エグザイル 破戒の偶像(日本テレネット)

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■紹介
イスラム最強の戦士サドラーが、先に潜伏し消息を断った仲間を探し出しセルジューク朝カリフ暗殺の任務を請け負う。
スンニ派シーア派の確執から物語は始まり、終盤にはイスラム全体の危機、そして衝撃過ぎる結末と見所満載だが…
その間は震え上がるほどにスッカスカである。

良くも悪くもテレネットの、そして1988年という、88ゲーム全盛期のゲームである。
今でこそゲーム=アニメ=ラノベのような安直な等式が成り立ってしまっているが、当時は方向性がブレまくっていた。
カオスすぎるゲームが跳梁跋扈していた。そのカオス感を楽しむのが本ゲームである。
この当時の雰囲気を知らない向きがこのゲームをするのは、たぶんものすごくつらい。

■評価
C+

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エグザイル 破戒の偶像 簡易攻略

■経験値・お金稼ぎ
・敵のアルゴリズムは「足元に地面があれば出現する」「上が空白であれば出現する」といった単純なもの
・上記アルゴリズム故に敵が延々と沸きなおかつ攻撃を受けない箇所がわかり易いので、そこで延々と攻撃連打
(例)バグダッド
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アラムート城
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■武器・防具
・武器・防具は価格の高いものを順次買っていけば間違いない
・武器は剣よりサーベルが若干攻撃力が高い
・クルアラーンや、ゼブハ等の聞きなれないモノも防具なので、ウェポンコマンドで装備できるかどうかを確認

■薬・麻薬
・そこかしこに落ちている麻薬はほぼ全部役に立たない。多少ステータスが上がるが、下がったり副作用で回復剤が効かなくなるものもあるので、拾ったそばから捨てて良い
・覚えておくアイテムは4つ。ヨポ(HP全快)・マジックキノコ(MP全快)・ロリナミンA(HP回復)・ハブロン(状態異常回復・聖水も可)
・麻薬の副作用、或いは毒攻撃を受けて回復剤が効かなくなったら早めのハブロン
・ジムソンウィードという麻薬はAP+40だが、効果が切れると死んでしまうので使ってはならない。麻薬ダメ、ゼッタイ

■詰まったら?
・詰まる箇所の大部分が行ける道が異常にわかりにくい点。岩山のつなぎ目などは行ける場合が多いので、とりあえず体当たりしてみよう
(例)こういう所
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・アランビーケのある洞口の入り口を下記に記す
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・わかりにくいMAPを下記に記す
(牢獄)
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(バグダッド)
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(エサラギ神殿)
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・後半になるにつれマップも素直になるが(普通逆だと思うが…)、敵も後半はめんどくさい動きをしてくるのも多いので、効率的に進みたければマッピングしたほうが良い

エグザイル 24日目(最終回) 「最後の標的」

現代の二人のサタンのうちの一人、ソ連の書記長を暗殺したサドラー。
すると意識が遠くなり、次なる標的の元へ体が運ばれる。
そこに居たのは…

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ロボコップだった。
この当時のアメリカは既に量産化に成功していたのだ。
恐るべしアメリカ。
攻撃を受けても2ドットくらいしか減らないけど。
というか突っ込むべきはそこじゃない。

そしてここも道なりに進んで突き当りの部屋に入るを繰り返せば、最後の部屋まで来る。
ちなみに途中に居並ぶ部屋に入るとバブルス君みたいな変なサルと出くわす場合があるが、こいつが異常に強く魔法を使ったほうが早い。
ロボコップよりバブルス君の方が強いというのがこのゲームらしい。
他にもホワイトハウス?内なのに堂々と麻薬の売人が居たりするし、フリーダムすぎるアメリカである。

そうして辿り着いた先には、最後のサタン…

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アメリカ合衆国大統領、R・レーガ…
アメリカは一切テロ活動を支援しない!というのがなんとも皮肉である。
コイツもゴル書記長と同様ひ弱なのかなと思いきや…

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やたらでかい悪魔を召喚してくる。
どうせコイツもゴルビーねり飴レーザーみたいな見かけ倒しで数ドットしか減らないだろうと思いきや…
一撃で殴り殺される。
ぐぬぬ、さすがアメリカ、世界最強である。
慌ててロードしなおし再挑戦。おもむろに魔法を一発ぶちかますと…一発で死亡。
イスラム魔術最強なのは20世紀の世界でも同様だった。

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そして貫通した魔法で大統領もついでに死亡。
あ、あっけない…

この大統領は、ある石を持っていた。
手にした者は世界を支配するといわれた秘宝、イルファーンの涙だ。
サドラーを未来に導いたアラーの秘宝のアレである。
あの石は巡り巡って、20世紀の支配者である大統領の元に流れ、そして再びまたサドラーの手に戻った。

この石を持つものは、世界を支配する。
つまり、世界を自分の信じるままに作り変えることが出来る。
この石の力を持って、20世紀の世界を自分の信じるがままに作り変えた大統領は、最後の最後に石に否定された。

この世界は間違えていたのか。
今度こそ正しい世界を作り上げる為に、今再びサドラーの手に戻ったのか。
その答えは誰にもわからない。
アラー以外には。

石の力で再び元の世界に戻ったサドラー。
そこには懐かしのアサシンの仲間、ルーミー・キンディ・ファキール・スフラワルディが居た。
さっぱり役に立たなかった連中が、今は言うまい。

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これからサドラーは、正しい方向に世界を導かなければならないからだ。
今度こそ…

エグザイル 破戒の偶像 -完-



評価。

壮大なお使いゲーである。
終盤のストーリーはかなり盛り上がる。
十字軍とモンゴル軍に挟撃されるイスラム。そして身内争いから脱却し、未来へ飛んで歴史を修正しようとするサドラー。
この壮大さはそれだけでご飯三杯行ける。
何故この路線で徹頭徹尾行かなかったのか。

ゲームの大部分がしょうもないお使いに費やされ、それだけならまだいいが、世界観無視の石油コンビナートとかナチスの参謀本部とか、色々ヤバイ。
まぁ悪ノリの類なのだが、根っこのストーリーが良いだけにこれが実にもったいない。
あまり歴史とか政治とかを書くと飽きるかもって配慮だったのかもしれないが…

アクションも正直出来が悪い。
敵がサドラーの頭の上にのっかって上に進めなくなるとか、敵が延々と投身自殺しまくるとか、アルゴリズムが適当すぎる。
ボスも魔法ぶっぱで一撃で死亡というのも大味。

ものすごく重厚なバックストーリーに水素より軽い軽薄なメインストーリー、そしてストレスマッハなアクションシーン。
これは88版たけしの挑戦状と言っても過言ではあるまい。

これほどのバカゲーを何故世間は放っておいたのだ。
かといってまかり間違って注目されたら世界的な大問題になる気もするが。

エグザイル 23日目 「第1の標的」

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もはやイスラム同士で身内争いをしている場合でも、モンゴルや十字軍と異教徒争いをしている場合でもない。
このままでは未来の地球は確実に滅びるのだ。二大超大国による核戦争で。
それを食い止めるためにアラーの奇跡により未来に飛ばされたサドラー。

その眼光の鋭さは正にアサシン最強の戦士といわれたその人であり、死んだ魚のような目をしてハロワに通ったりエロ本を探していた時のサドラーではない。
今まさに決戦の時なのだ。

目的は世界を破滅させようとする二人のサタンの暗殺。
その者とは二大超大国を率いる…書記長と大統領!

未来の、もはや誰も居なくなって久しいアラムート城下の村で装備を整え、いざサタンの征伐へ。
向かった所は、戦争中なのか既に荒廃としており、なんだかウネウネとしたイソギンチャクのような敵がウロウロしている。
公害やら生体兵器やらの成れの果てかもしれない。

暫く道なりに進むと、城内のような所に出る。
そこかしこに掲げられている旗は完全にソ連のアレである。
このゲームが発売されたのは1988年。冷戦真っ盛りの頃であり、当時のソ連の書記長といえば、ゴル…

やがて広い所に出る。
そこに居たのは…

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完全にアウト
この顔、このおでこ、紛れも無くペレストロイカのあの人である。
しかも世の中を救うのは宗教ではない!金だ!と俗物の権化のようなことをのたまう。

散々イスラム教についての悪口をのたまったのち、変なピストルを持ち出し…

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極太スクリューレーザーを撃って来る。
ものすごく痛そうだが、食らってもHPが3ドットくらいしか減らない。
しょ、書記長…

とりあえず魔法を一発ぶっぱなしたら何も言わず消滅してしまった。
ゴ、ゴルビー!(言っちゃった)

そうして二人のサタンの内一人を(実にあっけなく)倒したサドラーは意識が遠くなり、続いて辿り着いたのは…

エグザイル 22日目 「終末」

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まばゆい光と共に、声が聞こえてくる。
それは唯一神アラーの使徒、天使ジブリールの声だ。
彼は言う。

高度な文明を誇ったイスラムは派閥争いに明け暮れたせいで、その隙をモンゴルと十字軍に突かれ壊滅的打撃を被る。
その後この世を支配したのは十字軍のお膝元ヨーロッパ。
しかし彼等はイスラム以上に戦いに明け暮れ、人を殺し、遂には米ソという二大超大国を生み出す。
彼等は20世紀の未来で、世界を何度も壊滅させうる核兵器を持って、イスラム地で最終戦争を起こそうとしているという。

これはもうイスラムの問題でもなく、米ソという超大国の問題ですらなく、地球全体の危機であった。
この超大国の争いを止める為にはアラーの奇跡が必要。正に今がその時であり、その奇跡とは…
サドラーを20世紀の未来に行かせ、二大超大国の争いと止めることであった!

この奇跡に耐えうるのはアサシン最強の戦士サドラーのみ。
ルーミーの制止を振り切り、彼は未来へ飛ぶ。

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その先には…アヤトラが居た。
アヤトラとはシーア派の指導者を指す。

時は20世紀。
サドラーの居た12世紀のイスラム教国と同様、20世紀のイスラム教国も、米ソ二大超大国の間に挟まれ滅亡の危機にあった。
そして米ソはお互いの覇権の邪魔になるイスラム教国のアヤトラを20世紀のアラムート城に幽閉していたのだ。

このままではイスラム教国を起点に米ソのエゴがぶつかり合い、その果てには最終戦争しかなく、それは地球の滅亡を意味する。
それを止める為に、アヤトラはサドラーに依頼する。

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二人のサタンである書記長大統領を抹殺してくれと。
やっと暗殺者らしい仕事が出来るサドラーだが、よりにもよってその相手は書記長と大統領だった。
これはもう、完全にアウトである。この記事もアウトかもしれない。大丈夫だろうか…

色々アウト過ぎる中、いよいよサタンの征伐へ…!