エリア88 一角獣の軌跡(ファミリーソフト)

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■紹介
エリア88を題材にしたPC98用ソフトである。
当然の如くもうどこにも売っていない。
知る人ぞ知る、3D技術に定評のあるアルシスソフトがフライト部分を担当しており、当時のレベルとしてはかなりぐりぐり動く。
そしてこのゲームの一番の特徴は、多少端折りながらもエリア88原作のほぼ全編をゲームとして楽しめるところがある。
まさかバンバラ編まであるとは…
シナリオも原作で名高い全滅エンドもあればハッピーエンドもありで、製作者側の愛が伝わるのも嬉しい。

■評価
B+

プレイ日記はこちら
簡易攻略はこちら
Amazon→エリア88 1

エリア88 一角獣の軌跡 簡易攻略

■序盤
・搭乗機は買い替える必要はない。ウルフパックが攻めて来た時に手に入るクフィールで中盤まで戦える
・任務は基地攻撃任務がおススメ。地上物もすべて壊せば1回の出撃で3万ドル稼げる
・武器は空対空兵器のスパローかフェニックスミサイル、空対地ミサイルのマベリック。ボムは非常に使い辛いので買わない事
・戦闘の時は、ロックオンしミサイルを打った後一旦機種を傾けるなどしてロックを外せば次の敵に連続でロックできる
・砂漠空母はマベリック一発で果てる。よわい

■中盤
・砂漠空母の後にF-20タイガーシャークを購入できる。出力もそこそこで使いやすい。終盤までこれでOK
・F-15イーグルは加速がすごいが凄すぎて砂漠にぶち当たりやすく、武器もどっちつかず。玄人向け
・プロジェクト4のマックバーン隊が威力偵察してくるが、彼らは作中最強。下手に攻撃せず僚機に任せよう
・アスラン陥落時残るかフランスに亡命するかで分岐

■終盤
・敵B-1がエリア88に核を落とそうとしてくるが、攻撃し続けていれば落とさない。バルカン粘着しよう
・ここまで来ると敵もかなりミサイルを避けるようになる。肉薄しバルカンが一番確実
・アスラン王宮でうろちょろしている神崎を撃ち殺すか否かで分岐。撃ち殺さないと原作エンド
・最後に搭乗する機体はF-20タイガーシャークがおススメ。なぜか最終戦で耐久力が異常に高い

エリア88 おまけ 正史ルート

98版エリア88は前回のハッピーエンド?ルートで終わりましたが、
エリア88の真骨頂は漫画史の歴史に残る全滅エンド

このルートもしっかり再現されているのでやってみようと思います。

アスラン王宮で神崎を不意打ちせずに呼びかけると…
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神崎に撃たれるシン。原作通りである。

そしてアスランから脱出するプロジェクト4残党をせん滅するミッションが始まるが…

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あまりに数が多く敵機と接触するウォーレン。脱出装置は…効かない。
ウォーレン死亡。

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キムが追い詰められている所をケンがすんでの所で救うが、彼の機体は既にボロボロであり…
ケン死亡。

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キレるキム。
しかしまだまだこれで終わらないのである。

ミッキーがセラをかばって不時着。
ハッピーエンドルートではそれで特に問題ないが、正史ルートでは不時着時トムキャットに火災が発生し…
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ミッキー死亡。

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トムキャットの火災が燃料庫に回り爆発の危険があるが、もう独りになるのはイヤとセラが飛び込み…

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セラ死亡。

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もはや笑うしかないシン。

そんな折、なんと神崎から通信が入る。
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神崎の野望は露に消え、彼は全てを失ったものがたどり着く所に一人たたずむ。
その名…エリア88

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神崎はシンに一対一のサシの勝負を望む。
もう戦争は終わったんだからこれ以上人が死ぬのは見たくない!と叫ぶキムであるが…

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最も信頼しあった親友でもあった神崎との約束は、例えそれが最も憎むべき敵の約束だったとしても、
何よりも重いものなのだ。

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戦闘前に軽くシンを裏切った理由を話す神崎。
神崎の父はシンの母に取られ、逆上した神崎の母はシンの母を殺した後神崎もろとも心中を図るが、
生き残ったのは神崎。そして神崎はさんざん苦労した揚句シンのいる孤児院にたどり着く。
原作だと、神崎の母は赤ん坊のシンを殺そうとするが出来ず、かわりに息子と心中を図る。
そして10数年後、神崎の惚れた涼子はシンになびく。つまり神崎の愛する者は全てシンに流れる。
これが神崎がシンを裏切った理由であるが、やはりゲーム中では説明不足…というか、
決闘前に戦闘機でこんな会話するなよ!

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で、決闘だが…原作では交差しつつ互いにバルカンを討ちあう西部劇的な決闘になるが、
ゲーム中の神崎は容赦なくミサイルを撃ってくる。
なんてやつだ…

しかもこれまた強い。強過ぎる。というか固い
地上空母の100倍固いB-1の更に100倍固いF/A-18!
どんな材質だよ!
しかもミサイルをばかすか撃ってくるのでどんどん被弾する。
しかし何故かこちらのF-20もラストバトル補正なのかよくわからないが5発くらいくらっても死なない。
どっちもどっちである。

そして10000発位機銃を当てて…
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神崎死亡!

その後シンは奇跡的に生還し、パリで涼子に出会うが…
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シン記憶退行!
あまりに悲惨なことがアスランの地でありすぎて、シンの脳はもっとも幸せだった時期にまで退行してしまったのである…
そしてエンディングは…

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真っ白!

グラフィックもスタッフロールもまるでなし。
シンにとってはまさに白昼夢のような出来事であったと思うが、これはちょっと…
始めて見た時はバグかと思ってしまったじゃないか。

というわけでエリア88日記はこれで終わります。
お疲れさまでした!

エリア88 37日目(最終回) 「さらばエリア88」

いよいよラストバトル。

だがラスボスであるはずの神崎は、シンが不意打ちで殺してしまい既にいないので、
指揮官が居なくなり瓦解し逃亡しながら爆撃してるはた迷惑なプロジェクト4の残党の始末という、
イマイチ締まらない戦いに。

ただラストバトルだけあって敵もそれなりに強く、こちらのミサイルをよけまくる。
しかしバルカン粘着に叶う敵はいないわけで、肉薄しバルカンを討ちまくり各個撃破。
絶対ミサイルよりバルカンの方が強いぞこのゲーム…

そんなわけで特に苦も無くラストバトルが終わりにさしかかる。
しかしミッキーが…

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被弾したらしい。
原作では死亡フラグなのだが…

戦い終わって。

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イテテで済んでいるミッキー。
ミッキーも無事なので…

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セラも生還。
プロジェクト4をたたきつぶしたことを祝い、互いの健闘を称えつつ、そして戦士たちは故郷に帰る。

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キムも原作のようにシンに忘れ去られず、よかったよかった。

一人残されたシンも日本に帰ろうとするが…

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唐突に涼子!

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ついでに安田さん!

かくして原作のような全滅エンドにはならず、グレッグやサキは原作通り死んでしまうのでハッピーエンドでもないが、
救いのあるエンドとなる。

(原作だとアスランでのあまりの激動の展開にシンの脳がリセットを選択してしまうが、このエンドだとそれが無いので、
今後はかつてフランスで除隊した時のような精神不安定なシンになりそうな気もするので、それはそれで大変そうだが…)

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と言うわけでエンディングです。

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さらばエリア88!

さて評価です。

ストーリーもかなり端折っているので????な所も多い。
システムは時間制で、隠しイベントもある(かもしれない)がヒントが全くないのでその点物足りない。
フライト戦は武器が弱く(対地ミサイルは使いやすいが)、最終的にはバルカンだけでどうにかなるので、
マネジメント的な楽しさも無いしアクションシーンもミサイルの警告音が出たらひたすら逃げる、または肉薄する、
で大体どうにかなるのでかなり大味である。

では全然ダメなのかと言えばそういうわけでは決してなく。

このゲームは当時のレベルとしてはかなり3Dがグリグリ動く。
そしてエリア88の連中と一緒におなじみの機体に乗って中東の空を自由に駆け巡る。
それを楽しむことがこのゲームの全てであり、それで充分である。

あとは原作のifが多い所が嬉しかった。

これにてエリア88日記は終わります…が、神崎を不意打ちしなかった場合のケースも、
後日ちょっとだけ書いてみようと思います。

エリア88 36日目 「終焉、そして」

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ラスボスであるはずの神崎を先ほど不意打ちで倒したシン(しかもドヤ顔)は、するすると王宮を進んで行く。

すると開けたところに出た。
どうやらここは王宮すぐ近くのアスラン軍の航空基地のようである。
ここでサキを見つける。
サキは怪我をしているようだ。

果たして実の父とは対面できたのか…と聞いてみると。
「既に殺してきた」
と仰る。

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そして自決を決意するサキ…!

そもそもアスラン内戦の発端は、先王の跡継ぎに指名されたサキの叔父であるザクと、
それに反対するサキの父であるアブダエルとの確執にあるとされてきた。
…が、それだけではなく、アブダエルは国内産業の振興のために外資に頼ろうとし、
ザクは自国のみでそれを行おうとした政治上の対立もある。
…かに見えて、真実は、不死の病に冒されたアブダエルの妻ソリアを先進国の医療技術で
救うためにアブダエルが先進国にすり寄った事による。
ところが冷凍睡眠していたとされる妻ソリアをザク国王派に燃やされた(ように神崎に思わせられた)ことで、
アブダエルは理性を失い、アスランをプロジェクト4に支配される原因となった。

結局この事実は最後の最後まで明らかにされなかったため、サキ達王族同士の騒動は真実が秘匿されたまま、
ずるずると伸び伸びになり、その隙をプロジェクト4に付けこまれ、沢山の人間の命は奪われ国は焦土と化した。
サキは新生アスランに無くてはならない人材ではあるが、こうした茶番劇を最前線で演じてなお生きながらえる程
彼の精神は図太くなく、そして彼が彼我で追い落としてきた命の数もあまりにも大きすぎた。
故に彼が自決を考えるのもわからなくもない。が…

やはりゲームではこの経緯を一切省かれているのでポカーンである。

さて、指揮官を失ったプロジェクト4だが、相変わらずアスラン上空を横切っての逃亡劇がまだ続いている。
だけでなく、腹いせなのかアスランを絨毯爆撃している模様。

幸いこの地はアスラン軍の航空基地であるので、ミッキー・セラ・ウォーレン・ケン、そしてマッコイ爺さんまでやってきた。
マッコイは周りがプロジェクト4だらけの中、タイガーシャーク始め数々の名機を調達してきた模様。
「この爺さん一人いれば戦争が出来る」と言われるマッコイ爺さんの本領発揮である…ただものではない。
何故かビゲンまである所にマッコイ爺さんの妙な拘りを感じるが…

最終機はもちろんF-20タイガーシャークを選択。

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いよいよ最後の戦いである。

とは言えラスボスはもう既にこの世にいないので、なんとも締まらないが…