天地を喰らう(カプコン)

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■紹介
1989年、ファミリーコンピューター用にカプコンより発売されたRPG。
オーソドックスなRPGであるが、RPGでいうHPに当たるものを兵士数にすることで大規模戦闘を感覚的に実現している。
ストーリーは三国志演義をモチーフにしつつも敵味方がはっきり分かるようにキャラ付けされ、三国志を知らない層でも素直に楽しめる。
道具や装備の選択、武将ステータスの確認等の手間が若干多く最近のゲームになれているとまだこなれていない感があるが、これも時代相応であろう。
ところどころに粗は見えるものの全体的に分かりやすさを前に出した優しい作りには好感が持てる。
三国志ファンにも、そうでない向きにもオススメである。

■評価
B+

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天地を喰らう 簡易攻略

■基本
(前半)
・兵士数が100、1000、10000…と10の倍数になるごとに彼我の攻撃力が2倍になる。なのでまず相手の兵数の桁を一つ減らすよう攻撃していく。
・武将は策略を使う事が多いので優先的に攻撃。
・武将も兵士数も減らせば後は総攻撃でok。
・必要なアイテムは赤心丹(せきしんたん:体力回復)・招魂丹(しょうこんたん:戦闘不能になった味方武将を起こす)・神行の御札(しんこうのおふだ:訪れたことのある城へ移動)
・名馬(めいば)は敗残武将の登用で使う場合があるが、すぐに武将が欲しい場合でなければいらない。
・必要な策略は業火の計(ごうかのけい:敵全体にダメージ)くらい。ほとんどが力押しでOK。
・物語が進まなくなった場合、大抵は劉備に話しかければ解決する。

(後半)
・呉と戦うところあたりから暗殺使いが多くなってくるので、諸葛亮を軍師にして策免の計を使って相手の策略を無効化していく。
・火神の計・水龍の計で相手全員に大ダメージを与えられるが、策免の計・完復の計の分を残しておいた方が良い。

(終盤)
・暗殺持ちがかなり多くなってくるので、早く攻撃が出来るようになる赤兎馬を持たせた武将に策免の計を使わせる。
・策免の計は消費SPが多いうえ効果時間にムラがある。司馬懿相手に長期戦は自殺行為なので、倍撃の計+会心丹で短期決戦。

■詰まりやすいところ
(vs黄巾党)

・徐州城奪還で裏手の洞窟から攻める場合、たいれつで韓忠を先頭にして相手見張りに話しかける。

(vs董卓)
・呂布を仲間にする場合、虎牢関前の洞窟で黄金の鍵を拾い、洛陽の廃屋で七星刀を拾い、それを呂布戦時に道具として使用

(vs袁術)
・袁術攻略のルートはわかりにくい
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長安を西に行ったのち南に進むが、川沿いに進むと一つだけ進めるところがあるのでここから進軍。

(vs袁紹)
・ここから手を付けると敵が強すぎるので、先に荊州を平定した方が戦力も充実してよい。

(三顧の礼)
・1回目…劉備達が一番最初に旗揚げした村に戻り崔州平の元に行く。
・2回目…再び諸葛亮の庵に行った後、南陽城に劉備を呼び寄せる。
・3回目…再び諸葛亮の庵に行き、「起こしますか?」の選択肢が出たらしばらく放置。

(vs呉)
・荊州に侵攻された時、途中の段階で張飛からまず劉備と話し合えと言われるが、荊州の全部の城を解放してから劉備と話すこと。
・周瑜・陸遜を相手にする場合、赤兎馬+策免の計が無難。
・山道で盗まれた5本の剣のうちのひとつが見つかる。
・新都城南の海賊退治をすると盗まれた5本の剣のうちのひとつを貰える。

(vs魏)
・広陵城で剣が足に刺さったと言っている少年の話を元に、盗まれた5本の剣のうちのひとつが見つかる。
・汝南城の洞窟で、盗まれた5本の剣のうちのひとつが見つかる。
・汝南城西のひたすらに広い洞窟で、盗まれた5本の剣のうちの最後のひとつが見つかる。
・同じ洞窟に、最強武器の鍾馗の矛が見つかる。このあたりの伝説の武具の扱いはまことにぶっきらぼうである。
・曹丕・荀彧・司馬懿には赤兎馬+策免の計。
・最終戦第一戦での司馬師・司馬昭には赤兎馬+策免の計+鍾馗の矛持ち以外で会心丹
・最終戦第二戦での司馬懿には赤兎馬+策免の計+鍾馗の矛持ちで会心丹
・いずれも策免の計のご機嫌にかなり左右される。運の要素が大きいかも

天地を喰らう 20日目(最終回) 「天下統一」

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洛陽に逃げた司馬懿を追撃する劉備軍。

洛陽はかつて董卓に灰にされたが、曹操によって再興されている。
このゲームの曹操は帝を補佐し続けるわ都を再興するわ、しかし官渡の戦いや赤壁の戦い等のように徒に膨張主義は採らないわでなかなかのイケメン。
司馬懿はその果実をかすめ取ったと言えるわけで、漢の正統後継者(と自認する)劉備としては捨て置けぬ。
大義名分が出来てしめしめとも言う。

洛陽は司馬懿の優秀な息子、司馬師と司馬昭が守りを固めているという。
たった二人で百万の敵をも翻弄できるというものすごい触れ込みだがその実力はと言うと…

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ただの口三味線だった。

まぁそれなりに痛い計略を使うので優秀には違いない。だがこちらには策免の計がある。
相手の計略を全て封じ軽くひねりつぶし、さて次は城内突入か。一度戻ってSPを回復しなきゃな、と思ったら…

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司馬懿が間を置かずに攻めてくる。
これはきつい。正直きつい。ものすごくきつい。
息子ズとの戦いで策免の計を使ったせいで、こちらの戦いで使える計略は非常に少ない。

この策免の計と言うやつは持続するのだが、その持続時間は1ターンの場合もあれば10ターンの場合もある。
すぐ切れてしまった場合はかけ直さねばならないが、消費SPがかなり高いので短期決戦で仕留めるしかない。

そこで…

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一旦決戦から離脱し長安に赴き、会心丹を買えるだけ買っておく。
そして最強武器である鍾馗の矛を持たせたキャラ(今回の場合、関興)に倍撃の計をかけ、司馬懿に向かって会心丹を使う。
すると一撃で6500人以上もの兵を消し飛ばすことができる。
三国無双どころの騒ぎではない。流石少年ジャンプのキャラである。

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こうして司馬懿に集中攻撃して討ち取れば、あと気になるのは暗殺持ちの程昱くらい。
その程昱も倒せば残りは自動戦闘で問題ないだろう。

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かくして司馬懿は倒れる。
彼もまた天下統一を願った男の一人であり、彼なりのやり方でこの中国に平和をもたらそうとした。
もしも主君曹操が健在であったら、あるいは曹丕に曹操並の器量があったなら、あるいは主君が劉備であったなら…
その様な意図を示しつつ息絶える。
穿った見方をすれば最後まで責任のなすりあいしてんじゃないわよ、なのだが、その捉え方も人それぞれか。
何しろメモリーの少ない時代のゲームなので、そのあたりの機微は各自で妄想されたし。

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そして中華を統一した劉備達は、かつて廻った地や激戦の戦いに想いを馳せつつ…

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完。
このひらがなのお礼文がとても温まる。

さて感想である。

オーソドックスなRPGと言えばそれまでだが、HPを兵数として扱ってダイナミックな戦闘を表現したり、各諸公の思惑を簡略化し常に敵の存在を明確にしている。
この点のユーザーフレンドリーなゲーム設計が実にカプコンらしい。
反面UIが練られておらず、装備の付け替えや道具の購入、住民への会話もひと手間ふた手間多いのがネックだが、これも後にノウハウになっただろう。多分。

気になった点としては三国志的展開にとらわれ過ぎてどうしても予定調和になりドラマが少なくなってしまったこと。
あと正史や演戯で名高い官渡決戦や赤壁の戦いが省かれ見せ場もほとんどないこと。
(メインメモリ250キロバイトにどんだけ多くを求めているのだ。)
まぁこの辺が2で訴求されているのだろう。

とはいえエンカウントの多さはもう少し調整しても良かったかな。全体的には並に近い良作というべきか。

以上終了お疲れ様でした!

天地を喰らう 19日目 「司馬懿追撃」

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逃げる司馬懿をずんずんと追撃する劉備軍。
だが彼の退路である汝南城の洞窟及びその西の洞窟がこれまたエライ広い。
無茶苦茶広い。

1回ではとても探索しきれないので、何回か分けて探索することになるだろう。
しかしその見返りは大きく、蜀の名工が作り黄巾党に盗まれた伝説の武具の残り、更に最強武器である鍾馗の矛まで拾うことが出来るのでここはピクニック気分で行きたい。
ところで劉備軍はもう20万人以上になっている。そんな規模の軍隊がラクラク進軍できる洞窟と言うのもまたすごい。もう地下帝国クラスである。

ここからの道中で気をつけるべき敵将は・・・

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荀彧
上の状況になったのでこれは余裕と思って自動戦闘にしてトイレに行って戻ってきたら、こちら側の兵の8割が吹っ飛んでいた。
彼は兵士数がギリギリになるまで堪えた後完復の計、それまではひたすら暗殺を仕掛けてくるという、シンプルにして恐怖の戦法をしてくるのだ。
無論策免の計を使えば無効化できるが、荀彧は一度倒せば終わりでなく何度でも挑んでくる。
その度にこちらが策免の計を使い続けるとあっという間にSPが減り計略をつかえなくなってしまう。
この状態で計略のデパートの司馬懿と戦えるわけが無い。

最も有効な策は、荀彧を見たら逃げることだろうか。
呂布の100倍はおっかないヤツである。演戯では大人しい内政型だった気がするがこのゲームではエライ血の気が荒い。

荀彧にヒヤヒヤしつつ洞窟を抜けると、やがて陳留砦が見え司馬懿が待ち構えている。
待ち構えているというか「だっ誰だ!?」とドモっていたので見た目に反して結構小心者なようだ。
横山三国志の司馬懿成分が少し入っているのかもしれない。

司馬懿は強敵ではあるが、ここまでSPを温存していれば、いつもの赤兎馬+策免の計でコテンパンに出来る。
文字通り尻まくって洛陽まで逃げ出し、しんがりを託されたのは…またしても荀彧
どんだけ有能なんだ。郭嘉あたりの方がキャラに合ってる気もするが…

というわけで決戦の舞台は洛陽。
ここでは司馬懿の他、100万の軍隊をたった二人で翻弄できるという触れ込みの優秀な息子・司馬師と司馬昭が待ち受けているという。

そこら辺を歩いていた通行人曰く、

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だそうなので、気を引き締めてかかろう。


■現在の編成
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総勢25万人!
旗揚げ時は500人も居なかったのにエライ規模になってしまった。

姜維をスタメンに上げてみたが、この段階まで来ると攻撃型計略を使う暇があったら策免の計や体力回復に回した方がよさげなので、黄忠に戻した方がよさげか。
残念だったな小僧!
姜維は見た目によらず暗殺なんかも使えるのだが、策免の計を使えないのが痛すぎる。

天地を喰らう 18日目 「曹魏転覆」

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逃げ出した曹丕軍を汝南城まで追い詰める劉備軍。
ここで再び戦端を開くが、赤兎馬+策免の計の戦法に死角なし。
なにしろ策免の計は暗殺どころか兵数を回復する完復の計まで無効化できるのだ。

軽くひねり潰すと、なんと司馬懿が援軍でやってくる。

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おーとか言って気楽である。
だがしかしこちらの損害は軽微。ついでにもんでやるかと思っていると…

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曹丕死亡。
えっ?
なんと、司馬懿は曹丕が膨張政策を取っている裏で、国家転覆の準備を秘密裏に進めていたのだ。
それは曹丕の暴挙を止める積もりだったのかと思いきや、いきなり落雷の計を使い15万以上居るこちらの軍団を壊滅させてきた。
司馬懿も超やる気マンマンなのだ。アワレ劉備軍の将達は気絶してしまう。
15万の大群を壊滅させる稲妻とかさすが中国の雷である。

しかし武将たちは関羽の子供である関索により何とか助け出されたという。
彼は知力キャラらしく、都合の良いことに司馬懿の使った落雷の計を封じる呪文を知っているという。
それは相手が呪文を唱えた時にこちらもこう唱えるのだ。

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……
さすが中国の雷、よくわからないけど偉大である。

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こうして雷を無効化した劉備軍は、遂に(多分)最後の敵である司馬懿との決戦に臨む。
司馬懿は水龍の計(全員に大ダメージ)・撃免の計(こちらの打撃攻撃を無効化)・暗殺の計・完復の計・離間の計となんでもありだ。
だがこちらも赤兎馬+策免の計で全て封じることが出来る。
ちなみに策免の計は諸葛亮を軍師にしないと使えない。姜維では撃免の計にしかならず、相手の計略が通りまくってエライことになるのでこの点注意だ。
さすが諸葛亮である。

こうして司馬懿の軍隊を打ち破った劉備軍。
これが最後の決戦になるかと思いきや、司馬懿はスタコラと山越えをして逃げてしまった。
どうも曹魏は逃走がトレンディのようだ。

まだまだ続くよ乱世。
劉備軍は弛むことなく、司馬懿をずいずいと追撃だ!
とは言いつつも諸葛亮が強すぎて実際は弛みっぱなしなのだが。


■現在の戦闘
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関興を大将にした以外特に変更点は無し。
趙雲を大将にして居ても、どこに行っても「関興将軍!」「張苞将軍!」と呼ばれるからだ。
まぁいい歳だしね…

いい歳といえば、黄忠はもっといい歳である。
姜維よりも兵数も少ないし計略要員も欲しいので入れ替えるべきか。