ガンダーラ 仏陀の聖戦(エニックス)

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■紹介
1987年、エニックスより発売されたPC用アクションRPG。

PCゲームの黎明期を支えてきた槇村ただし氏が原作・グラフィック、もはや語るまでもないすぎやまこういち氏が音楽。
そして神プログラマーの日高徹氏がプログラム・構成担当という当時としては最強クラスの布陣で制作。

人間界だけでなく六世界全てを駆け回り解放するという壮大な冒険。
今から見ても珍しい仏教の世界をゲームで描くという異色な世界観。
おおよそ売れない要素はない…と見られていたのだが、その1か月後に発売されたイースと全てを比較されてしまった。

商業的に成功したかどうかはわからないのだが、そのインパクトは絶大であった。
やったことは無いけど聞いたことはある、お小遣いをもっと貰ってたら買ってたかもしれない。
リアルタイムに生きてきた人であれば、このゲームはそんなゲームの代表格かもしれない。

やたら移動が遅い上に移動が長いというネガティブ意見が散見されるが、そこはまさに仏になった気分で挑むべし。
心を広く持てば、クロック数が低くても殆ど処理落ちがしないプログラムコードは沙羅双樹の如き美しさ(多分)。
解放し誰も居なくなり静まり返った広大な世界をひた走る気分は涅槃寂静なのである。

■評価
B

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簡易攻略はこちら
Amazon→ガンダーラ 仏陀の聖戦 MSX2 FD GANDHARA


すぎやまこういち ゲーム音楽作品集

ガンダーラ 仏陀の聖戦 簡易攻略

■基本
・斜めの細道では戦わない。敵の攻撃範囲が体長と同じなのに対しこちらは細い剣のみであり、一方的に攻撃を受け易い
・月光石はある程度所持していないと次第に減り、一定以下になると周りが見えなくなる。ダンジョン突入前に20は欲しい
・仏薬は常にキープしておく
・法力はSHIFTキー長押しで長い距離を飛ばせるが、接近していれば長押しでなく連打気味にしたほうが連続で当てられる
・ダンジョンは入りなおすたびに大部屋の敵が復活する=何度も鍵や水晶を採れるので、いくつか貯めておくと楽
・各世界のボス(邪神)は必ず法力を複数回当て、動きを止めてから(=邪神の体の色が点滅)弱点を数回突く
・菩提樹での回復、ストーパでの納骨はそれぞれの正面で5キーを押す
・沢山レベルアップしても不動明王から貰う装備で強制的にパラメーターが戻るので、レベルは必要最小限だけ上げる
・法力の回復は人間界・修羅界。安い食料品屋は地獄界。解毒剤は餓鬼界。(レベルに応じた)袋屋は畜生界
・餓鬼界以降毒薬を落とす敵が増えてくるので、新しい世界に行く前に最低10個、出来れば20個は欲しい

■各世界での立ち回り方
(人間界)
・菩提樹が多いので敵をかたっぱしから倒しつつ次の菩提樹を目指す
・食料は割とすぐ切れ人間界を解放するまで買えないので、それまでは腹をすかせたまま戦う。それを見越したHP管理を
・ダンジョンにたどり着くまでが大変なので、ダンジョン近くの菩提樹でレベルアップするか、ダンジョンでレベルアップする
・ただしダンジョンから菩提樹に戻るまで火山地帯を通らねばならず結構ダメージを喰らうので、最低HP500は欲しい
・邪神の弱点は雷神の雲の部分
・人間界を解放したら、必要な仏薬は北西の病気の老人・盲目の学者・少女の3つ
・買えない場合はバイトをするしかないがかなり単調作業なので、出来れば世界解放まで2000くらいの金は欲しい
・盲目の学者から祈りの言葉を聞いたら、もう一度ストーパで祈ること。すると画面少し上に赤い服の少女が出現する
・位を授けてくれる仏の場所は南の崖の岩でふさがれたところ。北西の老人に仏薬を渡していれば開けてくれる

(地獄界)
・冥府魔道を出てすぐの広いところで2レベルほど上げてから探索するとかなり楽になる
・食料品は地獄界の店の方が安く買える
・袋売り屋もあるので忘れずに買っておくこと
・邪神の弱点は体の下側
・位を授けてくれる仏は西側の岩を剣で突く

(餓鬼界)
・冥府魔道を出てすぐの広いところで2レベルほど上げてから探索するとかなり楽になる
・病気の鬼のために仏薬を持っていく。羽衣をくれる
・解毒剤を必ず満タンまで買っていく
・邪神の弱点は体を開いたときに見せる舌。体を開いていないとダメージを与えられない
・位を授けてくれる仏は北側の岩に法力を当てる

(畜生界)
・病気の鬼のために仏薬を持っていく。太陽石をくれる
・ここの袋屋は位に応じて袋を替えてくれるので、今後も何度か訪れることになる
・地表はかなりきついので、太陽石をもらったらとっととダンジョンに潜り目玉の敵を探そう。ただしかなり奥にいる
・目玉の敵が出るところは必ず無限に湧く箇所があるので、そこで6レベルほど上げるとかなり楽になる
・目玉の敵は高確率で蓮華を落とすので、それで体力を回復させつつ戦えば永久機関となる
・ただしこちらがまだ弱いと蓮華の回復も間に合わない場合があるので、1~2レベル上がるまで蓮華を落とさなければロード
・邪神の弱点は頭。下側におびき寄せて法力で動きを止めてから上に潜り込む
・位を授けてくれる仏は北側の火山に法力を当て点滅させてから剣でつつく

(修羅界)
・地表がかなりきついが、目玉のいるダンジョンまで遠い。まずは地下通路までたどり着き、そこでレベル上げ。菩提樹も近い
・ダンジョンはかなりややこしいのでマッピングを。そのかわり目玉の敵が出る場所は比較的近く、そこで6レベルほど上げる
・邪神の弱点は手に持つ左右の玉。
・世界解放後、病気の霧天王のために仏薬を持っていく。古文書をくれる
・位を授けてくれる仏は世界解放後に会える
・古文書を持ち人間界の考古学者を訪れ、南の仏から天上界に上るための祈りこの言葉を聞き、羽衣を持っていれば天上界へ

(天上界)
・地表の敵はかなり強いので、とっとと地下通路まで行こう。そこでレベル上げしつつ北側の菩提樹で回復しつつ
・8レベルほど上げれば地表の敵も大して問題なくなるのでじっくり探索。竜王は必ず助けダブル法力の指輪を貰う
・邪神王の弱点はくちばしより右側にある爪の先。倒すと心臓が残るがさっぱり強くない

ガンダーラ 15日目(最終回) 「迦楼羅」

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天上界のダンジョンを進むシッタール。
この奥に、これまでに倒してきた邪神達の王がいる。
仏陀の生まれ変わりを探すプランを練った阿弥陀如来をもその力で封印したという、最強の邪神・迦楼羅だ。

ここのダンジョンは二重の渦巻き状になっており、最初に下側の道を行けばあとは一本道なので迦楼羅にたどり着ける。
ただし鍵が足りない場合もあるので、その時は上ルートで補充するなりしたほうが良いだろう。
途中、体力回復アイテムなどが置いてあるだけの倉庫のような部屋もあるが、そのためだけに鍵を使うのは勿体ない。
余計な部屋の扉を開けてしまったらセーブロードを繰り返してやり直してもいいと思う。

そうしてついに迦楼羅の間にたどり着く。
ラスボス戦である。
最近のRPGならば前口上として、正邪がどうしたとか人間こそが真の悪とかそれらしい哲学を述べたりするものだが…
「褒美として食ってやる!」というまるで小物臭い口上なのがこの時代のゲームらしくて実にいい。

迦楼羅はラスボスらしく羽根をバサバサして光の矢を複数飛ばすという、中々かっこいい攻撃をしてくる。
だがここまでレベル上げしていればそう痛くもない。強引に法力を展開して迦楼羅の動きを止めて弱点を突こう。

ちなみに迦楼羅はすべての邪神の王という触れ込みだが、彼の弱点もしっかり人間界に知られている。

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もっとも鋭いところが弱点だという。
人間界の諜報網おそるべし。

ただ鋭いところというのがポイントで、くちばしかな?と考えてしまうところだが…

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実際はくちばしより右にある場所…つまり爪先が弱点だ。
この辺悩みそうなところであるが、ここまでレベル上げをしていればそう簡単に死ぬことは無い。
攻撃を喰らいつつおかしいな?ここかなここかな?とやっているうちに相手はいつの間にかくたばっているであろう。

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迦楼羅を倒すと、今度は本体の心臓が出てくる。
だがこいつはひたすらキャーヤメテのごとく法力をやたらめったらぶっぱなしてくるだけなので、かまわずぶすぶすしよう。
これで邪神の王・迦楼羅はついに消滅する。

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かくして六つの世界を救ったシッタール。
それこそはまさに仏陀にしか成しえない奇跡であった。
仏陀を探すために地上に降り、志半ばにして散った虚空蔵菩薩。その志はこうして遂げられたのであった。

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ダブル法力の指輪というものを迦楼羅の元から盗み出したこの竜は、その功績を認められ立派な姿にしてもらう。
小さいころにこのゲームをやっていれば、よくやった!エライ!になるのだが、よく考えるとこれは盗人猛々しいというやつでは…

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新たな仏陀となったシッタールは竜に乗り、六道よりもさらに上位の世界・仏界へ旅立ち、この世界のすべてを治める力を得た。
めでたしめでだし…というわけなのだが、よく考えると迦楼羅派と阿弥陀派の利権争いに体よく利用された気がしないでもない。
こんなツッコミしかできないおっさんにはなりたくないものである。

ガンダーラ -完-




■感想 

このゲームが発売された約1か月後にイースが発売され、ともにトップビューARPGだったために色々比べられてしまった作品。
見た目は圧倒的にこちらなのだが、操作性はスピード感、爽快感やギミックはイースの方に軍配が上がる。
描き込まれたグラフィック内での旅を堪能させたかったのかもしれないが、のろのろ歩きの移動シーンが多いのはやはりつらい。

のろのろ歩きといいつつも、終盤になって様々な敵が様々なエフェクトで暴れまくる中でもゲームスピードは全く変わらない。
なのでこのゲームのプログラム技術は非常に高いのだが、それを堪能できるのはあまりにも先すぎた。

かようにイースに比べ全体的に時代遅れと見られてしまう本作。
だがイースのコピーである「優しさ」も、実際は狙ったものではなく、ボリューム不足を隠す為の苦肉の策の言葉という話もある。

80年代半ばまでのゲームは、理不尽な移動・レベル上げ・謎による多大なストレスの果てに掴むゲームクリアという安息。
そのギャップをどれだけユーザーがぶち切れる寸前のレベルまで大きくするかを、ゲームの面白さとしていた。
ガンダーラも基本的にはそれを踏襲しつつも、レベルアップのしやすい場所があったりとある程度救済措置も多い。
レベル上げもあるにはあるが、これまでのゲームと比べればそう厳しくない。
逆に無意味なレベル上げを否定している本作のシステムは、これまでのゲームの悪いところを良く調査し学んでいると感じる。

つまりイースを瓢箪から駒的な異端のゲームとすれば、ガンダーラはこれまでのゲームの正統進化系とも言える。
よく言えば、安心感があるのだ。

80年代のゲームを語るときは、この安心感が結構重要だったりする。
80年代とは、高度経済成長の終焉による漫然とした不安から軽佻浮薄のバブル時代に至る、どことなくフワフワした時代。

イースがバブルの夜明けとともに生まれたゲームとすれば、ガンダーラは高度経済成長の黄昏に生まれたゲーム。
どちらもほぼ同じ時代に出たゲームなのだが、評するとすればこう評せざるを得ない。

おわり

ガンダーラ 14日目 「絶望と希望の狭間に浮かぶ天上界」

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シッタールの冒険もいよいよ最後。
残すは天上界だ。

天上界に行くには、仏の言葉で大怪鳥を称える祈りの言葉が必要。
仏の言葉なら仏に聞くがよい、ということで人間界南方にいる大日如来から話を聞く。
曰く、大怪鳥というのは天上界に住まう、龍を喰らい336万里の翼をもつ大悪神・迦楼羅(カルラ)のことだという。
これこそが仏の最大の敵、すべての邪神の王であろう。
迦楼羅を称えねば天上界に行けぬということは、天上界はすでに迦楼羅のお膝元というわけだ。

シッタールは人間界北方にある須弥山の頂上に上る。
そこは人間界と天上界を繋ぐ門。
羽衣をまとい、祈りの言葉を唱え、シッタールはついに天上界へと昇る。

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そこは美しき雲の世界。
功徳を治めつくした人間が最後に到達する希望の地…のはずだった。
だが、今やこの世界は邪神の王に支配された、絶望の地になっていた。
敵も中々にやっかいだ。
右側に居る竜は大きな火球を吐いてくるのだが、これまでの世界のガスや竜巻と違い滞在時間がエライ長い。
しかも攻撃力が段違いでありまともに突っ込むと甚大なダメージを喰らう。
さすが最後の戦いの地なだけであって、敵の強さも半端ない。

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このウクレレを持った高木ブーの雷様みたいなやつがおそらく最強の敵であろう。
突然前触れもなくワープして寄ってきてボコボコに殴ってきて去るはた迷惑な奴だ。
彼以外にも法力をやたら撃ってきたり、毒薬をポロポロ落とす敵も数多い、
ここまで来て毒薬切れは補充がかなりめんどくさいので、できる限り地上では戦いたくないところだ。

…とはいえ、実は天上界は修羅界に比べてずっと楽なのである。
なぜならば…

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すぐ近くに地下通路があり、入ってすぐの上の写真の位置で攻撃し続けていれば、敵を延々と倒すことができるのだ。
上の目玉蝙蝠のような敵がそれで、地上の敵と違い特殊攻撃はしないのに経験値はなかなか高い。
蓮華などのHP回復アイテムは落とさないが、この地下通路を出てすぐ北に菩提樹があるのでその点は問題ない。
ここで一気に7レベルほど上げてしまえば捜索も戦闘もぐっと楽になるであろう。

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地上の捜索を続けると、地下洞窟で竜に出会う。
地上をうろうろしている竜の眷属であろうが、竜ということは迦楼羅の餌でもある。
そんな生活いやだということで逃亡したいので資金と食料をくれということだ。
ここまで来るともうお金も食料も全く困らなくなっているので、ホイホイと渡してあげよう。
するとお礼として、迦楼羅の元から逃走するどさくさに紛れて盗み出したダブル法力の指輪というものをくれる。
邪神の王迦楼羅は通常の法力は通じず、この指輪を持ってしか対抗できないという超重要アイテムだ。
変な眉毛をしているくせに出来る男である。

この世界には他に寺院がいくつか点在しているが、そのすべてが迦楼羅を倒すまでは訪問できなくなっている。
レベル30程度までレベル上げすれば、迦楼羅を倒すのに十分な力を得たことになるので、最後のダンジョンに突入しよう。
すべての世界が解放されるまで、あとわずか…!

ガンダーラ 13日目 「阿修羅王」

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修羅界の邪神を倒すためにダンジョンへ赴く。
ダンジョンの敵は毒や法力などの特殊攻撃は一切行ってこないので、地表よりよほど安全だ。

上の箇所のように大きな目玉が延々と湧いて来るポイントさえ見つかればドロップアイテムの蓮華によりHPも万全。
修羅界のダンジョンは六道世界の中で最もややこしいが、このポイントさえ押さえればここを拠点に少しずつ進めればいい。
このポイントを見つけられなければ…死ぬしかないかも。

他のダンジョンは目玉が出てくる箇所がかなり奥にあるのに対し、このダンジョンは結構近いのが救いだろうか。
セーブロードを駆使しつつこのベースキャンプを探すのもいいだろう。
目玉だらけのベースキャンプというのもどうなんだ。

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レベルを6ほど上げたらもうこのダンジョンで死ぬ要素もほとんどなくなるので、邪神討伐に赴こう。
ややこしいダンジョンの奥深くには、この世界の邪神・阿修羅王がいる。
とても強そうであるが、ラスボスの弱点すら人間界に広く知れ渡っているこのゲーム、当然彼の弱点も筒抜けだ。
阿修羅王は二つの命を持つという。つまり彼の手が左右に持つ二つの玉が弱点で、これを突けばおだぶつだ。
大切なものなのに見せびらかすから…

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阿修羅王を倒し仏舎利壺を取り戻しストーパに収め世界を解放すると、引きこもっていた地下洞窟の住人と出会える。
それは病の霧天王。敵キャラとしては最強格であるが、その彼も病には勝てなかったようだ。
死を覚悟する霧天王であったが、病気の者とは戦わない信念のシッタール。さすが毒薬を拾い飲みする男は度量もでかい。
病の霧天王を仏薬で救うと、お礼に古文書をくれる。
古文書といえば…

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人間界のこの人だ。
読んでもらうと、どうやら最後の世界・天上界に上がる条件が記されているという。
その方法は羽衣をまとい祈りの言葉を言うことであるという。
羽衣は…持っている。祈りの言葉は…知らん。
考古学者によると、祈りの言葉とは天上界にいる大怪鳥の名を仏の名前で称えるというものらしい。

人間界には普段何をしているのかどうかよくわからない、ただ座っているだけの仏がゴロゴロ居る。
彼らに聞けば何かわかるかもしれない。
最後の戦いまで、あと少し…!