前世・後世)を億年単位でいじめるくらい宇宙一サドな鳥なので、この位のことはするだろう。

しかしここは他の大和時代と同様、ホーホー鳴くフクロウ?ややたらアグレッシブなキツネや投身自殺しまくる人間は居る。
彼らの正体は大和時代のそれと同様でなく、末世でも生きられるムーピーなのかもしれない。
原作を読んだことのない人にはさっぱりのテキストである。

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そんなわけでラスト。
上から降ってくる岩が足場を壊すので、壊し尽くされる前に鬼瓦を作ってひょいひょい飛び渡る。
これと同じ形式の所は他の時代にもあったのだが、今回はラスト補正なのかたまたま運が悪いのか、非常に難しい。
よりにもよって足元に作った鬼瓦の所に岩が落ちてくるのだ。
その為なんと、ここで6人中5人の我王が死亡。

さすが火の鳥、サドである。
だが最後に残った我王が遂に…

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最後の欠片を取り戻し、版画を完成させる。
完成したその姿はまさに火の鳥。
その火の鳥は実体化したのか、あるいは版画が完成したことで太陽で眠っていた本物の火の鳥を呼び起こしたのか…

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巨大な火球から火の鳥が飛び出て、遠くへ去っていき、やがて消える。
時を越えたのだろうか。

火の鳥に空間や時間の概念は無い。
時を越えたとしても、またもやその世界で我王に連なる血統の鼻でか男をいじめまくっているのであろう。
誠にどうしようもない鳥である。

火の鳥 鳳凰編 -完-




■感想

小学生時代に駅前のスーパーでクリアしたこのゲーム。
おっさんになった今でもクリアできるかと思ったが、さすが昔取った杵柄。何とかクリアできた。

いま改めてやり直してみると、下手くそは下手くそなりに慎重に進めばそれなりに進める。
上手くなればなるほど、足元にぱぱぱっと足場を作り、軽やかに進むことができる。
穴に落ちそうになっても、反射神経次第で足場を作って生存も出来る。
どんなプレイスタイルにも対応した、非常に奥の深いゲームデザインではないだろうか。
思い出補正大きすぎる気もするが。

この当時のファミコンゲームは火の鳥ほど甘くはない。
ファミコン版オバケのQ太郎なんぞは高射砲の如き犬の遠吠えで1面をクリアするのも至難の業だ。
それが当たり前だったのだが、このゲームが出た1987年はイースはじめ、難しさから優しさに徐々に移行する時代だった。
そんな時代を先取りした所はやはりコナミ、老舗の貫禄と言うべきか。時代の潮流ををよくわかっていると言えよう。
と思ったらそのあとに出た魔城伝説Ⅱ大魔司教ガリウスはちびっ子が裸足で逃げ出す難易度だったので気のせいだな。

ちなみに冒頭で書いたように、小学生時代の私は自転車で10キロ離れた駅前のスーパーでこのゲームをしていた。
が、やがてそのスーパーにも行かなくなった。
別に大人になったからと言うわけでなく、この火の鳥の後に入ったゲームが…

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バツ&テリーだったからだ。
クソゲーと言う言葉がまだポピュラーではなかったこの時代。
ただひたすら得体の知れない不気味すぎるこのゲームを前にして、平常心を保つことは困難である。
腰を抜かしながら家まで逃げ帰ったのであった。
機会があったらこのゲームの日記もそのうちやりた…無理。

火の鳥 鳳凰編 3日目 「あと1枚…なのだが」

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前回太古面でゲームオーバーになってしまったので、慎重に進めていく。
どうも来世・太古面はHPの最大値を上げる貝殻がいやらしいところにありまくりなので、リカバリが大変。

ならばいっそ敵と戦わないのも手だ。
というわけで上の写真のように画面上部の縁の更に上をてくてく進む。
スーパーマリオでよく見る光景である。

だいたいの所で縁歩きは便利だが、大和7のボスの場合、良い気になって縁歩きしてると攻撃手段がなくなって詰む。
詰んだらセレクトボタンで自殺だ。子供向けゲームなのに自殺ボタンとか教育に悪い気がするのだが。

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あとコツとしては、ジャンプした後に穴の手前に来たときは、上の写真のように鬼瓦を置くと良い。
慣性が付いているので鬼瓦がブレーキ代わりになるからだ。
このやり方をマスターすると死亡確率が激減するので、安全運転したい場合はおススメである。

無論慣れればトビ職人のようにホイホイ進んでもいい。
穴に落ちそうになったら←↓→連打+Bボタン連打で瞬時に左右下に床を作ればOK。
だが激しく高等テクニックなので素人にはお勧めできない。

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というわけで残り一つ…なのだが、太古面を一周して再び氷河面に入ったらつるつる滑って穴に落ちてゲームオーバー。
ただでさえ慣性付きまくりの我王なのに、氷河面はその上さらに滑る。シューズを取っても滑る。
このゲームの我王は一瞬で鬼瓦を作る凄腕の彫刻師なので、スパイクシューズも作って欲しいところである。

火の鳥 鳳凰編 2日目 「来世から太古へ」

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前回ゲームオーバーになった来世ステージだが、慎重に進むことで来世ラスボスまでたどり着く。
とはいえこのゲームのボスは大抵密着してノミ連打なのでどうとでもなる。
来世のラスボスの正体が(当時の)コナミマークと言うのが深い意味があるのかもしれないが、たぶん無いだろう。

来世ステージは全般的に妙な位置に敵が出ることが多く、よくぶち当たりやすい。
このゲームは敵の出現場所が決まっており、そこに来ると足元が何も無かろうとひたすら投身自殺を繰り返す。
その他狭い間にはまり込んでプルプルしたりと、非常に人生観に疑問のある思考ルーチンの敵ばかりだ。

なので体力が尽きそうになったらおそるおそる進むのがセオリーだ。
慣れてくればどこでどんな敵が出るのかわかるので突っ込むと良い。

さて、来世もクリアしたので、残すは…

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太古ステージ。
氷河期で氷漬けの世界なのにぴょんぴょん跳ねまくるイキの良すぎる爬虫類が気になる。
ここは氷だけあってただでさえマリオのようにつるつる滑りまくる我王がさらに滑る。
が、上の位置にある靴を取ると多少は良くなる。ちなみに下への掘り進み方は下+ジャンプボタン連打だ。
この操作は来世から太古にワープする際にキモなので覚えておくべし。

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今回は火の鳥の版画はここまで集まった。
本来ならクリアしそうな勢いだったのだが、これは余裕じゃんと思っていたら木の上から立て続けに3人滑り落ちて死亡。
慢心ダメ絶対と良弁僧正(我王の師匠)なら言うであろう。
このゲームには当然の如く毛ほども出てこないが。