イースⅠ&Ⅱクロニクルズ(日本ファルコム)

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■紹介
1987年にPCで発売されたイース、88年に発売されたイースⅡをwindowst用にリニューアルしたエターナル版をカップリング。
更にⅠエターナルにもオープニングムービーを付けて発売されたのがイースⅠ・Ⅱ完全版。
それに更に音楽とグラフィックを追加しPSPに移植したものがイースⅠ&Ⅱクロニクルズ。
それをPCに逆輸入したものが本作。(ややこしい)
PSP版のベタ移植な為物足りないところはあるが、それでも往年の名作イース・イースⅡを元にしており十分楽しめる。
一部展開が強引であったり一本道すぎるところがあるのも、今の時代ある意味ご褒美でもある。
イースを楽しんだことがある層も、そうでない層も楽しめる逸品。
思い出補正モリモリで断トツの高評価。

■評価
S-


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Amazon→イースI&IIクロニクルズ Windows8対応版

イースⅠ&Ⅱクロニクルズ 簡易攻略

(イースⅠ)
■基本

・雑魚敵は半キャラ分ずれてぶつかればダメージを受けない
・各キャラの言われるがままに動いていればほぼ問題は無い

■バルバドの港街
・町人全員と話すとスラフからショートソードを貰える
・ゼピック村でルタの嫁(アイリス)と話した後に立ち寄ると、ルタが病院に訪れている(サラが殺された後なら確実)
・サラが殺された後に立ち寄ると、スラフからターワルを貰える(酒場のバルバド出身者と話す必要あり?)

■ミネアの町~草原
・取引所でサファイアの指輪を買い(値切り可能)、酒場の眼帯の男に渡すと高く売れる。
・草原の湖で金の台座が落ちているのが見えるので、近寄れば拾える。取引所に売るべし
・ベスティアリーポーション・紙切れ(要宝箱の鍵)は草原に落ちている

■ゼピック村
・ルタの嫁(アイリス)と話すと、ルタに関するイベントがアンロック

■神殿
・女神像の隣にうっすらと扉の跡が見えるところでマスクオブアイズを使うと通り抜けられる

■廃坑
・宝箱の鍵を手に入れたら神殿奥に行く前に廃坑1階に立ち寄り右添いに歩いて行くとシルバーアーマーを手に入れられ、その後の探索が楽になる
・ヴァジュリオンは手ごわい。実体化するのはほんの一瞬なので、コウモリが集まりだした段階で突っ込もう

■ダームの塔
・牢屋に入れられたら待っていればそのうちドギが助けに来る
・悪魔の回廊は同じ階の塔外郭の柱をハンマーを持ってアイテムを使用する。適合する柱ならば壊すことで先に進める
・鏡の間は何度も同じ場所に出てしまう場合、ワープアウトした後の鏡にもう一度入っていみると良い
・イビルリングはブルーネックレスを装備していれば死ぬことは無い
・最後の扉が開かない場合、ルタ=ジェンマの居る場所まで戻りブルーアミュレットを貰って装備
・コンスクラードは倒しにくい。中心のコアではなく、その周りを弾に当たらないよう回るべし
・ダルク=ファクトは非常に強い。相手を追いかけるのでなく相手の飛んでくる位置を予測気味に、なるべくフィールドの外側で攻撃

(イースⅡ)
■基本
・雑魚敵は半キャラずらしも効くが、難易度ノーマル以下ならば斜めからぶつかればほぼノーダメージでものすごく倒しやすい
・その代わりファイヤーの魔法の使い勝手が88版と比べ非常に悪くなっている。あまり過信せぬよう
・ボスは強いと感じたらテクニックにすがるよりも素直にレベル上げをしよう

■ランスの村
・ジラの家の魔物は88版等と違い全滅できる。全滅させると結構な経験値が手に入るのでオススメ

■ムーンドリアの廃墟
・マトックで壁を壊せるところがある。その向こうにベスティアリーポーション

■ノルティア氷壁
・精霊の衣は取り忘れしやすいので注意(階段の下・動かない紫の魔物が居る場所の奥)

■バーンドブレス
・タルフの父にまず魔物姿で話しかけ、次いで人間の姿で話しかけると囁きの耳飾りをくれる。これを装備すれば溶岩の牢屋を開けられる

■サルモンの神殿
・やすらぎの指輪は取り忘れしやすいので注意
・黒真珠は会議室にある
・ドルーガーは卵を意識的に割っていく。強く感じるならば素直にレベル上げ
・ザバ様はまず鳥をファイヤーの魔法で攻撃して倒す。3セット目あたりからザバ様が出陣する。鳥を倒しきると攻撃が通るようになる。

■イースの中枢
・ダームは女神の指輪・生命の薬・シールドの魔法を装備すればあまり難しくない

イースⅠ&Ⅱクロニクルズ 30日目(最終回) 「想いを抱き石となりて」

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かつて700年前に存在した古代国家イース。
イースの女神たちが生み出した巨大な黒真珠は、魔法とクレリアと呼ばれる金属を生み出し、最盛期を迎えた。
しかしその黒真珠はクレリアと反応し意思を持ち、ダームと呼ばれる魔物となり、人類に反旗を翻した。

全てを悟った女神たちは黒真珠の力を持ってイースを空中に逃がす。
そしてクレリアは地下深くに埋められ、女神はダームを封印。
二度と黒真珠が暴走せぬようその胸に抱え、永遠の眠りについた。
それは数多くのイースの人々を死に至らしめ、世界の危機すら引き起こしたことに対する贖罪なのか。

700年後、イースという国や女神の存在はもはや伝承としてかろうじて残るほどに忘れられた頃。
人々の欲望はクレリアを掘り出し、銀という名で流通させた。
その繁栄に警鐘を鳴らしたとある神父は、欲に駆られた村人に惨殺された。
神父はかつてのイースの神官ファクトの子孫であり、その子供の名はダルク=ファクトといった。

クレリアの流通とともに魔物と、そしてまず女神のひとり、レアが目覚めた。
魔を封じるだけでなく、倒すことの出来る剣士を捜し求める為に。

その後黒真珠を抱えていたフィーナも遅れて目覚める。
あるいはクレリアに反応し復活した黒真珠の魔の余波で、強制的に目覚めさせられと言うべきか。
黒真珠は誰にも手出しできない、廃坑の奥の更に奥深くに鎮座し、天空のイースで目覚めた魔物にも指令を送った。
再び魔物の力で世界を席巻せよと。

だが、その野望は女神と神官の子孫たちの力を受け継いだ一人の少年によって打ち砕かれる。
クレリアの剣に想いを込め、渾身の力で遂にダームを打ち破った。
全てが終わった後、アドルは神官の子孫たちと、リリアと、そして二人の女神と大団円を迎える。
皆がアドルを祝福する中、女神のひとり、フィーナだけは一言も話すことが出来ない。
あまりに想いが溢れすぎて。
その機微を読み他の人々は立ち去り、夕暮れの中、アドルとフィーナだけが残される。
今なら、思いの丈を言えるはずだ。
けれど…

かつて少年は、目覚めたばかりで記憶を失っていた女神のひとりフィーナを助け出し、ともに冒険し、魔物だらけの山を登頂し、レベルアップさせ、山賊の砦に連れ込んでビビらせた。
ろくでもない思い出のようだが、フィーナにとってそれはかけがえのない思い出となった。
全ての頂点に立っていた女神が初めて、一人の少女のような気持ちで一人の少年と付き合うことができたのだ。
その思い出さえあれば、これからの冷たい永劫の時間も怖くない。

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お別れです
女神たちがこの世界に残した功績を差し引いてもなお、この世界に残した傷跡は重いものだった。
傷跡は消せない。出来ることは、ただ癒すことだけだ。

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千の言葉も、万の想いも交わすことなく、少女は少年の元を通り過ぎる。
自分は少女ではない、女神なのだ。責任は、果たさなければならない。

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かくて少女たちは石となり、自分たちが生み出した負の遺産である黒真珠とともに、未来永劫地底の奥深くで眠り続ける。
赤毛の少年が残してくれた思い出という名の埋火を抱きつつ――

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そしてこのドヤ顔である。
アドルがよりにもよってドギといっしょに旅に出た気持ちもわかる気がするぞ…

イースⅠ&Ⅱクロニクルズ -完-



恒例の評価。

88版どころかX1版からイースをやっている自分としては、このゲームが面白くなかろうはずは無い。
今の視点からするととにかくあれをやれこれをやれと指示の多いゲームだなぁと思ったが、それも時代相応である。
またオリジナル版にあった強引な展開も、セリフを変えたりしてマイルドにしているところも好印象。
グラフィックも素晴らしく、クロニクルになってより今っぽくなった絵も素晴らしい。
音楽もオリジナル(イースⅠ・Ⅱ完全版)の他88版も入れているのもポイント高し。
88版原理主義者の私には嬉しいが、市場的にはPCE版の方が最も貢献してるだろうけど。

かつてイースについて1分でも楽しんだ思い出があるのならば、文句無しに買いである。
イースを知らない向きには、現在まだ続いているイースシリーズのすべての原点である本作は、より一層全速力で買いである。

おまけ。

フィーナとレアにプレゼントしまくって好感度を最大にすると、

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フィーナとアドルを残してレアが立ち去るときにウィンクする。
うまくやんなさいよ」的な何かである。
お姉さんは何でも知っているのだ。
さすがアドルより684歳以上年上なだけはある。

イースⅠ&Ⅱクロニクルズ 29日目 「最強の敵」

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半年前、このイースに突如として出現し人々を絶望の淵に追い落としてきた災禍の中心。
それがここイースの中枢であり、門前を守るは仇敵ダレス。
これまで散って行った人々の無念を胸に刻み、アドルは剣を振を構える手に力を込める!

…と盛り上げてみるが、これがまた拍子抜けするほど弱い。
おそらくレベルデザインが間違っているのかもしれないが、当たる攻撃がさっぱり痛くないのだ。
ザバ様を倒せるくらいならパラメーター的にも問題は無い。
魔法を封じられるが、そのまま隕石の間を縫って攻撃を加えればそのうちおだぶつだ。
地上のヨグレクス&オムルガンの下位互換と思えばよろしい。
魔族第二位の実力という触れ込みなのに目立つ所にキーアイテムの黒真珠を放置して居たりするだけはあり、根っこはポンコツなのかもしれない。
ちなみにタイムストップの魔法を使うとDIO様のナイフのようなカッコいい攻撃を受けるので余裕があったらやってみよう。

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ダレスを倒したアドルはシールドの魔法を手に入れ、イースの中枢に向かう。
そこには、女神の啓示によって呼び出された神官たちの子孫が居た。
タルフもその一人で、なんとマリアまで居た。
マリアは自分の持っていた神官の腕輪が身代わりになり、気絶していたところをキースによって運び込まれたらしい。
そのキースも、またラミアの村の門番ゴートも居る。アドルを追っかけてきたリリアもそこに居た。
イース3のエレナもそうだが、イースシリーズのヒロインは健脚すぎである。

中枢を抜けると、オープニングにあったところと同じような広間に出る。
広間中央の紋章の前に立つと…アドルはかつて見たことがある場所に瞬間移動した。

そこは…エステリアの廃坑最奥部だった。
かつて女神像が安置されていたという場所だ。
空の箱舟イースは女神の力なのか、あるいは魔の元凶の意思なのか、再び地上に戻っていたのだ。

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しかし、その台座の上で女神たちが呪縛されていた。
ダームと呼ばれる、廃坑最奥部に封印されていた巨大な黒真珠の化身の手によるものだった。

黒真珠というものはどうも魔の力を活性化させるようで、火山地帯でアドルがタルフを助ける為に手に入れた黒真珠はポケットに入るくらい小型だった。
その小型の黒真珠ですら、穏やかな魔物のキースですら一時的に暴走させ固い溶岩の壁を突き破った。

はるか遠きイースの時代、女神はそれら小型の黒真珠とは比べ物にならない、巨大な黒真珠を作った。
その黒真珠は巨大すぎる魔力故か意思を持ち、ダームと名乗り魔物の総元締めとなり、世界全体の脅威となったが、それは女神によって封印された。

しかしいまやダームは復活した。
女神たちはかつて封じたこのダームを再び封じるべく、イースの中枢に向かった。
だが蘇ったダームの力は強大であり、逆に女神達は呪縛されてしまったのだ。
その呪縛はどうあっても解けない。せっかくここまで来たのに…と難儀している所で見知った顔が現れる。
そうはいかねえぜ魔物さんよ!
のゴーバンさんと、ルタ=ジェンマだ。
このセリフを聞くのは10年ぶり、88版から換算すれば30年ぶりくらいだが、いつ聞いてもこっ恥ずかしい。

二人もまたイースの神官の子孫であり、女神の啓示をうけた者だ。
赤面しつつアドルはゴーバンから銀のハーモニカを受け取り、奏でる。
その音色はかつて詩人レアが残したあの曲。
破魔の音色が二人の呪縛を解きほぐす。

遂にアドルは女神と対面する。
それは、見知った顔だった。
詩人レアと、記憶喪失の娘フィーナ。

天空に飛び立つ前の語りたい思い出も、飛び立った後の話したい出来事もゴマンとあるが、それはすべて、このイースに平和をもたらしてからだ。

女神の加護を受けたアドルは扉をくぐり、

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全ての魔法と魔物の源泉である魔そのもの、最強の敵・ダームと対峙する…!

イースⅠ&Ⅱクロニクルズ 28日目 「本当の笑顔を」

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石化の魔法を解くべく、鐘つき堂に進むアドル。
その彫像で夢見の石像を掲げることで、全ての石化の魔法はその効力を失った。

さまざまな村から狩られ集められた人々はダレスによって石にされるも、アドルの活躍によって待ち人の元へ帰っていく。
ラミアの村で独りぼっちになっていた少女も、溶岩の村で夫を待っていた妻も、ランスの村で父が失踪し不安に駆られていた家族も、待ち人が戻ってきたことで皆喜びに満ち溢れている。

だが、その笑顔は本当の笑顔ではない。

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倒すべき敵はまだ残っている。
かつて神官ジェンマが言っていた。イースの力を魔に握られては世界は破滅すると。
その力を使役できるであろう場所がイースの中枢。女神はそれを止めるべく、中枢に向かった。
だが女神で魔の元凶を封じることはできても、倒すことはできない。女神に選ばれた戦士でなければ。
そして魔の元凶を倒さない限り、人々の本当の笑顔は取り戻せない。

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マリアを助けに入ったサダはダレスによって石にされたまま、マリアに遭うことすら叶わず、マリアの死をアドルから聞かされた。
彼が笑顔を取り戻すことは、もう二度とないかもしれない。
サダの家系は、家に伝わるクレリアの装備をイースの女神に認められた戦士に授けることを、代々の使命にしてきたという。
全てを失った彼にたった一つ残されたものは、使命。そのすべてをアドルに託す。

石化の魔法から解けた人々から預かった金のペンダントを使い、アドルはイースの中枢へと続く道を歩く。
そこには…

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魔族第二位に位置する仇敵・ダレスが待ち受けていた。
このイースに巻き起こった数々の悲劇はすべて、この男が実行してきたものだ。
人々に本当の笑顔を取り戻すため、アドルは剣を構える。
ダレスを打ち倒し、その奥に居るであろう本当の敵を倒すために。